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みんな「部室」に集まれ
趣味の仲間で倉庫共有

みんな「部室」に集まれ 趣味の仲間で倉庫共有

 中堅倉庫会社の寺田倉庫(東京・品川、中野善壽社長)が、個人向けの独自サービスを相次いで投入している。衣類などを手軽に預けられる「ミニクラ」という仕組みを応用。SNS(交流サイト)と連携して部活動やサークルの仲間が道具などを共有するサービスを始めた。トランクルームなど競合の増加もあり、特色のあるサービスを増やしてアピール力を高める。

預かる段ボール単位で料金が決まる

 寺田倉庫が2012年に始めたミニクラは個人から衣類などを預かるサービス。倉庫業特有の複雑な契約や料金体系を改め、荷物を入れる段ボール箱単位で料金が決まる。利用者は預けたい荷物を宅配便で送るだけでよく、送料も含めた価格を明示してわかりにくさを解消した。

 預けたものを写真撮影してネットで確認できるサービスも用意して、利便性を高めている。「着なくなったけど捨てられない古着を預ける人などが多い」という。ただ、個人が手軽に荷物を預けられるトランクルームなど競合も増えている。新たな発想のサービスを拡充して顧客を取り込む。

 このほど始めた「クラウド部室」は倉庫での保管サービスとSNSを組み合わせた。利用者は部活動やサークルなどの仲間を想定。グループ限定で利用できる「部室」と呼ばれるSNSコミュニティーを作り、部活道具などを預ける「ロッカー」を借りる。利用者はSNSを使って同窓会や練習試合の日程も調整できる。

 置き場に困っているユニホームやスパイクなどを温度や湿度管理された倉庫で預かるため、自宅で保管するよりも傷みなどを抑えることができるという。年に一度の交流試合のために道具を取り出し、終了後に送り返すといった使い方が可能になる。友人と漫画本など趣味のものを共有するために使うことも想定する。料金はMサイズの段ボールで1箱あたり月500円。

 他業種との連携も広げる。4月には大規模リノベーションを手掛けるリノベる(東京・渋谷)と提携し、ミニクラを使ったクローゼットサービスを始めた。長期間必要ない荷物を倉庫に預けることで、自宅の収納スペースを有効活用できるようにした。

 ミニクラのサービスを始める前の寺田倉庫は一般的な倉庫業などが中心的な事業だった。ネット通販の拡大などで倉庫需要は底堅く推移するが、需要に応えるには規模の拡大が不可欠となる。個人向けのトランクルームサービスも不動産業などの参入で競争が激しいという。

 寺田倉庫の売上高は非公表だが、今後もミニクラを基本とした新サービスを積極的に投入する方針だ。ファッションレンタルサービスやスポーツ用品メーカーなどとの連携も進めており、新たな保管サービスを提案して事業拡大を目指す。
(福冨隼太郎)[日経産業新聞2017年7月12日付、日経電子版から転載]

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