7割がインターンシップ参加によって「優遇あった」
就活リポート2018(7)
前回の就活リポート2018(6)では、就活を終えた4年生、修士2年生のインターンシップ、OB・OG訪問、説明会、選考などへの参加状況を紹介しました。今回はインターンシップの選考方法やプログラム内容、本選考での優遇などについてです。
2015年から企業の採用広報開始時期と選考開始時期が従来よりも遅くなったため、企業は短くなった広報期間、選考期間を補うために、インターンシップを広報活動(企業説明)や選考に使うようになりました。また、従来は夏休みを中心にインターンシップが実施されていましたが、今では夏休みに限らず秋冬、そして採用広報解禁直前の2月にも実施されています。
このように、インターンシップに参加する機会が増えたことと、「参加が採用選考でプラス評価される・優遇される」といった噂もあり、参加する学生が増えています。日経HRが実施した調査結果(回答者数=181人)をもとに、インターンシップについて説明しましょう。
83%がインターンシップに参加
アンケート結果では実に82.9%がインターンシップに参加しています。参加社数も2社、3社と複数社に参加する人が多く、10社以上参加した人も20人いました。10社以上参加した人は「説明会の代わりにインターンに参加した」という人もいるようです。
インターンシップ参加期間では「1日」(39.2%)が最も多く、次に「5日間」(27.2%)でした。2017年には国内大手企業が加盟する経団連が1dayインターンシップをインターンシップとして認めたため、「1日」の参加者がさらに増えると思われます。
インターンシッププログラムの内容は、「グループワーク」(77.4%)、「見学・体験」(59.8%)、「講義」(35.0%)の順でした。
プログラム内容については、次のような参加学生からの声がありました。
○講義+グループワーク 前半2日間で営業部門と保険金サービス部門の講義と体感ワーク。後半3日で未来に必要な保険の新商品を考えるグループワーク(損害保険会社)
○講義+グループワーク 法人営業の担当者として、お客様へ提案を考える。事前に与えられる情報は少なく、ヒアリングによって各班それぞれが情報を集める。最終日に人事部長の前で発表(メガバンク)
○グループワーク 参加企業が過去に実施した案件をもとにしたケースを題材としてグループワークを行う。1、2日目で企画書の作成を行い、3日目は基本的にプレゼンと懇親会。最終日はプレゼンではフィードバック(シンクタンク)
選考は「ESのみ」が最多
参加者が増えると企業の受け入れ人数にも限りがあるため、インターンシップ参加のための選考を課す企業も増えています。選考がある企業では、最も多いのがエントリーシート(ES、履歴書含む、31.6%)でした。ESだけでなく面接やグループディスカッション(GD)、適性検査と組み合わせる企業もあり、インターンシップに参加するためには本番さながらの選考を突破しないといけないところもあるようです。
最後に、インターンシップ参加によって本番の採用選考での優遇の有無について。インターンシップ参加によって優遇があったと回答した人は68.9%でした。優遇内容については「早期選考の案内があった」(31.6%)、「選考の一部を免除された」(31.1%)、「参加者限定の説明会、セミナー等があった」(21.8%)などです。
この結果を見る限り、志望する企業がインターンシップを実施しているのであれば挑戦してみる価値はありそうです。ただし、インターンシップに参加できたからといって、必ずしも本番の選考で有利になるとも限りません。あくまで選考のルートが1つ増えた程度と考えた方がいいでしょう。
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