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工学部の就活 ~絶好調の機電系、他学科は?

ホンネの就活ツッコミ論(25)

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今回のテーマは、「工学部の就活」です。20回目で文学部就活、前回(24回)で理学部就活をご紹介しましたが、今回はこの学部シリーズ3回目ということで工学部についてです。

工学部は就活に強い、というイメージが昔からあり、それは現在も変わりません。特に絶好調なのが、機電系(機械工、電気電子工)です。では、他学科はどういう状況でしょうか。それから、大学院進学か、学部卒か。絶好調と言われている工学部生の就活の落とし穴は何か、まとめてみました。

機電系が絶好調である理由

機械工と電気電子工の2学科を合わせて機電系と言います。就職が絶好調な工学部の中でもさらに好調なのが、この機電系です。なお、電気工学はエネルギー(電力)、電子工学は情報通信・電気制御を扱います。微妙に領域が違うのですが、電気工学・電子工学とも基盤は同じ。そのため、電気工学科であっても電子工学を扱う大学(あるいはその逆)、電気電子工学科とまとまっている大学など、いずれにしても両分野を扱う大学が大半です。通信工学(ハードウェア、ネットワーク技術)、情報工学(ソフトウェア、人工知能など)が弟分で一緒の大学もあります。

さて、機電系の就活ですが、もともと機械工学科は自動車業界、機械関連メーカーなど、電気電子工学科は電機メーカーへの就職が中心でした。この構図がこの20年で大きく変化します。具体的に言うと、自動車業界、電機業界、双方が機械工・電気電子工の学生も採用するようになりました。自動車だと、電子キー、パワーウインドウ、カーナビなどを導入。それに伴い、電気電子工の技術を必要となったのです。

一方、電機メーカーは家電だけでなく、インフラ事業に注力するようになりました。そうなると、機械工の技術が必要です。そのため、就活では自動車・電機の採用担当者がお互いに「うちの縄張りを荒らすんじゃねえ」と非難し合うほど求人数が増加。さらに、技術系商社など理工系人材を欲しがる企業もその大半が「機械工か電気電子工がいい」と条件を付けます。

本来なら機電系以外の学生、あるいは理学部系統の学生でも勤まる企業でもこうした条件を出します。「できれば、機械か電気電子に詳しい学生の方がより、フィットしやすい」などと話す技術系商社の採用担当者もいます。これは単なる欲張りで、採用戦略がうまくないと思うのですが、こうした理由から機電系がやたらと人気になります。他に、食品メーカーも工場技術者として必要ですし、就活で選考に進めない企業ばかり、ということはまずありえません。

先日、兵庫県立大学工学部(旧・姫路工業大学)のオープンキャンパスに行ったときのこと。就活の説明では、機電系の学生が「うちの学生は40人程度です。それに対して求人は240社来ました」と豪語していました。企業選びでは、むしろどこにするのか悩む、というぜいたくな状況にあるのが機電系です。

機電系ほどでないにしても他学科も好調

機電系ばかり注目されますが、他学科が就活で不利か、と言えばそんなことはありません。専門分野以外にクロスしやすい学科だと、応用化学科、物質工学科・材料工学科、繊維工学、船舶工学、宇宙・航空工学の関連学科など。

応用化学科は、やはり化学関連メーカーが中心です。ただ、製薬、電機、自動車、エネルギー、印刷など大半の業界で応用化学の知識が必要なので幅広く求人が来ます。たとえば、電機・自動車メーカーなどでは金属加工で応用化学の知識が必要となるからです。

物質工・材料工は、品質を維持する、という点で必要な人材です。そのため、自動車業界や電機業界などからの求人があります。

繊維工学関連の学科・専攻だと、アパレル業界以外に繊維を素材として使う業界が増加中。そのため、アパレル業界以外からも求人があります。

船舶工学、宇宙・航空工学関連の学科・専攻だと、研究範囲として機械工や電気電子工も含みます。そのため、船舶・航空業界以外の自動車業界や電機メーカー、機械メーカーに就職する学生もいるのです。

業界は限定されても好調~土木、建築、デザイン工、情報工など

就職先が専門分野中心となるのが、土木、建築、デザイン工、情報工などの学科です。ただ、これも絶好調の機電系に比べれば落ちる、というだけです。全体として就職がいいか、悪いかで言えば、それぞれの学科とも好調です。

土木・建築だと土木業界、建築業界など。デザイン工だと家電・日用品メーカーなど。情報工はIT業界が中心です。関連業界を志望する学生が多いことに加えて関連業界の採用意欲も活発です。たとえば、土木・建築関連の業界だと、東京オリンピックに向けての建設ラッシュだけではありません。インフラの建て替え・補修需要もあります。IT業界は常に人不足、さらにIT化がさらに進んでいる、という事情もあります。

大学院進学か学部卒か

工学部生が悩むのは就活そのものより、進学をめぐってでしょう。国公立大学や難関私大だと大学院進学者が6~8割にも達します。研究を進める以上は、大学院進学が必要です。それから、研究職はもちろんのこと、技術職でも学部卒では難しい、と言われていた時期がありました。

しかし、近年の学生有利の売り手市場では企業側も大学院生にこだわってはいられません。学部卒でも技術職として採用する企業が増加しつつあります。ただ、学部卒で必ずどの企業でも技術職として採用される、というところまでは行っていません。それから高度な研究職となると、やはり大学院進学が前提になってきます。そのあたりも含めて進学か就職か、検討する必要があります。

工学部生就活の落とし穴は?

工学部生が仮に文系学部生と総合職を志望する場合でも、序盤は苦戦しません。理工系の発想をもった人材が必要、とはどの企業も考えています。それから、文系学部生が間違いなく苦戦する適性検査・非言語分野でも軽々とパスしてしまいます。

では、絶好調の工学部生が就活で苦戦するとしたら何がまずいでしょうか。苦戦するとすれば、総合職に転換する場合は文系学部生の真似、技術職志望だと文系出身の面接担当者を軽視、という2パターンが考えられます。まず、総合職志望に転換した場合。同じ学部の中でも総合職転換の学生が少ないこともあり、学生は手探りで就活を進めることになります。では、就活マニュアル本などが参考になるか、と言えば、ほとんどが文系学生の視点で書かれたものばかり。そこにはサークルやアルバイトの話が中心です。

仕方なく真似するのですが、これが危険。何しろ、工学部生が一番話をしやすいのは研究でしょう。それをネタとせず、大した経験もないアルバイトやサークルの話をしてもどうでしょうか。面接担当者の心に響かないのは明らかです。と言って、研究内容を細かく書いていっても文系出身者には理解できません。では何をアピールするべきか、と言えば研究。それも人間関係など自分の話を中心に書いていくと結構違うはずです。

技術・研究職志望の学生だと、危険なのが面接、それも中盤から終盤にかけての面接です。面接担当者は技術・研究職と文系学部出身の総合職、それぞれ複数による企業が多いようです。さて、この面接で学生の研究内容が話題となるときが実は危険。

技術・研究職の社員は学生の研究を理解でき、かつ、興味を強く持ちます。ここで盛り上がることもあるのですが、問題は文系出身の総合職社員。何で盛り上がっているのか理解できず、置いてけぼりになることもあります。気の利いた学生だと、総合職社員にもわかるように話すなど総合職社員にも気を遣います。が、大半の学生はそこまでできません。工学部出身者同士で盛り上がりすぎる結果、総合職社員がダメ出しをする、ということもあります。

理工系学生向けの就活本は数が少なく、『理工系のための就活の技術』(山本昭生、ソフトバンククリエイティブ)、『理系のための就活ガイド』(山本佳世子、丸善出版)、『理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術』(増沢隆太、丸善出版)など。特に『理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術』は、学部卒、修士、博士など学歴別に就活ポイントをまとめています。工学部生は読んでみると参考になるでしょう。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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