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フリーランスに指南書はない~自分は役立っているのか?

撮れる女優もアリですか(2)

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NIKKEI STYLE

こんにちは、行平あい佳です。「撮れる女優もアリですか」連載第2回目です。前回初めて書かせて頂いて、自分の中で整理も付きますし、何より周りの皆さんからの反響や「頑張れ!」というメッセージがとても嬉しかったです。

前回は、就活や私が映像をつくるフリーランスを選択した理由についてお話ししました。今回は、その仕事の実態を少しずつですがお話ししていきたいと思っています。

とにかく慣れろ

専属の演出部(助監督など演技や演出に関わる部署)って、何をするんだろうと思う人が大体だと思います。最初、私もそうでした。「君の仕事は、これこれこういうもので、日々こうしてください。担当の先輩は僕です」なんてなるかと思ったら大間違いで、何も仕事に関する説明はありませんでした。どの世界も最終的にはそうですが、最初から自分で慣れるしかないといった感じ。流れるままに、スケジュール調整やロケ地の確保、細かい仕事をぽつぽつと頼まれるようになり、慣れないながらも、大学の頃に映画サークルで活動していたことを頼りに取り組みました。

そのつい数日前まで、和菓子屋さんでお抹茶をたてていた私にとって、映像の仕事だ!!!!!!!!という喜びがすさまじく、何でもいいからチャレンジしたいと思っていて、何かと面白くやれていたように思います。とにかく、ようやく映像に関われるのですから。そうしてやんわりと映像の仕事が始まったわけですが、結果から言ってしまうと専属などもってのほか、演出部ではなく制作部(撮影に関して必要な庶務、基本的に演技や演出には関わらない)が多かったように思います。

誤解のないように言っておくと、制作部というのは、映像をつくるに当たって必要不可欠な部署です。現場が円滑に動くための配慮、撮影で出るゴミの処理や、皆さんに配るお弁当の手配、撮影終了後の後片付け......、仕事を挙げたらキリがありません。しかし、いわゆる雑務と思われる節があり、現場ではボロ雑巾のように扱われますし、とりあえずめんどうくさいと判断されたものは制作さんの仕事にしてしまう大悪人もいるくらいです。現場で制作さんを探したければ、走っている人か、大声で呼ばれている人、怒鳴られている人のどれかで大体合っています。それくらいに、臨機応変に動ける人間でなきゃいけないようでした。

なんとなく、周りの人間関係を見ると、監督業を志す人間にとって制作部を任されるというのは、映像がどのように作られていくのかを知る一種の修業期間とも言えます。ここで予算やロケ地、スケジュール感、現場の動き方を学び、ゆくゆくは演出部になる、というのが大きい制作会社では主な流れの場合が多いです(私の場合は、そういう確証もないままやっていました。昇進のチャンスは謎)。実際、女優業を始めさせていただいてから、「制作部出身の監督さん」にお会いすることがありましたが、心なしか温厚で制作部に八つ当たりしない方が多かったように思います(もちろん、たまたまかもしれませんが笑)。

念願の演出部として仕事をさせてもらえるようになったのは、働き始めてしばらく経ってのことでした。その時に助監督の先輩として一緒に仕事させてもらったSさんから、使い古しだけど、と言ってカチンコを頂いたこの時が、私にとってのスタートラインのようにも感じます。

演出部兼制作部として働き始めてから、様々な現場に行きました。CM、MV、映画......どれもが膨大な時間をかけて準備され、撮影されていきます。作品が違えば、関わるスタッフさんも違い、毎日違う仕事をしているような感覚でした。同じことの繰り返しということはほとんどなく、日々何か新しいことをしていたように思います。それはとても楽しいことでした。

体力や気力は確実に削られていくけれど、映像が出来上がり誰かが見る。そこに私の名前がなくとも、やはりうれしいことです。それに憑りつかれて、またあの忙しく、時には殺伐とした現場に戻っていくのだと思います。現場でお会いしたプロデューサーさんやメイクさんをはじめとするスタッフの皆さんには、本当にお世話になりました。その時の私は、この時のご縁が私の仕事の進む道を変えていくとは思ってもおらず、ただ毎日台本をポケットに入れ駆けずり回っておりました。

どう周りとつながるか問題

そんな毎日の中で、今一つしっくりこないことがありました。それは、自分が思っているほど役に立っていないのではという感覚でした。フリーランスにとって、お声がかかるか否かは死活問題。ほぼ人とのつながりで成り立っているといっても過言ではありません。

それなのに、「この脚本読んで感想教えて」と言われ、感想や脚本上の疑問点を述べれば「細かすぎ。そういうことを聞いてるんじゃない」と言われ、ロケ地変更を打診すれば、「お前みたいな広告代理店にいるような女嫌いなんだよね」と言われ(広告代理店に勤めている方を何だと思っているんだろう......)。任される仕事も、人が足りないから仕方なく、といった感じ。その都度それなりにへこみましたが、「ちゃんと仕事して、滞らせたこともないのに何なの?」と、それらは良くも悪くも、今も続く反骨精神に変わっていきました。

気が付けば、日付が変わり、月が替わり、それを繰り返していつの間にか季節も変わっていきました。しかし、私はイマイチ役に立ってないかも問題は続いたままでした。これを解決できたのは、最近になり、お世話になっているカメラマンさんと、その時期を振り返ったときのことでした。

「全部できちゃいます。何か問題ありますか? っていう態度で小生意気だったんだよ。可愛くないって思われたんだね(笑)」。そう言われてハッとしました。確かに、大学時代に映画を撮っていたとは言え、それはいわゆる学生の技であることを知らず、私にできないことはないくらいの勢いでやっていたように思います。そうしないと心が折れそうなくらい忙しかった。そして余裕がなかったのですが、それがそう感じさせていたのかも知れないなぁ、と今はなんとなくわかります。可愛く思われるように、へーこらしろ、と言っているのではなく、向こうから教えてくれなくとも、やはり教えてもらう段階なのを忘れてはいけないんだと思います。

こうして、毎日をフリーランスの映像制作として活動していった私ですが、早稲田大学出身ということもあり、周りはみんな会社員という状態です。そこにポツンとフリーランスの私。この違いが、のちに私を苦しめたりも、楽しませたりもします。

次回はそのことをお話しできたらなと思います。2回目でしたが、読みにくいところはなかったでしょうか。よろしければ、またこれからもお付き合いくださいませ。ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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