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[ liberal arts-大学生の常識 ]

キャンピングカーレンタルが人気
主流は1日2万円台

キャンピングカーレンタルが人気主流は1日2万円台

 キャンピングカーをレンタルして旅行する人が増えている。旅行の自由度が高く、ホテル代などを抑えられる割安さや気軽にペットを連れていける点、訪日客の利用などが人気を後押ししている。共通するのは「コト消費」と「SNS(交流サイト)受け」。料金は1日2万円程度からが主流となっている。

「バンコン」と「キャブコン」

宿泊費込みなら旅行費用も安く抑えられる(レヴォレーターの埼玉県戸田市のガレージ)

 5月下旬の土曜日。サプリメント会社を経営する大丸裕介さん(40)が向かったのは東京・渋谷のJR恵比寿駅。駅前で出迎えたのはファインシード(東京・渋谷)が運営する東京キャンピングカーレンタルセンター(東京CRC)のキャンピングカーだ。もともとアウトドアが大好きだという大丸さん。レンタルは3度目だ。

 借りたのは「バンコン」と呼ばれるバンがベースになった車両。大きさや見かけは普通のバンと変わらないが、扉を開けると水道やテーブルとシート、足を伸ばして寝られるスペースがコンパクトに収められ、車内はまるで秘密基地のようだ。バックドアを開けると子供1人が遊べそうな空間がある。「乗った瞬間からわくわくできる。家族も喜ぶし、ほかの旅行では味わえない価値を感じる」と大丸さん。レンタル価格は週末24時間の利用で2万2000円と普通乗用車と比べれば高めだが、家族3人の宿泊費込みで考えれば費用はかなりお得といえるだろう。

 実はバンコンを借りているのは大丸さんのようなリピーターなど少数派。キャンピングカーの主流といえば「キャブコン」と呼ばれるトラックのシャシーがベースの車両だ。天井が高くシートも広々としてゆったりと過ごせる。リビングごと移動しているような楽しさと優雅な雰囲気を併せ持ち、初心者に大人気だ。レンタル価格はバンコンより少し高めで、週末なら1日2万5000円程度。東京CRCでは同車両の夏休みシーズンの稼働率は100%を見込む。

 「卒業旅行や女子会での利用が増えている」と話すのは関東・関西など全国に拠点を持つキャンプインカー。需要増に対応し、今年に入ってから車両を90台まで増やした。こちらも夏の予約は埋まりつつあるという。大学生の春休みにあたる2~3月の平日はレンタル料も安く複数人で割れば費用をさらに抑えられる。「学生NG」の業者もあるが、運営するレヴォレーター(東京・渋谷)の堀田広最高執行責任者(COO)は「思い出づくりに一役買えれば、今後の利用が期待できる」と話す。家族利用が限定のリトルティピ(東京・練馬)には最近、新婚旅行で使いたいという夫婦から申し込みがあった。ファインシードの頼定誠社長によると「せっかくなら、とSNS映えするハイエンド車両を希望する例は多い」

 訪日外国人(インバウンド)需要の増加も最近の傾向だ。新規参入したエボラブルアジアは今月、「キャブコン」15台からスタート。「快適性を重視」(運営会社のエルモンテRVジャパン)してすべて新車を導入した。欧米では車内でよく料理するため電子レンジとトイレを標準で装備した。料金は週末3万1500円と高めの設定だが、長期利用は割引する。

 同社の試算ではキャンピングカーレンタルの国内市場は2020年に現在の約2倍の45億円に達する見込み。台数・拠点を増やしたいと事業者は口をそろえる。ある事業者は「料金は流動的にならざるを得ない」ともらす。実際、年式の古い車両で値下げする例もでてきた。このため各社は特色の打ち出しに知恵を絞る。レヴォレーターは乗り捨て対応を本格化。東京CRCはプレミアム感のある高級車両の開発に乗り出したいと意気込む。

(商品部 杉山麻衣子)[日経電子版2017年6月8日付]

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