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チェック! 今週の日経(26)これでEVの普及は加速する?
欧州向け日本車のディーゼル離れ

authored by 日経カレッジカフェ 
チェック! 今週の日経(26) これでEVの普及は加速する? 欧州向け日本車のディーゼル離れ

 日経の研修・解説委員やカレッジカフェ編集スタッフが、この1週間の日経電子版や日本経済新聞から企業ニュースを中心にピックアップし、解説する「チェック!今週の日経」。この1週間は、これからの自動車産業の行方を示唆するニュースが相次いで掲載されました。大きな流れはエンジンを動力に使う車から、モーターを使うEV(電気自動車)などへの転換です。

航続距離が4割伸びた新型「リーフ」

 まずは9月6日付の日経新聞夕刊1面に掲載された新型EVの記事です。

「日産がEV『リーフ』全面改良 航続距離1.4倍の400キロ」(9月6日)

 日産の代表的EV「リーフ」が7年ぶりにフルモデルチェンジし、10月2日から全国で発売されるという内容で、その特徴は1回の充電で走れる距離(航続距離)がこれまでより4割長い400キロにまで伸びたことです。「リーフ」というクルマの名前を知っている人も多いと思いますが、2010年に初代が発売され、これまでに累計28万台を売った「世界で最も売れたEV」といわれています。ただ、日産・ルノー連合が掲げた「2016年度までに世界で累計150万台販売」という目標には遠く及びませんでした。

 最大の理由が、航続距離の短さ。当初のカタログデータでは200キロ、その後は280キロに延びましたが、長距離運転では「電池切れ」の不安が否めません。筆者も沖縄でレンタカーのリーフでドライブをしたことがありますが、フル充電でも150キロも走ると充電を求めるランプが点灯し、充電スタンドをあわてて探してしまいました。それが今回、車載電池を強化してなんとか400キロまで延びたということです。ただ、これも平坦な道でエアコンも切って、という条件付きだそうですから、まだまだ改良の余地がありそうです。

ホンダやスバルはディーゼル車から撤退へ

 一方、海外要因でこれまでのエンジン車は売りにくくなっています。今年7月、イギリス、フランス両政府が相次ぎ、環境規制を理由に2040年までにガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の販売を禁じる方針を発表しました。2040年というとまだ先のような気もしますが、おそらくこの規制は欧州の他の国や環境汚染に悩むアジアにも広がるでしょう。実際、中国政府は2018年にも自動車メーカーに一定数以上のEV生産を義務付ける規制を導入する方針です。

 こうした中で、日産以外の国内メーカーも対応を急いでいます。ホンダがディーゼル車の販売を段階的に縮小するという記事もありました。

「ホンダ、欧州でディーゼル縮小 規制受けEVに軸足」(9月8日)

 ホンダが欧州で主力のSUV(多目的スポーツ車)「CR-V」でディーゼル車をやめ、18年に発売する新型ではエンジンとモーターで動くハイブリッド車とガソリン車にするとのことです。同社は本格的な量産型EVの欧州での発売も控えており、2025年までに欧州でのEVの販売比率を3分の2とする方針です。この記事の前日にはSUBARU(スバル)が「2020年度をめどにディーゼルエンジン車の製造・販売を中止する方針を固めた」という記事も載っていました。

充電スタンドも全国で2万8000基に

 もちろん、EVへの傾斜は日本だけではありません。米国ではEV専業のテスラが7月に納車を始めた量産型EV「モデル3」の受注が約50万台に上るほどの人気ぶり。英国のジャガー・ランドローバーも2020年から全車種をEVに切り替えると表明しています。EVは原動機関係の部品点数がガソリン車の半分以下と言われていますので、中国など新興国でも量産しやすい製品です。EVを巡る国際競争はますます激化するでしょう。

充電スタンドの数は急速に増えている

 最大のネックは充電できるスタンドの少なさでした。ただ、充電スタンドは政府の普及方針もあって急速に増えており、2017年3月末で全国に約2万8000基(日産自動車調べ)、16年4月末に比べて約5000基も増えています。ガソリンスタンドは17年3月末で3万1467カ所(経済産業省調べ)ですから、その数は接近しています。EVの航続距離が伸び、インフラも整備されれば、2020年代には一気に普及することも考えられると思います。
(研修・解説委員 若林宏)

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