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日経エデュケーションチャレンジ2017先輩たちに学ぶ「働き方」
ミレニアル世代へのメッセージ

日経エデュケーションチャレンジ2017 先輩たちに学ぶ「働き方」 ミレニアル世代へのメッセージ

 日本経済新聞社は今夏、「日経エデュケーションチャレンジ」と銘打つ高校生向けのイベントを開きました。第一線で活躍する8人のビジネスパーソンを先生役に迎えた1dayの交流授業で、それぞれのキャリアを題材に「働くこと」の楽しさを伝え、将来の進路を考えるヒントにしてもらうのが狙いです。大学生の皆さんが参加していたなら、どんな気付きを得たでしょうか――。

 会場となった東京・大手町の日経ホールには、全国から約300人の高校生が集まりました。A~Dの4つのコースに分かれ、コースを受け持つ各2人の講師の授業を受けました。

校長の一條和生さん(右端)から紹介を受ける8人の先生たち

チャレンジが成長の証、仲間を大切に

【Aコース】(大京グループ、JX金属)

 大京の高橋賢司さんは住まい創りのエキスパート。マンションの販売営業や戸建ての建築企画に携わってきました。新規事業の取り組みはチャレンジと反省の連続ですが、「反省点があるのは、自分が成長している証拠。反省点を前向きに探しています」と話しました。逆転の発想とポジティブシンキングを上手に使いこなしているようです。

 高橋さんによると、仕事で重要なことは「チームワーク」「日常の中に新しいヒントを見つける」「何事も経験」の3つ。「モノ作りの楽しさが、やりがいであり、成長にも繋がっています」と語りました。

自身のキャリアを題材に「働くこと」の楽しさを伝えた

 JX金属の安武竜太さんは、授業のタイトルにひねりを利かせました。「"アツエンドウハク"ってヤバい!?」。漢字で書くと「圧延銅箔」。スマートフォンの基盤などに使われる電子材料です。JX金属製の圧延銅箔は世界のスマホ市場で8割のシェアを占めており、間違いなく「ヤバい」です。

 商談の裏話は、BtoB(企業向け取引)ならではの面白さでした。社外で得た情報を社内に展開することも営業の大切な仕事。社内外の「仲間」作りを、安武さんはビジネスチャンスにつなげており、仕事の醍醐味の1つに「目標を達成したときの充実感を仲間と共有できること」を挙げました。

楽しいのが一番、社会の変化に敏感に

【Bコース】(ナブテスコ、新日本法規財団)

新幹線や飛行機、自動車からロボット、建設機械、自動ドアまで......。モノを動かす制御技術を核に、ナブテスコの製品はいたるところで使われ、「安全・安心・快適」を支えています。講師の井上精一さんは品質管理のプロフェッショナル。「ヒューマンエラーは、なぜ起こるのか」という難しくなりがちな話を、ソフトな語り口で分かりやすく解説し、生徒たちとのトークも弾みました。

 井上さんの趣味は絵を描くこと。そして、ミニ四駆。品質工学の研究素材としてミニ四駆を職場で重宝し、みんなで楽しく学んでいるそうです。遊び心が仕事の幅を広げるというわけです。「これからの進路を考えるとき、何になりたいのかのではなく、自分はなにをしているときに一番輝いているのかを見つけ、それを大事にしてください」とエールを送りました。

 新日本法規財団の松島卓也さんの授業のメッセージは「法律を意識し、社会の変化に敏感になろう!」でした。法律に関するクイズなどを織り交ぜて教室が盛り上がったところで、グループワークに移ります。「完全自動運転車がシステムの欠陥で事故を起こした場合、誰が責任を負うのか」。日本でも国を挙げてルール作りを進めている旬のテーマに挑戦する趣向でした。

 松島さんは法律実務等に関連するセミナー事業を担当しています。「話題になっているニュースには、法律とか法律の問題が隠れています。そこから社会の仕組みがどうなっているのか学んでください」とアドバイス。「社会の変化に敏感になれば、自分のやりたいことや将来の仕事に対するイメージが、ふっと湧いてくることがあります」と語りました。

常に夢を持ち、がむしゃらに行動

【Cコース】(エコスタイル、カネカ)

 エコスタイルは太陽光発電の販売・施工会社。8年で売上高を138億円に伸ばしたベンチャー企業です。社長の木下公貴さんによると、会社の成長で大切な要因は「仲間」と「思い」。勤務先の会社が廃業したことをきっかけに、当時の同僚らと資金を出し合ってエコスタイルの前身である事業を引き継ぎました。授業ではその軌跡を振り返りました。

先生の熱いトークが授業を盛り上げる

 木下さんは「子どもの未来にエコ電力を普及させたい」という夢や思いを持っています。何であれ、現状に満足せず、もっともっと上を目指すことの大切さを繰り返し強調しました。まずは夢を持つこと。そして、強い思いを持って行動に移すこと。「何もしないのが一番まずい。失敗して初めて成功への道が分かる楽しみだってある」と声を大にしました。

 カールの強い髪を持つアフリカの女性にとって、「つけ毛」はおしゃれの必須アイテムです。その代表的な素材が、カネカ製の合成繊維「カネカロン」。授業を受け持った武智啓子さんは、現地に溶け込んで生の声を集めたエピソードを交えて「商品開発で大事なことはコミュニケーション」と話しました。

 武智さんも熱い思いの持ち主。やる気だけはあったので、これまでどんな仕事を任されても前向きに挑戦できたそうです。自分でやってきたことが、いろいろなことで繋がった経験も大きかったようです。「就活を迎えたときに夢がよく分からないのだったら、とり合えずどこでもいいので働き、がむしゃらにやってもらうのが、私のお勧めです」と語りました。

感動体験、成功体験を積み重ねる

【Dコース】(住友林業、カシオ計算機)

 住友林業の中村健太郎さんは、樹木の組織培養の第一人者。豊臣秀吉ゆかりの京都・醍醐寺の枝垂れ桜、東日本大震災の被災地で生き残った「奇跡の一本松」など、樹木の再生プロジェクトを手掛けてきました。「世の中の、他の人の役に立ちたい。新しいことを生み出す仕事がしたい」という高校生の頃の夢は、大きく花を開いたのです。

 樹木の命をクローン技術でつなぐ仕事を通じて数々の感動をもらったそうです。「感動は夢を生んでくれます。恥ずかしからずにチャレンジしてください。その夢は周りの人も笑顔にします」「勉強がどこで、どう夢の実現に役に立つのか分かりません。興味があったら勉強してみることは大切」と語りました。

会場の日経ホールに全国から約300人の高校生が集まった

 カシオ計算機の伊部菊雄さんは腕時計「G-SHOCK」の生みの親です。一般の常識を覆す「落としても壊れない時計」の開発は失敗続きでしたが、「あきらめない心」を失わなかったことが実を結びました。あきらめない心とは、頑張りスイッチ。高校時代のクラブ活動で培われたそうです。

 大切なのは自分で決めた期間、ずっと頑張り続けたという成功体験を作ること。結果は問いません。「1週間でも3日間でもいいので、成功体験をぜひ作ってください」とアドバイスしました。大切なことがもう1つ。誰かに相談して「次は頑張ろう」と前向きになるのは良いことですが、「目標を決めるのは、先生でも親でもなく、自分自身です」と語り掛けました。

 日経エデュケーションチャレンジの開催は今年で17回目。これまでに6400人以上の高校生が受講しました。校長を務めるのが一橋大学大学院教授の一條和生さんです。今年の始業式では、こんな挨拶がありました。「ビジョンを持ち、新たな世界を創ろう」。高校生や大学生のみなさん、「ミレニアル世代」と呼ばれる若者へのメッセージでした。

※「日経エデュケーションチャレンジ」 公式サイトはこちら

◇   ◇   ◇

 今年の授業を受け持った8社のコメントを、AコースからDコースの順に紹介します。

大京グループ




50年にわたり多くの住宅を供給し、管理している企業の社会的責任として、当社グループでは、建物の老朽化・空き家増加・環境問題等の社会課題に真摯に向き合い、ストック型社会の実現に向け取り組んでいます。また、次世代育成のため、企業内大学や、民間企業研修、学生の企業訪問受け入れにも注力しています。

JX金属




当社は、銅を中心に鉱山開発から製錬、電子材料の加工、リサイクルまでを一貫して行うメーカーです。金属を扱う会社の社会的責任として、限りある金属資源を最大限有効活用するとともに、資源循環型社会の構築に貢献しています。ここ最近は、あまり知られていない銅の重要性を若い世代にPRする活動にも注力しています!

ナブテスコ




ナブテスコグループは「地域社会の発展」を重要なCSR課題として位置付けています。介助用電動車いす「アシストホイール」の寄贈活動やタイでのマングローブ植樹活動など、地域に根差した環境、福祉、教育イベントへの積極的な参画を通じて、持続可能な社会の実現に注力していきます。

新日本法規財団




当財団では、「新日本法規財団 奨励賞」を創設し、「会計・税制」と「会社法制」の2分野において、大学生や社会人の方々の調査研究(論考)を対象に表彰を行い、著者のより一層の活躍を期待し助成を行っています。毎年9月に募集を開始し、翌年2月に受賞論考を決定し、3月に表彰式を行います。受賞論稿は小冊子に纏め、大学等関係各機関に寄贈しています。

エコスタイル




「子供たちのため、次世代のために環境を守る義務と責任を遂行する」という使命の下、事業活動を通じて"地域資源を活用した再生可能エネルギーの普及・促進"を進めると共に、より多くの子供たちに自然との共栄の重要性を伝えることができる"環境教育プログラム"を実施しております。

カネカ




カネカグループは、長期ビジョン「KANEKA UNITED宣言」で、「環境・エネルギー」「情報通信」「食料生産支援」「健康」を重点戦略分野として掲げています。これは、当社の企業理念を具現化した成長の軸であると同時に、我々が社会に貢献できる領域です。様々な社会課題に製品と技術で応えるべく成長と変革をキーワードに価値ある事業を創出し、これからも事業活動を通じて社会へ貢献していきます。

住友林業




住友林業グループは創業以来、「木」を通して世の中に新しい価値を提案することで事業を拡大してきました。適正な管理のもと育てられた「木」は永続的に活用できる自然資源であり、様々な社会課題解決の可能性を秘めています。世界的な需要拡大が予想される中、木の可能性を拓き、その利活用を拡大することで、持続可能な社会の構築に貢献します。

カシオ計算機




カシオグループでは、「人権の尊重」、「低炭素社会の実現」など、重点的に取り組むべき8つのマテリアリティ(CSRの重要課題)を特定し、これらについてKPIを設定し、マネジメントサイクルにて推進しています。今般、こうした取り組みが評価され、カシオ計算機は、世界の代表的な社会的責任投資指標である「DJSI World」の構成銘柄に初めて選定されました。