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お祈りメールを反面教師に 相手を思いやろう

簡潔にわかりやすく書くコツ(1)

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NIKKEI STYLE

はじめまして。沼田憲男と申します。日本経済新聞に経済記者として23年間奉職し、その後コンサルタント事務所を営んでいます。「デジタルネイティブ」の諸兄とは真逆の「アナログ人間」です。昨今は、きちんとした文章を書けない社員が多く、どこの企業も役所も困っています。そこで「簡潔で」「わかりやすい」文章の書き方をトレーニングしています。社会に巣立つ前の学生諸兄にはそのようなことのないようにと願い、日経カレッジカフェに参加させていただきました。宜しくお願い致します。

先日の午後、ふらりと友人の経営する雑誌社に立ち寄った。 本を無事出版し、仕事が一段落、暇ができたからである。友人は多忙で相手にしてくれなかったが、部下の女性社員3人が暇人の僕の相手をしてくれた。

そこで、面白いといっては語弊があるが実に興味深い話を小耳に挟んだ。彼女たちが若者の就職活動を話題にしてくれたのだ。僕が若い人達に「簡潔で」「わかりやすい」文章を書き、コミュニケーション力をつけてもらいたいとの思いで本を書き下ろしたと知っているから、それがらみの話を選んでくれたのだろう。優しい人達なのだ。

お祈りメールなど蹴っ飛ばせ

「不採用のメールを受け取る度に、みんな落ち込むのよね。歳はずっと下なのだけど、就活している友達が『人格を否定された気分』と言って、最近、すっかりふさぎこんじゃったの」

「かわいそう。あのメールもひどいのよね。お祈りメールでしょ」

「そうなのよ、あれが追い打ちをかけるのよね」

「採用が決まる人が増え、自分は不採用通知ばかりなので、繊細な子は、気分が落ち込むんです。鬱気味になるのよ」

「沼田さん、お祈りメールって知っている?」

(もちろんと言おうか、恥ずかしながらと言おうか、僕は知らない。)

「教えてあげる。不採用の連絡メールで定型文なの。このたびは、何とかかんとかの理由で採用できません。そして最後が、貴方の今後のご活躍をお祈り申し上げますとか、ご発展をお祈りしますとか、みんなお祈りで終わるの。だから学生はこれを称して、お祈りメールというの」

その話を聞いて僕は「なんて心ないことしているのだろう」「慇懃無礼というやつだ」と思った。

たしかに、大量の学生相手に選抜するのだから効率的に処理したいのはよくわかる。仕方がないのかもしれない。が、どこもかしこも借り物の定型文書で処理するのは、応募した若者にたいし無礼そのものではないか。

就活に必死になっている学生たちが、もし自分の子供だったら、そのような扱い方、対応に平気でいられるのか。どう断りを言うのか少しは考えないのか。肉声で「今回はこのような理由で採用できませんでした。残念でした、次のところで頑張ってね」とでも言ってあげたらずいぶんと気分が違うであろうに。社会の雰囲気も違うはずだ。

「そんなメール、読まないで、礼儀も知らない会社はあっちへ行けと蹴とばしてやればいい」と言うや「そうよ、『みんなでお祈りでもしておいで』と無視してやるのがいいのよ」と一同、興奮気味に話を終えた。いつまでも仕事を妨害できないので、まだ明るかったが早々に家に帰ることにした。

「相手を思いやればコミュニケーション上手に」

地下鉄に乗り空いている席に座ったら、さっきの就活学生たちのことが脳裏から離れない。3人の子供たちの就職時期に、なんの力にもなれず、ただ、はらはらし、気をもんだことを思い出したからである。

そこで思った。若者たちは、「お祈りメール」を反面教師にして、「相手を思いやる"心"のない文書が、いかに人の心を傷つけるかをじっくり味わい、自分は、相手を思いやらない人を傷つける文章は書かないと肝に銘じたらよいのだ。 書かないだけではない。言わないと心がけるのである。

デジタル時代になり、便利な機械、デバイスは増えたが、対人関係が上手くゆかずに悩む人が増えた。人間同士のコミュニケーション能力が落ちていることの証だろう。

相手を思いやる、相手の立場に立って考えられない人間は所詮コミュニケーションを上手くとれない。人間はアナログなのである。

相手を思いやること、人の心の痛みを我がことのように感じとれる感性が身につけば、おのずとコミュニケーションの上手い人間に変わっていける。アナログの人間力を見直すいい機会にしよう。そうしたら一回りも二回りも強い人間になっていくだろう。

結論を言葉にしよう

目前の就職活動から実践しよう。相手の立場に立つには、相手のことを知らなくてはいけない。就職希望会社の現状、どのような人材を求めているかをできるだけ調べ、なぜ自分はこの会社を希望しているのか、自分は何をしたいのか、自分はどのように貢献できるのかについて、知っている限りの知識でよい、一生懸命考え、結論を出すのである。結論を出さなくては考えたことにはならない。

その際、導かれた結論と理由をペンで簡単に紙に書きおくのである。それをじっと見て、それでよいのかどうかを何遍も考えるのだ。手直しが必要と思ったら書き直す。頭の中で漠然と考えただけではダメである。

次に、就職希望会社の採用担当者は忙しいということを肝に銘じることだ。採用担当者はたくさんの学生を相手にしなくてはならない。必要な文書も多い。面談、面接もこなさなくてはならない。その立場に諸兄が立ったとしよう。大変な仕事だということは容易に想像がつくだろう。読みにくい、意味の通らない文章だらけ、要領を得ない受け答えが多かったら、貴方はどう感じる?「簡潔で」「わかりやすい」文章が必要なことが想像できるだろう。

次回は、その骨(コツ)について書こう。

残業ゼロのための N式 文章の基準

著者 : 沼田 憲男
出版 : 日経BP社
価格 : 1,728円 (税込み)

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