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大学生観光まちづくりコンテスト2017参加リポート(4)大分ステージ
日本文理大学チーム
豊後大野と津久見に新たな魅力を

authored by 観光まちづくりコンテスト参加チーム
大学生観光まちづくりコンテスト2017 参加リポート(4)大分ステージ日本文理大学チーム 豊後大野と津久見に新たな魅力を
 「大学生観光まちづくりコンテスト2017」(観光庁、文部科学省など後援)に参加している皆さんに募集した参加リポートの第4回目は、大分ステージにエントリーしている地元、大分市にある日本文理大学です。同大学からは3チームが大分ステージにエントリーしましたので、まとめて掲載させていただきます。他チームのリポートも連日、公開していますので、企画作りや進捗状況の参考にしてください。

【日本文理大学「チーム今西ゼミ」「チームニッキー」「チームディスカバリー」】

「おんせん県おおいた」なのに温泉がない市

 大分県は「日本一のおんせん県おおいた」という観光プロモーションを行っています。しかし、温泉がない自治体があるのをご存じですか。答えは豊後大野市と津久見市です。豊後大野市の高齢化率は大分県の人口推計によると県内第3位(2015年10月時点)と非常に高く、このまま少子高齢化が続けば地域の維持が困難になることが危惧されています。

JR豊肥本線にはJR九州の豪華列車「ななつ星」が走る

 そこで、私たち日本文理大学経営経済学科地域マネジメントコースを中心とした学生が、豊後大野市の観光に携わる方と一緒に同市の観光についていろいろな活動を行ってきました。特に熊本県と大分県を結ぶJR豊肥本線には、7つの駅が豊後大野市にあります。この路線は豪華列車の先駆けであるJR九州の「ななつ星」が走る一方で、利用客が減り、無人駅も増えてきました。「このままでは廃線になるかもしれない」という地元の不安を払拭するため、私たちは2015年からJR豊肥本線を活用したプロジェクトを始めました。

「豊後DEN説プロジェクト」を立ち上げ

 プロジェクトを立ち上げた矢先の2016年4月に、熊本・大分地震が発生し、熊本県を中心とした甚大な被害が出ました。JR豊肥本線も立野-阿蘇間が大規模な土砂災害で不通になり、復旧のめどはいまだに立っていません。このままでは、「豊肥本線は廃線になるのでは?」という不安がより現実に近づいています。

 こうした不安を払拭するためには、「利用者を増やすしかない!」。そう考えた私たちは、豊肥本線を活用したプロジェクトを再開させました。豊肥本線沿線のすばらしい姿をスマートフォンで撮影し、スマホのアプリを使ってPR動画やポスター、パンフレットなどを制作しました。私たちが豊後大野の伝説になる!それが、「豊後DEN説」です。

 豊肥本線を走るディーゼル列車(Diesel)と豊後大野市の食(Eat)、自然(Nature)を合わせて「DEN」。これらを撮影した動画にストーリーを持たせ、いろいろなところで発表しました。動画やポスター、パンフレットは好評で、「豊後大野に行きたくなった」、「お店のお客が増えました」と言った声もいただきました。しかし、私たちが一生懸命制作した動画、ポスター、パンフレットも、多くの方に観てもらわなければ意味がありません。私たちはこのプロジェクトに限界を感じはじめました。そこで、様々な角度から豊後大野市を含んだ広域観光を考え、その成果として今回3つのグループが観光まちづくりコンテストにエントリーしました。

「チーム今西ゼミ」豊後大野の新たな発見をSNSで発信

 私たちは、映像も写真も素人の文系の学生です。そんな私たちでも、スマートフォンがあれば、PR動画やポストカードを簡単に作ることができました。ということは、みなさんもPR動画やポストカードを作ることができるのでは?この逆転の発想が、今回の観光まちづくりコンテストのテーマです。

豊後大野市の里の旅公社と打ち合わせした

 インスタグラムなどを使ったフォトコンテストがいろいろな所で開催されていますが、期間が限られており、告知もままならないまま終わってしまいます。経費もかかります。一方で、フェイスブックやSNSなどを通じてなんということもない場所が突然、世界で有名になることがあります。私たちのプラン(当日の発表のお楽しみ)は、豊後大野に来てもらうほんの些細な動機付けだけです。しかし、私たちが提案したプランによって豊後大野に来ていただいた方が、豊後大野で新たな発見をして、それが写真や動画として投稿され、その中から世界で人気になるものが出てくるかもしれません。そう信じていま、発表の原稿を作成中です。

「チームニッキー」豊後大野の酒蔵の熱い想いを伝えたい

 みなさんは、大分県のお酒と言えば何を想像しますか? 大分県と言えば、麦焼酎ですね。でも、僕たちはそんなに焼酎や日本酒を飲みません。飲み会ではせいぜいビールか酎ハイです。調べてみると若者がお酒を飲む量は減っていました。プロジェクトの中で、豊後大野市の4つの酒蔵を見学する機会があり、試飲もありました。正直、僕達はまだ焼酎や日本酒の美味しさがあまりわかりません。しかし、その中にも自分たちが飲んでも飲みやすく、とても美味しい焼酎や日本酒がいくつもありました。そこから、私たちの活動が本格的に始まりました。

 豊後大野にある4つの酒蔵では、2社が麦焼酎、残りの2社が日本酒を作っています。酒蔵の方に聞くと、もともと大分県は日本酒を主に作っていたそうで、麦焼酎ブームが来て麦焼酎づくりに変えたという酒蔵も多かったそうです。お酒を作るためには、米ときれいな水が必要です。日本ジオパークやユネスコエコパークに認定された豊後大野の豊かな大地が、おいしいお米と水を育んでいるそうです。

焼酎の蔵元、藤居醸造にヒアリング

 豊後大野の4つの酒蔵は、毎年春の酒蔵開きに合わせ、蔵を1日で回る「巡蔵」というイベントを行っています。豊後大野は車で行く方が便利ですが、そのためには誰かが飲まずに運転するハンドルキーパーにならなければなりません。JR豊肥本線を利用すれば、みんなお酒が飲めます。私たちは酒蔵開きの時期に限らず、いつでも豊後大野の酒蔵や観光施設を巡り、観光客も豊後大野市民もハッピーになるようなプランを提案します。まだお酒の味はわかりませんが、酒蔵の方々の熱い気持ちをプランを通して伝えたいと思います。

「チームディスカバリー」津久見は「何もない」ではない

 私たちのプロジェクトの始まりは、大分県津久見市に住んでいるメンバーの「津久見って何もないよね」の一言でした。そこに先生がかみつきました。「何もないはずなかろうが。今まで何を学んだとか」とえせ博多弁が飛んできました(笑)。

 大分県の観光といえば温泉地の由布院、別府はもちろん、日田、九重、竹田、国東、姫島村などもそれぞれ特色のある観光資源に力を入れています。そこに今年、祖母(そぼ)・傾(かたむき)・大崩(おおくえ)山系がユネスコエコパークに認定され、これらを有する竹田市、豊後大野市、臼杵市、佐伯市も観光を真剣に考えるようになりました。唯一、観光という面ではで取り残されているのが、臼杵と佐伯に挟まれた津久見市です

 「津久見 観光」で検索すると、そこそこ観光情報は出てきます。「癒やしの島」と言われる深島は、猫がいろんな所にいて癒やされます。でも深島は佐伯市。「津久見市は石灰岩の石切場があるから石仏は?」。それは国宝の臼杵石仏が有名な臼杵市。

 色々調べる中、私たちが注目したのが、津久見市の保戸島です。日本で一番狭い県道があったり、日本のナポリと呼ばれたりしているとのこと。保戸島はかつてマグロの遠洋漁業で栄えた島で、マグロ御殿と呼ばれる家が建ち並んでいます。しかし近年は遠洋漁業の後継者不足、高齢化がかなり大きな問題となっています。

 そこで、津久見市とユネスコエコパークで先行する豊後大野や佐伯、臼杵など隣接する地域を一つの観光圏と考えて観光まちづくりプランを考えています。でも、一番は津久見。実際、津久見市に行ってみると、つくみん公園に展示されているブルドーザーのタイヤがでかいこと!これも観光資源だと思います。私たちの観光まちづくりプラン乞うご期待!

津久見市のつくみん公園の大きなタイヤの前で