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夏もあります恵方巻き
コンビニ商戦静かに熱く

夏もあります恵方巻きコンビニ商戦静かに熱く

 節分に食べると縁起が良いとされる「恵方巻き」の予約受付がコンビニ各社で始まっている。と言っても定番の2月の節分ではなく、立秋前の8月の節分に向けて販売する。2月ほどの盛り上がりはないものの、認知度も徐々に向上してきているといい、静かな夏の商戦が始まっている。

 「ご存じですか? 8月6日の節分」。セブン―イレブン・ジャパンはインターネットや店頭で恵方巻きの予約を受け付けている。節分の日に神様がいるとされる「恵方」を向いて、太巻きを丸かぶりすると縁起が良いというのが「恵方巻き」だ。ちなみに今年の恵方は北北西。関西で昔からある風習で、2000年前後にコンビニ各社が全国販売を始めたことで全国にも広がった。

セブン―イレブン・ジャパンは夏の恵方巻きの予約をネットや店頭で受け付けている(同社のホームページより)

 セブン―イレブン・ジャパンは「コンビニ恵方巻き」の先駆け企業で、1989年に広島県の一部の店舗で販売を始めている。節分は年4回あるものの、恵方巻きを食べる習慣が根付いているのは2月。「お客様からの要望もあって2013年から夏の恵方巻きの販売を始めた」(同社)という。今夏の恵方巻きは、いくらを添えた豪華な海鮮巻きタイプや、あらかじめ切って食べやすくしたのが特徴だ。

 ファミリーマートは節分商戦の本番となる2月の恵方巻きに向けた準備や商品の検討もかねて8月の恵方巻きを販売している。海鮮の恵方巻きでは使うマグロの種類を変えるなど、毎年、商品を改良しているそうだ。焼き肉が入った恵方巻きは2月と8月で味付けが異なるといったきめ細かい工夫も。「暑いときは酢飯のほうが食が進む」として、夏こそ恵方巻きが売りやすい季節だとみる。

 ローソンは「夏のオムライス恵方巻」「夏のサラダ恵方巻」などを販売する。「8月は夏休みでご家族で集まることも多いので、恵方巻きを食べていただける機会も増える」と潜在需要の掘り起こしに力を入れる。

 節分は季節の始まりの「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日を指す。5月や11月にも節分はあるが、恵方巻きは売られていないのだろうか。セブン―イレブン・ジャパンはインターネット限定で5月や11月にも恵方巻きを販売しているという。ファミリーマートは年によって5月や11月に販売することもあるというが、今年の11月に販売するかは「まだ分からない」(同社)。

 2月の節分とは比べものにならないが、夏の恵方巻きの認知度も徐々に上がってきていると口をそろえるコンビニ各社。土用の丑(うし)の日のウナギのような夏の風物詩に、恵方巻きが昇格する日は来るのだろうか。目下の暑さのように各社の競争が過熱すれば、その日はきっと近くなる。
(福岡幸太郎)[日経電子版2017年7月21日付]

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