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お悩み解決!就活探偵団2018内定者の中にインターン生がこんなに 
驚く現実

authored by 就活探偵団'18
お悩み解決!就活探偵団2018 内定者の中にインターン生がこんなに 驚く現実

 どうやって就活すればいいの――。就活を始めたばかりの2019年卒業予定の新就活生の疑問を解決しようと、日本経済新聞社は9月7日にセミナーを実施した。志望企業の決め方やインターンシップへの参加の心構えについて就活探偵団のメンバーが答えた。

採用目的で行うインターンも

イラスト=篠原真紀

団長 6月の面接解禁から3カ月あまり。来春卒業予定の学生の就活はどうだったか、分析してもらいましょう。

探偵A 18年卒の就活は昨年に引き続き売り手市場でした。日本の大手企業は、経団連という業界団体が決めたスケジュールで採用活動をするのが慣例となっています。これに基づいて今年も6月が面接の解禁時期でしたが、それよりも前に内定を獲得している人も一定数いましたし、両手の指では収まらないくらい内定を持っている人もいました。学生が内定を辞退することを見越して多めに内定を出す企業が増えていることも背景にあり、8月1日時点の内定率は昨年より5ポイント近く高かったです。

団長 取材した感じでは、19年卒の新就活生が就活を進めるカギが「インターンシップ」でしたね。先日は「『コスパ』のいいインターンを探せ」という記事を書きました。

就活を始めたばかりの大学3年生が集まった(東京都千代田区の日本経済新聞本社)

探偵B コンビニエンスストア大手のローソンのインターンを取材しました。加盟店にコンサルティングをする業務を体験できたり、その振る舞いについて人事担当者から指摘してもらえたりするのが人気のようでした。ほかにも、採用に直結するインターンや、海外渡航費を出してもらえるものまで様々です。売り手市場で企業は学生の皆さんを振り向かせようとあの手この手で積極的にアプローチしているので、参加しない手はありません。

団長 リクルートキャリア(東京・千代田)の調査によると、「内定者の中に自社のインターン参加者がいた」と答えた企業は72%、さらに「インターンを採用目的で実施している」とした企業は23%もありました。この数字は年々増加傾向で、インターンの重要性が増していると考えられます。実際に参加することは内定を獲得する上で有利なのでしょうか。

探偵C そのことを企業側に正面切って聞くと、大抵は首を横に振ります。表向き経団連加盟企業は6月の面接解禁まで採用活動をしてはいけないわけですから。採用に直結するかどうかは別にして、就活でのメリットは多いでしょう。例えば自動車に部品を卸しているような会社は、皆さんは普段目にすることがないでしょう。そういう会社のインターンに参加すれば、実際にどういう仕事をしているかを自分の目で確かめることができます。こうして得た知識を、エントリーシート(ES)や面接で披露することで、面接官は「この学生はきちんと業界のことを勉強している」「即戦力になりそう」などと感じてもらい、結果的に選考で有利になる可能性があります。

探偵A 企業は「学生の素顔が見えない」と悩んでいます。ネットに出ているテクニックを身につけて面接などに臨んでいるためで、どの学生も同じようにしか見えなくて困っているのです。しかしインターンシップなら企業側は数日間、学生と接することができるため、取り繕うことのない自然な姿を見ることができます。参加した学生が面接に進んだときに「この学生はこうだった」など、具体的に働く姿をイメージできるので、企業側にとってはメリットになるのです。
 また、実際の環境を見てもらうことで「こんなはずじゃなかった」というようなミスマッチを防ぐことができるのも、学生と企業双方のメリットなのかもしれません。

転職ランキングも参考に

団長 さて、事前にいただいた質問では「どうやって志望企業を決めればいいのか」というものも多く、関心が高いようです。実際に学生に人気が高い会社や業種はどんなものがありますか。

探偵C 日経が就職情報会社のマイナビ(東京・千代田)と共同で調査した18年卒の就職希望企業調査によると、文系総合では上位に全日本空輸(ANA)やJTBグループ、三菱東京UFJ銀行など、航空や旅行、メガバンクなどが上位にランクインしました。就活を始める前の学生が選んでいるので、生活に身近でかつ華やかなイメージの業種や企業が多いですね。しかし当然ですが、売り手市場だからといって入りやすくなるわけではありません。

イメージだけで志望企業を決めないようにしよう

団長 そうですね。一方で東芝やシャープも一時期は相当な人気企業でしたが、経営危機にさらされたり、外資に買収されたりしました。何が起きてもおかしくない時代、どうやって企業を選べばいいのでしょうか。

探偵A 転職者のランキングを見てみるのも一つの手です。人材紹介大手のパーソルキャリア(東京・千代田)が発表した「DODA転職人気企業ランキング2017」によると、上位に入っているのはトヨタ自動車やグーグル、パナソニックなど、先ほど紹介したランキング上位には登場しない企業が出てきました。これは社会に出た人が答えたアンケートを基にしたランキングなので、より現実に近いといえるかもしれません。ほかにも「ヴォーカーズ」というサイトもあります。これは自分が働いている会社の口コミを書き込むもの。実名ではないため必ずしも全ての情報が正しいとは言えませんが、参考になると思いますよ。

探偵B 売り手市場で割を食っているのが中小企業や企業を相手に事業をしている「BtoB企業」です。大手にいい人材をとられないよう負けじと情報をどんどん出してきています。逆にいうと「本当にいい会社」を見つけやすい環境になっているともいえます。情報を取るためにアンテナを張ってあらゆる手を尽くしてみてください。

団長 さて皆さん気になるところはスケジュールだと思います。おさらいしておきましょう。

探偵C 今から来年2月にかけて、インターンに参加したり、業界について理解を深めたりする時期になっています。来年3月から5月にはエントリーシートの提出や筆記(ウェブ)テストの受験が控えています。6月1日が面接解禁日。早い人は6月上旬で内定をもらい就活を終えることになります。
 しかしこれは表向きのスケジュールで、実態は違うという企業も数多く存在します。外資系や経団連に加盟していない企業の場合、早ければ今から冬にかけて選考があり、内定を出すケースがあります。また、経団連に加盟している企業であっても5月までに「面談」と称した実質的な面接を実施し、内々定を出すことがあります。

「長期」「短期」使い分けて

団長 それでは会場の皆さんから質問をいただきましょう。

――インターンは長期か短期、どちらに参加すればいいのでしょうか。

インターンシップに参加することで、仕事や職場の実態を理解でき内定獲得に近づく

探偵A 長期で参加すれば、会社のことを隅々にわたって知ることができ理想的ではあります。ただその分拘束時間も長くなり、ほかの会社のインターンに参加しづらくなるともいえます。ワンデーインターン(1日完結のインターン)は「会社説明に終始して、得られるものが少ない」との声を耳にしますが、短期間にたくさんの会社を受けられるというメリットもあります。興味があって深く知りたい会社は長期、ちょっと興味がある会社は短期という具合に使い分けてみてはどうでしょうか。

――インターンの選考でなかなか合格しません。どうしたらいいですか。

探偵B エントリーシートに書く内容に問題があるのでは? 書く内容を会社によって変えてみて、どの内容が人事の受けがいいか試してみるのも手です。インターンは落ちても怖くありません。採用面接で通ればいいだけの話ですから。インターンの選考を実験の場にして、どんどんチャレンジしてみてはどうでしょうか。

――学生時代、バイトばかりしてサークル活動など目立った活動をしてきませんでした。どうしたらいいですか。

探偵C 企業人事の経験者は、「長くやった地味なこと」をきちんと説明できるほうが好印象だそうです。人間の行動や思考のパターンは、長期の取り組みからしか生まれないと。留学やボランティアは一見派手でわかりやすいですが、それより「週3日のコンビニのアルバイトを休まずやった」というような話のほうが現実感があって、就労イメージがつきやすいのでしょう。
(構成=鈴木洋介)[日経電子版2017年9月14日付]

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