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起業家が成功するための
9つの心構え

榊原健太郎 authored by 榊原健太郎サムライインキュベート社長 
起業家が成功するための9つの心構え

 起業をテーマにしたイベントに登壇すると「成功する起業家の特徴は何か」との質問をよく受ける。起業家が成功するための要素に「マインド」と呼ばれるものがある。心構えとも言い換えられるだろう。今回は特徴的な9つのマインドについて話してみたい。

 一、誰に対しても礼儀正しく。

 商品やサービスが売れるようにするには、様々な人の視点に立つことが必須だ。目下の人に横柄な態度を示すような人は、人の心の機微がわからない。どこかで不利益を被ってしまうだろう。

 二、誰に対しても感謝する。

 起業家は感謝の気持ちを表すことが重要だ。うまくいったときに感謝の思いを伝えると、より多くの人が応援するようになり、成功に近づきやすくなる。私はこれを「感謝のエコシステム」と呼んでいる。

 三、誰に対しても約束を守る。

 相手が忘れてしまうぐらいの小さな約束でも、口にしたことはきちんと守る。約束を守り続けると相手からの信頼を得られる。これが実行できないと大きな目標を達成するのは難しいだろう。

 四、誰もが嫌がることを先んじて行う。

 例えばオフィスの掃除。必要なことだが、やりたくない人は多いと思う。こうしたことを率先してやり続けることで、周囲に信頼されるようになり、自然とリーダーシップが身につく。

 起業家は世のためになる商品・サービスを生み出すのが使命だ。まだ誰もしていないことに目を向け、実行することが大切だ。

 五、仲間のためなら何でも手助けする。

 起業すると忙しい日々が続く。それでもメンバーの親戚などが不幸に見舞われることもある。そんなとき「仕事はいったん忘れていいから行ってこい」と言えるような懐の深さを起業家は示してほしい。ピンチのときのねぎらいの言葉は、メンバーからの一生の信頼につながるからだ。

 六、名誉を重んじる。

 起業家は周りの人にほめられることを意識して行動すべきだ。そうした行動が積み重なって名誉になり、それが結果的にお金の形で返ってくる。

 七、両親・先輩・上司を大切にする。

 私も親になって初めて両親の苦労やありがたみにようやく気づいた。社会全体で考えれば、約70年前に敗戦した日本を世界第3位の経済大国に発展させ「戦争をしない日本」をつくりあげた諸先輩方に感謝をすべきだと思う。

 我々がこの社会をより良くして、70年後の人々が暮らしやすい未来にすることがこのマインドの本質である。

 八、常に目標を1000%以上に置く。

 数値目標が必要なのは仕事だけではない。人生には私的な生活(プライベート)がある。プライベートでも目標をしっかり設定している人はどれだけいるだろうか。

 自分のことだけではない。配偶者や子ども、両親における仕事とプライベートまで含めて、自分の「人生」ではないだろうか。だから100%ではなく、1000%。家族みんなの目標や夢を達成するのが大切だ。

 九、常に楽しく、元気に、前向きな成功イメージを持つ。

 自分の事業アイデアを相手に話したとき、相手が本当に実現すると思うようになったら、それは成功する可能性が高いと言える。こうなるまで徹底的に考え抜く。そうすると打つべき手が具体的に見えてくる。それにはやはり健康でなければならない。身体は起業家にとって最も重要な「資本」である。

 9つのマインドは、当たり前のことかもしれない。だが「やるべきことはわかってはいても、できていない」人は多い。まずは「やる」ことで自分だけでなく、周りの人を幸せにしてほしい。
[日経産業新聞2017年7月27日付、日経電子版から転載]

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