日本経済新聞 関連サイト

OK
[ career-働き方 ]

焦るな就活生 視野広げれば好機あり

焦るな就活生 視野広げれば好機あり

 2018年春に卒業予定の大学生・大学院生の就職活動が早くも終盤戦を迎えている。就職情報サイトのディスコ(東京・文京)が7月6日に発表した7月1日時点の内定率(内々定を含む)は83.2%と、前月から19.8ポイント増えた。空前の売り手市場で複数企業から内定をもらう学生は多いが、まだ内定がなくても焦る必要はない。合同企業説明会やマッチングサービスなどを利用して視野を広げれば、企業と出会うチャンスはある。

大企業は売り手市場にあらず

 「6月末には終わっているものだと思っていたので、今とても焦りを感じる」「持ち駒が減ってきており、自分にとって理想的な就職先を見つけられるか心配」。6月に実施したディスコの調査では、学生から内定をもらえるか不安な声が寄せられた。

 まだ内定がない学生の共通項の一つが「大手を狙い過ぎていること」(ディスコ)だ。ディスコと同業のマイナビ(東京・千代田)が4月に発表した調査では、大企業志向の学生が52.8%と10年卒以来8年ぶりに半数を超えた。ここ数年の売り手市場を受けて、より規模の大きな企業をめざす学生が増えたようだ。

 学生が大手志向を強めた結果、大企業に限れば売り手市場ではなくなっている。リクルートホールディングスの調査によると、18年春卒学生の求人倍率は従業員5000人以上の企業で0.39倍と前年より0.2ポイント低下。大企業の内定を得る競争は昨年より厳しくなっている。

 持ち駒がなくなってしまった学生は今後どう動けばいいのか。採用コンサルタントの谷出正直氏は「食わず嫌いをやめて視野を広げれば採用のチャンスはまだある」と指摘する。経団連の18年卒の就活スケジュールは昨年と同じだったが、説明会の開催やエントリーシートの締め切りを前倒しする企業が増え、「短期決戦」の傾向は強まった。結果として「1人あたりのエントリー社数が昨年より2~3割減った」(ディスコ)。

企業からの「逆求人」や紹介採用広がる

 就活に悩むのは学生だけではない。学生優位の売り手市場のなか、内定辞退が相次いで十分な人数を確保できるかどうか気をもんでいる採用担当者は多い。採用のミスマッチを防ごうと、企業から自社に来てほしい学生に接触できる「逆求人」や「スカウト型」といった採用サービスが注目されている。

 新卒採用支援のアイプラグ(大阪市)が手がける企業と学生のマッチングサービス「オファーボックス」には、6月以降も100社以上の申し込みがある。就活生への知名度が低いBtoB(企業間取引)ビジネスの大手や中堅企業の利用が増えている。学生側も今月に入って1日あたり70~80人が登録しており、「売り手市場で就活を楽勝と思い、乗り遅れた学生も多いようだ」(同社)という。

 自社の社員や内定者が知り合いの学生を紹介する「リファラル(紹介)採用」を導入する動きもある。フリマアプリのメルカリ(東京・港)は社員が社風などに合った学生を人事担当者に推薦する。米グーグルなども採用しており、学生は紹介者から企業の良い面、苦労する面の両方を事前によく聞いた上で応募するので、入社後に「こんな働き方はしたくなかった」と戸惑うケースが少ない。

 全体的に企業の人手不足感は強まっているため、「これから夏・秋採用を始める企業は今年も増える見通し」(谷出氏)だ。ただ、夏・秋採用には春に間に合わなかった海外留学組や部活で忙しかった体育会系、公務員志望からの転換組なども参戦する。残った就活生たちは焦る必要はないが、これまでの就活を振り返りゼロからスタートするくらいの気構えは必要かもしれない。
(潟山美穂)[日経電子版2017年7月6日付]

「日経College Cafe」のお勧め記事はこちら>>