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タカマツペア、東京五輪でも金へ
ユニシスがIT駆使

タカマツペア、東京五輪でも金へユニシスがIT駆使

 日本ユニシスは、IT(情報技術)を活用してバドミントンの試合データを解析し、自社の実業団チームの選手育成などに生かす取り組みを進めている。解析データを用いて選手自身が気付いていない癖やライバル選手の弱点などを「見える化」することで、監督やコーチによる指導に役立てる試みだ。

ラケットの面の向きまで解析

日実業団チームで活躍する高橋・松友組の試合データを分析する

 同社の実業団チームは、2016年夏のリオデジャネイロ五輪の女子ダブルスで金メダルを獲得した高橋礼華、松友美佐紀組(タカマツペア)などの有力な選手を擁している。今回の試みは20年の東京オリンピックでのメダル獲得の切り札になる可能性を秘めている。

 今回の取り組みでは、まず試合の中で選手がショットを打ったときの「位置(コート内での座標)」や「打点の高さ(オーバーハンド、サイドハンド、アンダーハンド)」、「ラケットの面の向き(フォアハンド、バックハンド)」、「ショットの種類(スマッシュ、ドロップ、カットなど)」、「得点・失点(イン、アウト)」すべてをデータ化する。

 これらの試合データを米タブローソフトウエアのデータ解析ツール「タブロー」に読み込ませた後、日本ユニシスのデータサイエンティスト(データ分析の専門家)が解析してチームの選手や指導者が理解しやすい形で可視化する。

 例えば、得点や失点につながった選手の位置やショットの種類などを分析することで、選手の得意・不得意なプレーの傾向を明らかにすることが可能だ。また選手の位置を時系列で追跡することで、「コート全面を有効に使っているか」「どの時間帯で選手の動きが鈍ったか」といったことも一目瞭然で把握することができる。

試合データを解析ツールで可視化する

 試合データの取得については、現時点ではスポーツデータの分析を専門とするデータスタジアム(東京・赤坂、加藤善彦社長)の協力のもと目視による確認で行っている。このためデータ取得にかかる時間やコストが実用化での課題になっているという。このため今後は、センサーやカメラなどを使ってシャトルや選手の位置と動きを自動認識する技術を組み込むことを検討している。

 スポーツ分野でのIT活用によるデータ分析は、日本では野球やサッカーなどで導入が進んでいる。こうした競技はプロリーグがあるのでチームの成績がビジネスに直結するからだ。

ポイントごとの選手の動きをデータ化する

 一方、バドミントンは国内での競技人口は多いものの、アマチュアが中心なので導入がそれほど進んでいないという。こうした中で日本ユニシスがIT化に取り組み始めたのは、「タカマツペア」の活躍などでバドミントン人気が高まっていることに加え、タブローのような使いやすいデータ解析ツールや高性能なタブレット(多機能端末)などが安く手に入りやすくなったからだ。同社は今回の試みで培ったノウハウを他のスポーツに応用し、新たなデータ分析ビジネスとして展開することも検討しているという。
(企業報道部 中島募)[日経電子版2017年8月3日付]

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