日本経済新聞 関連サイト

OK
[ career-働き方 ]

入社まで半年どう過ごせば?
森川亮CChannel社長に大学4年生が直撃

入社まで半年どう過ごせば? 森川亮CChannel社長に大学4年生が直撃

やりたい事みつけ早めに計画を

 10月1日の内定式まであとわずか。長かった就職活動が一段落し、ホッとしている学生が多いのではないだろうか。来春、新社会人になるまで残り半年となるなか、大学生活をどう過ごせばいいだろうか。起業家で会社員経験があるC Channelの森川亮社長に、現役の大学4年生、井上瑛未さんが聞いた。

 井上さん 森川社長自身は学生最後の時間をどう過ごしていましたか。

 森川社長 学生時代はあまりお金がなく、長期のアルバイトをしていました。例えば赤坂の料亭。そこの料理人はすごく怖く、怒鳴られながら働いていました。他には海の家でアルバイトをするなど、社会人になったらできないような仕事も経験しました。

 井上 社会人になるにあたって、マナーや仕事の進め方などどう身に付けたらいいか不安です。

 森川 親が教師で、周囲にもあまり会社員がいませんでした。親戚で会社員になるのは僕が2人目ぐらい。だから、とりあえず会社に入って、いろんな人に怒られましたね。あいさつの仕方とか、お酒をつぐ、つがないとかね。

立教大学4年生、井上瑛未さん

 井上 怒られた時や失敗した時にはどうやって乗り越えましたか。

 森川 乗り越えるというより、ただやるしかないですよね。僕は社内のシステム開発だったので、多少生意気でもそれほど影響はありませんでした。ただ、外で働く営業職のような仕事だと、(失礼な態度など)何かやってしまうとその会社との取引に影響する可能性があります。理想は社会に出る前に働いてみて、失礼にならない言葉遣いなどを身に付けておくといいかもしれないですね。

最初の1年間は仕事より勉強

 井上 社会人1年目に意識していたことや、実際にやっておいてよかったということはありますか。

 森川 社会人1年目はものすごく成長するタイミング。そこでの頑張りによってその後の成長はずいぶん変わると思います。僕は最初の1年は結構、勉強しました。社会に出てすぐに仕事はできないじゃないですか。何か提案するとか、それを形にするようなことは難しい。そのために必要なことは勉強しました。

 井上 私はフィギュアスケートを大学でやっているほか、ゴルフも最近始めました。それぞれの目標を定めてやろうとすると、どれも中途半端になってしまう。マルチタスクを成功させる秘訣はありますか。

 森川 僕も20代前半は同じで、何か方向を定めないといけないと考えていました。画家を目指したり、会計士を目指したり、僕には目標がたくさんありました。でも勉強する中で自分で事業をやることが向いていると思い、それに集中するようになりました。

 まずは色々やってみないと分からない。でもこれと決まった時には集中した方がいいでしょう。10年間やり続けると世界でナンバーワンになれると当時言われました。

世界が変わるかイメージして

 井上 今振り返って、学生時代に学んだことで生かせていると思うことはありますか。

森川亮CChannel社長

 森川 「学ぶ」には知識と経験の2つがあると思います。僕は知識より経験の方が大きかった。例えば、小学生の時に水泳が得意じゃなかったが、25メートル泳ぐ課題のために練習して泳げるようになった。人間って努力すればできるんだな、って自信が付きました。数学も苦手でしたが、良い先生に巡り合い学年トップになったりもした。単純に知識やスキルというより、それを得る過程での人生の学びが今も生きているように思います。

 井上 会社から資格の取得を勧められています。資格は社会人になってから役に立ちますか。

 森川 資格を使いこなせるかが非常に重要だと思います。僕も一時期いくつもの資格を取っていました。一方で、それって世の中の役に立っているかと考えると、そうではない面もある。一番大切なことは、何かを実現するのに必要なものか、あるいはそれを手にしたときに世界が変わるか、みたいなことをイメージしながら勉強した方がいいと思います。

 井上 学生に向けて今後のアドバイスをお願いします。

 森川 一つは長い時間をかけないとできないことにチャレンジすること。もう一つはこのタイミングで思い切って自分の棚卸しをすることです。

 人は長期的に大事なことより、目の前のことに時間を使ってしまうところがある。先のことを棚卸しして、自分にとって大事なことを見つけて計画を立てると、やり遂げた時の達成感につながると思います。やりたいことが見えないのはもったいない。早めにやりたいことを見つけた方がいいと思います。
(桜井豪)[日本経済新聞朝刊2017年9月25日付、「18歳プラス」面から転載]

 

 もりかわ・あきら 1989年、筑波大学を卒業後、日本テレビ放送網に入社。ソニーやハンゲームジャパン(現LINE)社長を経て、2015年、動画メディア「C Channel」を起業した。
いのうえ・えみ 立教大学文学部に在籍。商社に就職が内定している。大学では体育会フィギュアスケート部に所属し練習に励む。海外インターンにも参加し、ミャンマーで事業立ち上げを経験した。