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[ liberal arts-大学生の常識 ]

知られざる大ヒット候補
廃番寸前の消しゴムなど8種

知られざる大ヒット候補 廃番寸前の消しゴムなど8種

 ゲーム風のキャラクターに例えて売れた「就職指南本」、ツイッターの投稿で息を吹き返した廃番寸前の崖っぷち「文房具」、ピスタチオやエビフライなど意外な食材とのコラボで大人気の「コッペパン」......。知られざるマイクロトレンドは数多く眠っている。ニッチからメジャーへ。これから大化けするかもしれないヒットの芽を探した。

「RPG風の就職本」がバカ売れ

 古代ローマ戦士風の一般事務職に、手から雷を放つ電気工事士─。日本に存在するあまたの職業を、すべてRPGや格闘ゲーム風のキャラクターで表現した『日本の給料&職業図鑑』(宝島社)が売れている。原作は一部で人気を集めていたウェブサイトだが、書籍化されるとたちまちベストセラーに。シリーズ3作目まで刊行され、累計で25万部を突破した。

1作目に掲載された職業は271種。この時点では、原作サイトとほぼ同じ内容
新たな職業を追加し、生涯賃金の情報も加えた2作目と、女性向き職業に特化した3作目

 買ったのは主に、中学生前後の子供を持つ層と、自分の職業がどう描かれたかに興味を持った社会人。キャラクターのイラスト以外は給与水準を紹介するなどまともな内容で、実用書とネタ本の2つのニーズを取り込んだ。すでに4冊目の企画も進んでいる。

各職業はゲームのような決めぜりふを持つ
一般事務職は「ファイリングが下手な事務に未来はない」

「iacoupé」定番の「ピスタチオ」

意外性でファン層拡大、コンビニにも勢い波及

 給食で親しんだコッペパンを扱う専門店が全国で急増している。スイーツから総菜まで、バリエーションが豊富なのが新型コッペパンのトレンド。東京・上野の「iacoupé(イアコッペ)」は、ピスタチオやエビフライなど、意外性のある具を挟むのが特徴で、一躍人気店に。売り上げは最近の3年で倍増した。コンビニ各社もラインアップを強化中だ。

発売は14年。特殊発泡体を使った素材で、軽い力で文字を消せることが特徴だ。実勢価格145円(税込み)

崖っぷちから復活の消しゴム

 サクラクレパスの消しゴム「ピュアスリム」は、在庫限りで廃番という運命にあったが、2017年1月に一般ユーザーがTwitterで「めっちゃ消える」とつぶやいた投稿が約2万2800回リツイートされ大きな話題に。2日後にはアマゾンの文具・オフィス用品部門で1位を獲得。1~3月は前年の3倍となる約1万4500個が売れ、再販売が決定した。

ワインのように熟成を楽しむビール

 好調のクラフトビール市場で存在感を増しているのが、「長期熟成ビール」だ。通常のビールの熟成期間が2週間から1カ月程度なのに対し、長期熟成ビールは半年以上と長いのが特徴。アルコール度数が高く、ワインのようにじっくりと味わって楽しむ。独特の風味に加え、少量しか造れない希少性もクラフト好きの心を捉える理由だろう。

サンクトガーレンの「麦のワイン」。大麦麦芽と小麦麦芽を使った2種類を用意
ウイスキーやワインの熟成に使われた木樽で寝かせて造るヤッホーブルーイングの「バレルフカミダス」

 サンクトガーレンが毎年11月に発売する2種類の「麦のワイン」は、合計1万5000本前後が予約でほぼ在庫切れに。ヤッホーブルーイングが限定販売する「バレルフカミダス」も、売り出すたびに完売する。

場面設定類語辞典

小説家向けの辞典、SNS時代に意外な需要

 小説を書く人向けに編さんされた、画一的な描写を避けるための表現が満載の類語辞典。その最新刊である『場面設定類語辞典』(フィルムアート社)が、税別3000円にもかかわらず、すでに2万部まで増刷された。投稿小説サイトやSNSなど、一般層でも表現力を欲する機会が増えていることが背景にある。

●「場所」ごとに表現例を網羅
病室のシーンの場合
【見えるもの】淡い壁、装置のための差し込み口、蛍光灯、壁の入れ物に入った手袋の箱、など
【聴こえるもの】放送で人を呼び出す音、病棟の間にある自動ドアが「シュッ」と音を立てる、など

作っている途中でパーツがずれないことが特徴。巻き付けた毛糸をはさみで切って作る

手芸本のヒットで道具も人気に

 手芸に使う「スーパーポンポンメーカー」(クロバー)が売れている。きっかけは16年発売の書籍『動物ぽんぽん』(誠文堂新光社)だ。毛糸のポンポンを手芸用の針で形を整えてマスコットを作る本で14万3000部を販売。書籍に掲載されたスーパーポンポンメーカーの売れ行きが前年比4倍超になった。複数の玩具メーカーからもポンポンを作る道具が発売される。


東京・世田谷の「ミシンカフェ&ラウンジ・ニコ」。定員6人でソーイング教室も開く

食事と裁縫ができるカフェが増加

 昨今のDIYブームだけでなく、ミシンがそもそも自宅になく、使ってみたいという物珍しさも手伝って、ミシンカフェが増加中だ。食事ができるため、長時間の作業でも集中して続けられる他、業務タイプや自動刺しゅうタイプなど本格的なミシンを手軽に利用できる点も受けている。


スパルタンレース

過酷な障害物競走に5000人

 「鬼トレ」と呼ばれる過酷なフィットネスの人気が続くなか、「世界一過酷」とうたう障害物レース「スパルタンレース」が17年5月に日本初上陸。泥にまみれる局面もある内容ながら5000人以上が参加した。10月に第2回を予定。


(日経トレンディ編集部)[日経トレンディ2017年8月号の記事を再構成、日経電子版から転載]

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