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[ skill up-自己成長 ]

その愚痴や文句は不幸のもと
今すぐやめられる3カ条

その愚痴や文句は不幸のもと今すぐやめられる3カ条
撮影協力:東京理科大学

 仕事で思いがけず上司に叱られた。自分のせいじゃないのに責任を押し付けられた。頑張ったのに思うように成果が出なかった。時間不足や連携不足が原因でミスしてしまった......。そんなとき、「それは違う」「自分だけが悪いわけではない」「誰も事前に教えてくれなかった」などと言いたくなることは、誰でも一度ならずあるでしょう。そしてそれについて、愚痴を言ってしまうこともあるのではないでしょうか。

(イラスト:三ツ木朗恵)

 もちろん、ときには誤解を解くためにも、状況をきちんと説明する必要がある場合もあります。言い訳を言いたいときというのは、あなたにも一理あることが多いからです。そして、思ったことを我慢せずに率直に言うことは、ガス抜きにもなります。

 ただ、本当はできることなら愚痴なんて言いたくないという方もいらっしゃるでしょう。愚痴を言ったところで、解決策が見つかるわけでも、ミスを撤回できるわけでもなく、事態は進展しないことのほうが多いことも。

 むしろ、愚痴を言うことで事態を悪化させたり、相手からの心象を悪化させたり、自己嫌悪のスパイラルになって、悪い流れが長く続いてしまうことさえあります。

 仕事がうまくいく人を観察していると、いつもうまくいっているわけではありません。仕事上のミスやトラブル、ストレスを必要以上に引きずらないので、「次の仕事」にも集中できます。うまくいかなかったときの気持ちの切り替えが早いので、結果的に「いい状態」で仕事をする時間が長くなっているのです。

 一方で、仕事がうまくいかなかったときに愚痴や文句を言い続けると、結果的にうまくいかない状態を引きずってしまいます。一度気分が下がると、挽回するのに時間がかかるので、仕事に集中できる時間が減ってしまいます。

 いいかげん、このマイナスのスパイラルから抜け出したい。頭では分かっていてもなかなか気持ちを切り替えられず、いつものパターンの繰り返し......。今回は、「愚痴を言うのをやめるコツ」をお伝えします。

やめるコツその1 水に流す

 愚痴を言いたくなったときには、自分の正しさや自分だけが原因ではないことを周囲に理解してもらう努力をするよりも、どれだけ早く気持ちを切り替えるかを考えるのがオススメです。

 職場でイヤなことなどがあって愚痴を言いたくなったら、その場を速やかに離れるルーティンを即座に実行してください。なぜなら、無理してその場に居続けて、ネガティブな感情のまま何かをしても、さらにネガティブな結果を生み出してしまいがちだからです。「間」が悪いといったん外して、仕切り直しをする大相撲の力士と同じです。

 具体的には、行きたくなくてもトイレに行きましょう。そうすると次の二つの効果が得られます。

  • イヤな感情が生まれた空間から、一度離れることで、仕切り直せる
  • 手を洗うことで、水と一緒にイヤな気持ちも流せる

 これは、心理学でいうソート・ストッピング(思考停止法)の一種です。実際に、手を水で洗うことで、嫌なことも水に流す効果があります。

やめるコツその2 信頼できる相手に話を聞いてもらう

 会社の同僚、友人、家族、趣味仲間など、あなたのことをよく知り、辛抱強く話を聞いてくれる信頼できる人に、聞いてもらうことです。

 「話す」の語源は、「放す」。心理学的にも、話すことで気持ちや思いが整理されて、嫌な気分を手放すキッカケにすることができます。

 ただ、愚痴をこぼしたいときに限って、信頼して話せる相手が外出していたり、スケジュールが合わずに話せないということも多々あると思います。また、いくら信頼できる人とはいえ、いつも文句や愚痴ばかり言っていたら、相手がうんざりしてしまうこともあります。

 そこで次は、一人でできる対処法もお伝えしましょう。

やめるコツその3 紙に書き出す

 それは、「紙に書き出す」ということです。文句や不満を紙にぶつけるのです。

 あなたが言い訳したいこと、誤解を解きたいこと、本当は言いたいけれど言えなかったことなどを、片っ端から紙に書き出してみます。ポイントは「出し切る・書き切る」ということ。

 このメモは、誰かに見せたりするものではないので、安心してあなたの思っていること・感じていることを率直に書いてみてください。

文句や不満は、紙にぶつけましょう(写真:清水知恵子)

 一般的に、会社でも役職が上がったり、影響力が大きくなると、人に言えないこと・相談しにくいことも増えていきます。特に、高い役職に就いている女性は、男性からの嫉妬や女性からの妬みなどがあり、弱みを見せられないことも多いです。紙への書き出しは、ガス抜きの効果もあります。

 自分の中で消化し切れない考えや感情をそのままにしておくと、頭の中の思考が堂々巡りとなりがちです。そのままでは、先に進めないのです。そんなときは、すかさずアウトプットするのがオススメ。人からどう見られるか、批判・評価・目を気にしないで、率直にアウトプットしてみてください。

 頭の中や気持ちでスッキリしていないことを文字化、すなわち「見える化」するわけです。頭の中で抽象的に考えたり、おなかの辺りでモヤモヤしていた感情が、具体化・可視化されるので、思考も感情もスッキリします。

 そして、書き出したメモは、破いて捨てるかシュレッダーにかけてしまいます。視界から消えることで愚痴や悪口を言いたい意識が表面化しにくくなります。頭の中で思考をぐるぐると駆け巡らせているより、さっさと文字化して自分でクリアリングできると、気持ちが切り替えられるのでオススメです。

 結局、自分がコントロールできないこと(上司やお客様の反応など)に対していくら愚痴を言っても事態は一向に変化しません。それなら自分自身でコントロールできることに目線を切り替えて、小さく行動することをオススメします。主体的な小さな一歩から。環境に振り回されるより、自分で環境をつくっていけると、仕事での充実感も味わいやすくなりますよ。

大平朝子
 メンタルコーチ・問題解決の専門家。国家公務員試験を首席合格。裁判所書記官として、年間2000件の裁判記録を扱う中で問題解決のある法則を発見し、独立。教育団体、女性団体、外国人リーダー向けに、講演・研修を実施。無職だった夫をベストセラー作家にした手法が注目され、女性経営者など2300人以上の問題解決に携わる。著書に夫婦初共著となる「ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣」(サンクチュアリ出版)。

[nikkei WOMAN Online 2017年7月25日付記事を再構成、日経電子版から転載]

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