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[ career-働き方 ]

お悩み解決!就活探偵団2018転職まで考えて就活するの?
教えて先輩 就活生×内定者 座談会
(後編)

authored by 就活探偵団'18
お悩み解決!就活探偵団2018 転職まで考えて就活するの?教えて先輩 就活生×内定者 座談会(後編)

 2019年春に卒業する「新就活生」の活動が始まった。新就活生が先輩内定者5人を質問攻めにする座談会の後編は、就活後の転職や、内定キープの是非など具体論に及んだ。

一生勤めるつもりじゃないとダメ?

イラスト=篠原真紀

 私大3年・鈴木さん 「就職活動の時に、その後の転職まで考えていましたか」

 不動産会社内定・Cさん 「私自身が今転職を考えてはいないけれど、転職そのものは悪いこととは思わないかな。入社した企業にずっと勤めなければと気負う必要はないと思う」

 IT(情報技術)大手内定・Dさん 「キャリアアップの一環で転職するのはいいことだと思っている。40~50年間ずっと1つの会社で働くほうが珍しい時代になっているし」

 大手ITメガベンチャー内定・Bさん 「『3年離職率』なんてデータがあるように、転職にはネガティブなイメージがまだあるけれどね」

 大手素材メーカー内定・Aさん 「僕は就職してもいないのに、転職を考えることはないかなと」

 大手旅行代理店内定・Eさん 「どんな会社も実際に入ってみなければわからないと思う。働いてみた結果、判断するのは悪いことではないだろうし」

 鈴木さん 「確かに、一生勤めることを前提に入る会社を判断してしまうと、就活への考え方が凝り固まってしまいますよね」

 国立大3年・杉崎さん 「転職を視野に入れた就活って、具体的にどんなイメージですか」

複数の内定先を獲得できた先輩も最初は失敗の連続だった

 Bさん 「何歳までにこうなりたいというゴールを設定して、その過程で何を身につける必要があるかを考える。大手企業に入社しても、特定のビジネススキルを身につける必要があるなら、ベンチャーに転職するのもアリだと思うよ」

 杉崎さん 「だったら、最初からベンチャーに入ればいいのではないですか」

 Dさん 「大手かベンチャーかというより、一社だけで仕事するというのは、知見や人脈の広がりを考えると物足りないんじゃなかと思う」

 私大3年・横須賀さん 「いったんベンチャーに就職して、自分と合わなかった場合、大手への転職は難しいですか」

 Dさん 「あくまで想像だけど、転職時に評価されるのは、『新卒で入った会社の難易度×そこで何をやっていたか』だろう。大手に入れば前者が大きくなるけれど、後者が充実していればカバーできる。バランスの問題なのではないかと思う。小さい会社から大手への転職は不可能といわれているけれど、そんなことはないと思う」

 Bさん 「それはベンチャー志向の考え方だね」

 Cさん 「私は現実的に、最初に大手にいたほうが、転職に有利だと思う。大手へ入社できるのは、それだけの能力の証明にもなるだろうし。ベンチャーは知名度が低く、どんな会社で何をしていたか詳しく説明しなければならない」

 Eさん 「大手だと中途採用の人数が限られ、新卒で入らないとチャンスがない可能性もあるだろうね」

内定の掛け持ちは悪?

「何もかもがわからない」。不安を抱える新就活生は先輩たちのアドバイスに熱心に耳を傾けた

 杉崎さん 「内定の掛け持ちは悪いことではないのでしょうか」

 Cさん 「私はある会社の内定を辞退したと先輩に話したら、『内定を保留したままで、他の会社を受ければいいのに』と言われた。確かにもらえる内定はもらっておいたほうがいいと思う」

 Eさん 「内定を保留しておくというのは、他社を受けてから考えたいという意思を伝えるということなのかな」

 Cさん 「いや、『御社に行きます』と言いつつ、他社の選考も受けるということだと思う」

 Aさん 「最終面接で、『内定を出したら来ますか』と必ず聞かれた。僕はその時は正直に『まだ別のところを受けます』と答えていた。それで通った会社もあれば、落とされた会社もあったな。ただ最終的には1社を選ばなければならないので、多く内定を持つことには意味がないと思う」

 Dさん 「僕も同じ考え。だから興味のない会社は一切受けずに、志望業界だけに絞って就活した」

 Eさん 「就活で不幸なのは、いきたい企業に落ちるよりも、いくべきでない企業に受かって入社してしまうことだと思う。それが早期離職などにつながるのでは」

 鈴木さん 「1社にしぼり、他社を辞退するときに嫌な思いをしたことはありますか」

 Aさん 「なかったよ。電話なら30秒で終わることだし」

 Bさん 「僕は実際に人事担当者に会って断ったこともあったよ。ネット上では『ビルの高層階の一室に呼ばれて、断ったら出口はあっちだよと人事が窓を指さす』などとかかれているけど、あれは都市伝説だね(笑)」

弱点も素直にさらけ出せ

 私大3年・鶴岡さん 「私は理系の学部なのですが、自分の専攻を説明するのに苦労しそうです。理系のAさんはどうでしたか」

 Aさん 「理系だとやはり専門性を重視されるようで、メーカーの面接では研究内容のプレゼンが10分くらいあった。イメージしやすくかみ砕いて説明したほうがいいよ。『私がつくっているポリマーは......』などと言っても面接官はよく分からない。『体内に入っても炎症を起こさない人工臓器をつくれる材料で......』といった具合に、専門用語をなるべく避けるといいよ」

終身雇用が当たり前という考えは、もはや今の就活生にはないようだ(座談会の様子)

 鶴岡さん 「エントリーシート(ES)の書き方や、面接の受け答えなど、まったく自信がありません。他の皆さんも就活のアドバイスを教えてください」

 Bさん 「30社くらいに応募したんだけど、ESに書く自分のエピソードを書き分けて出してみた。どのESが通りやすいか、コツがわかってくるよ。面接は、いろいろ準備したけれど、最初の方は失敗ばかり。結局は経験や慣れが大事だと痛感した。ゴールから逆算して考えてみるといい。面接が3回あったら、1次、2次、3次でそれぞれ何を見られているのだろうかと考える。場合によっては話す内容を変える必要もあるかもしれない」

 Dさん 「面接での話し方について僕がやってみたことがある。質問してほしいテーマやキーワードを、話の最後に仕込むんだ。例えば部活の話をしたいとする。志望動機を説明する中で『こういう考えに至ったのは、学生時代のスポーツのおかげです』と終えれば、面接官から『どんなスポーツをやっていたの?』と次の質問がくる。最初から部活の話を全部出してしまうのでなく、相手に引き出させるよう仕向けることで、自分の思い通りに会話を進められるよ」

 Eさん 「僕は自分の学歴にハンディがあると思っていたので、それを埋めるためにとにかく多くの人に会った。2~3月は多いときは一日に3社の説明会に足を運んだ。現場に出て、生きた情報をとるのが大事だよ。面接では『私はこういう人間です。合否はお任せします』というスタンスで臨んだ。弱点も素直にさらけ出して。第1志望でも『致命的かもしれませんが、私は笑顔が苦手です』と話したけれど(笑)、それでも受かった」

 Cさん 「会社選びは、大企業だから自慢できるなどと考えるのではなく、自分らしくやりたいことができるかどうかで判断しよう。就活参考書などに書かれている小手先の技術に走らずに、自分の人となりを知ってもらう機会と考えたらいいと思う」

■探偵団から 大手企業が相次ぎ、経営に行き詰まるなど「大企業に勤めれば一生安泰」という考えはもはや学生たちの間ではなくなりつつあるのかもしれない。入社する前から転職を意識するなど、就活観は一昔と比べ大きく変わった。就活本や情報サイトにはない、先輩の生の情報に触れたことは、就活戦線を戦う上で大きな武器になるだろう。
(取材構成=夏目祐介、鈴木洋介、松本千恵)[日経電子版2017年7月20日付]

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