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ハーバードと日本の架け橋(1)日本の良さを見つめ直す
国際交流プログラム

authored by 舟橋拓巳
ハーバードと日本の架け橋(1) 日本の良さを見つめ直す国際交流プログラム

HKICとは

 はじめまして。慶應大学法学部法律学科2年、HKICでオペレーションを担当している舟橋拓巳です。HKICは「米国ハーバード大学と慶應、東大を始めとする日本の大学との交流をもっと盛んにしたい」という思いから、HCJI(Harvard College Japan Initiative)の支援を受けて、2015年に創設された合宿型の国際交流プログラムです。昨年8月に第一回のプログラムを開催しました。ハーバード大生15名、日本人学生20名と少人数で行われるため、約1週間のプログラムを通して、参加学生が密な関係を構築できることが最大の魅力です。

HKICのロゴ

 第一回となった昨年度は「Thinking through Japan」をテーマとし、様々な日本の企業にご協力いただいてワークショップを実施。また、鎌倉散策などの文化体験も行いました。日本文化にフォーカスしたのは、近年の国際化に伴い欧米への憧れが先行する中、日本人学生が日本文化に誇りを持てておらず、日本の良さを理解できていないのではないか、そもそも日本について見つめ直す機会があまりないのではないか、という考えからでした。

 今回の記事では、8月21日〜26日にかけて第二回の開催を目前に控えた今、今年度のHKICの概要や魅力、そして、先日行われた日本人参加者を対象とした事前勉強会の様子をお伝えしたいと思います。

"Find Your Japan"

昨年度HKIC ワークショップの様子

 これは2年目を迎えるHKICの今年度のテーマです。プログラムを通して、参加者に普段の生活であまり意識しないような日本の良さや強みに気づいてもらいたいという意図を込めました。そこで今年度はメインパートナーのANAをはじめ多くの方々にご協力いただきました。2日目には慶應メディアデザイン(KMD)が開発するロボット、テレサのラボを見学し、また3日目には鎌倉建長寺にて坐禅会を行う予定となっています。4日目はDMMにご協力いただき、ディスカッションを通して最終日のANAに対するアウトプットに向けた準備を行います。

 そして最終アウトプットとして、ANAから出された課題を解決するプロダクト案を考え、プレゼンする予定です。今年度プログラムのコンテンツを考えてきた運営の一員として、プログラムの魅力は2つあると考えています。

今年度HKICコンテンツ部門責任者 宇野真一郎(慶應大3年)

 1つ目は、日本の良さや強みをphysicalな側面、mentalな側面の両方で感じられることです。KMDのコンテンツでは日本の最新技術という、実際に目で見ることができるphysicalな部分に触れられる一方で、建長寺の坐禅会では目には見えないが、古くから日本に浸透している坐禅の精神などmentalな部分に触れることができます。この両者を掛け合わせることで最終アウトプットがより高尚なものとなると考えています。

 2つ目は、参加者が考えたプロダクト案が実際に事業化される可能性を有していることです。今回ANAに対してプレゼンするプロダクト案の中で優秀な案、または将来事業化できそうな案に関しては、実際にANAが運営するクラウドファンディングサービスWonder Flyに出展していただけることとなっています。自ら考えた案が実際に事業化される可能性を含んでいるというのは参加者に対してもこの上ないモチベーションになるに違いないし、プログラムを運営する私たちとしても願ってもないことです。

"Output Driven"

事前勉強会にて「人と街をつなぐ装置としての銭湯」をいかに実現するか、プレゼンをする様子

 8月3日、日吉キャンパスにでHKICの日本人参加者を対象に事前勉強会を行いました。事前勉強会は今年度初の試みで、HKICの5日間のプログラムでの経験をより良いものにしてもらうために設置しました。

 HKICはもともと慶應生とハーバード生とのつながりを深めるために設立された国際交流プログラムではありますが、単なる交流プログラムで終わるのではなく、課題解決の経験も本プログラムで提供することを目指しています。そのため、実際にHKICの参加者の皆様には、ワークショップという形で、ある課題に対してチームで議論しアウトプットをしてもらいました。

アイデアを考えるドイツ帰国の本澤さん(慶應大2年)と中国帰国の井形さん(東京大1年)

 事前勉強会といっても、HKICの運営チームから知識を付与するのではなく、自分たちが今まで経験したことや学んだ知見を活かして、答えのない問いに取り組んでもらいました。限られた時間の中で必ず形にすることも徹底することで、課題解決に必要な"Output Driven"のマインドを持ってもらうことを意識しました。

 難易度の高い議題ながら、実際にチームとしてそれぞれの知識や思考を活かして一つの答えを見出している参加者の姿を見て、本番の5日間が楽しみになりました。事前勉強会では参加者は言語も日本語でしたが、本番は英語でハーバード生との議論を行うことになります。また期間も長くなる中で、参加者には様々なことを感じ取ってもらいたいと思っています。

 次回はいよいよ第二回HKIC本番の様子をお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いします。

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