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お悩み解決!就活探偵団2018インターン、7割が参加
こんな「がっかり」も
就活生座談会&アンケート

authored by 就活探偵団'18
お悩み解決!就活探偵団2018 インターン、7割が参加こんな「がっかり」も就活生座談会&アンケート

 大学3年生の約7割が夏休み時期にインターンシップ(就業体験)に参加、または参加予定だったことが、日本経済新聞社が行った「夏のインターンシップアンケート」で明らかになった。インターンが企業が学生との接点を持つ場としてクローズアップされている一方、学生の選別眼も厳しくなっている。アンケートと同時に学生の本音も座談会形式でまとめてみた。

インターンシップの7割近くでグループワークが行われている(ローソンのインターンシップに参加する学生=8月17日、東京・品川)

ワンデーには「期待してない」

 ――インターンシップに参加する理由は何ですか

 山田さん 一番の理由は就職活動だ。インターンシップに参加すると、そこで優秀とみなされた学生は一般応募とは別の早期選考に参加できると聞いている。インターンを通じて早く就活を終えたい。

 田上さん 採用面接のときの話題づくりのために参加したい。志望動機もインターンシップを通じて現場の社員とかかわった方が説明しやすいと思う。

 花田さん 「3年生になったら夏休みにインターンシップに行くもの」というイメージが漠然とあった。インターンシップに参加していなかった先輩がまだ内々定を得ていないので「いつまでも遊んでいるとやばい」と思い、参加した。

 ――期間が1日のワンデーインターンシップについてどう思いますか。

 山田さん 期待していない。短時間では企業のことはわからないし、企業も学生のことはわからないと思う。ただ(自分が興味を持っている企業に)どのような学生が志望しているのかを知ったり、どのような社員がいるのかを知ったりするのには有効だと思う。

 大塚さん グループディスカッションだけで終わるようなワンデーインターンシップだったら、アルバイトに行った方が有意義だ。

 岡本さん その会社が新入社員に何を求めているのかや、社員がどう接してくれるのかを知るにはいい機会だと思う。ただ、どういう雰囲気の職場で社員が働いているかを知りたいので、自分はある程度の期間の長さがあるインターンシップに参加したい。


――インターンシップに参加して何を得られましたか。

 花田さん 私は公務員を視野に入れている。区議会議員のインターンシップでは、チラシのポスティングや委員会の傍聴などをした。参加してみて、自分は表舞台に立つ議員よりも裏方の方があっていることがわかり、地方自治体職員への志望が固まった。

 深沢さん 参加したインターンシップはワンデーだったが、社員と昼食をとる時間があり、気兼ねなく質問ができた。グループワークだけで終わってしまうと、社員の話が聞けず残念な気持ちになる。

 山田さん 私はがっかりしたことがある。金融機関のワンデーインターンシップで、会社説明会とグループワークがあると聞いて参加した。実際に行ってみると、グループワークは30分程度で終わってしまい、社員からのアドバイスやフィードバックもなかった。何も得られなかった。

 ――インターンシップに参加すると選考で優遇されると思いますか。

 花田さん 企業は「採用には一切関係ありません」と説明しているが、実際にはそのようなことはないと思う。

 岡本さん 就活を終えた4年生の先輩から「インターンシップは採用につながっている。就活はインターンシップから始まっている」と言われた。企業は表向きには言わないが、本音と建前は違うのだろうと思う。

 藤島さん 先輩から「あの企業のインターンシップは採用選考の別ルートとつながっている」といった話を聞いたことがある。実際、この夏に参加した金融機関のインターンシップでは、夏に参加した人だけを対象にしたインターンシップを秋に行うと言われた。これが本番の選考での優遇につながっていたらいいなと期待をしている。

 ――この中にはインターンシップに参加しなかった人もいます。その理由は何ですか。

 大塚さん 参加した方がいいとは思うが、まだやる気にならない。先輩からは「夏のインターンシップは意味がない」という意見と「夏から参加した方がいい」という相反する意見を聞く。正直どうしたらいいのかわからない。

 神山さん (今の新卒採用市場は学生優位なので)インターンシップに行かなくても、それなりの企業には就職できそう。先輩も「インターンシップには行かなくても問題ない」と話していた。インターンシップがそのまま就職につながったという先輩もいたが、そうした例はほんの一握りだと思う。

 岡本さん 大学で出された課題の量が多く、参加を見送った。エントリーまでしていたので残念だ。秋や冬のインターンシップの時期には授業を調整できそうなので、今度こそは参加したい。

 田上さん 参加したかったが、選考を通過できなかった。

 ――応募倍率が高い人気企業のインターンシップに参加するのは、学生にとってもかなりの負担ではないですか。

 山田さん 先着順だと人気企業のインターンはあっという間に満員になってしまうので、アルバイトなどでタイミングが合わないだけで参加できなくなってしまう。抽選であれば学生の負担は減るが、本気で参加したい人が落ちて、生半可な気持ちで応募した人が選ばれる可能性があり、納得できない。

 インターンシップの選考は就活本番の選考の予行演習になる。(仮に落ちても)参加する意義はあると思っている。

 藤島さん インターンシップに参加するにはエントリーシートを提出したり、グループワーク選考を受けたりしなければならない。正直、負担は大きい。せっかく選考を受けたのだから、通過者には採用選考でも優遇してもらいたい。

期間は「2~5日」が7割  本社アンケート

【調査の概要】
7月24日から8月7日にかけて2019年春卒業予定の大学生・大学院生135人に調査をした。回答者の大半は首都圏の大学に在籍しており、もっとも多かったのが早稲田大学の24人、次が慶応義塾大学の23人だった。回答者全体の内訳は男性が61人、女性が69人、性別不明が5人。

 かつてのインターンシップは会社案内や見学に終始するのが一般的だった。だが、最近のインターンシップは実践的になっており、卒業後の進路やキャリアのことを真剣に考える「意識の高い」学生を引き付けている。夏休み中にインターンシップに「参加した」と調査に答えた学生は全体の13%だった。これに「これから参加する予定」を加えると69%に達した。

 インターンシップに参加しない学生は27%だったが、そのうちの29%が「希望した企業のインターンシップの書類選考などで落ちた」と答えており、大学3年生がインターンシップに参加することが当たり前になっている状況がうかがえる。また、参加・参加予定の学生の63%が複数の企業のインターンシップに参加すると答えた。

 インターンシップの内容(参加・参加予定の学生を対象に複数回答)では、「グループワーク」が68%で最も多かった。これに「実際に職場に配属されて業務を体験する」の45%が続いた。半面「会社や業界に関する説明のみ」は36%、「職場や工場の見学」は28%にとどまった。

 内容が実践的になれば期間も長くなる。インターンシップに参加・参加予定の学生に「何日間のプログラムに参加するのか」を複数回答で聞いたところ、最も多かったのが「2~5日」の72%。「1日(ワンデー)」の41%を大きく上回った。

 この夏に4社のインターンシップに参加した慶応義塾大学の男子学生は「ある企業では、各部署に学生が配属され、取引先との打ち合わせに同席した」と話している。一方、カード会社のインターンシップに参加した大阪大学の女子学生は「(期間が1日と短く)グループワークは30分ほどで終了した。何も得るものはなかった」とこぼす。

 就職情報サービスのディスコ(東京・文京)の武井房子上席研究員は「(インターンシップに対する)学生の期待値は上がっている」と指摘、「内容をかなり充実させないと学生の心をつかめない」と語る。

インターンの合同企業説明会には多くの学生が集まった(6月、東京都江東区の東京ビッグサイト)

 インターンシップの本来の目的は、企業で正社員として働くことの意義を学生に体験させ、卒業後のキャリアを考える材料にする点にある。企業も採用に直結させないことを前提としている。

 一方、企業を相手に事業をしている「BtoB企業」は、事業内容が学生になじみが薄いこともあり、新卒採用では苦戦している。そうした企業にとって、インターンシップは学生に自社の存在を印象づける絶好の機会になっている。

 東京海上日動火災保険はインターンシップに応募してきた学生のうち、書類選考を通過した学生に人事担当者が面接をした。参加者を選ぶためだけではない。面接での受け答えのアドバイスもした。手間と時間はかかるが、人事担当者は「当社の業務内容を理解してもらうきっかけになる」と説明している。

 企業が前のめりになれば、参加する学生もインターンシップを就職活動の「前哨戦」ととらえるようになる。

 インターンシップに参加したことがその企業での採用選考で有利に働くと思うのかをすべての学生に聞いたところ「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」の合計の割合が83%を占めた。

 その理由(複数回答)で最も多かったのが「企業のことをよく理解できる」の73%だったが、「エントリーシートで志望動機を書くのに役立つ」も61%に達した。「インターンシップの参加者だけの面接・面談を受けられる」も30%あり、学生はその企業に志望することを前提にインターンシップに参加している様子がうかがえる。

 インターンシップの1回あたりの受け入れ人数は30~40人程度で、実際の採用選考よりも競争倍率が高くなる企業が珍しくない。倍率の高さを見て「応募しても受からない」(一橋大学の男子学生)と考えて、参加を見送る学生もいた。インターンシップが採用選考の前哨戦としての性格を強めると、働くことを学ぶ場という本来の役割が薄れる可能性もある。
(潟山美穂、森国司、桜井豪)[日経電子版2017年8月31日付]

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