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ホンネの就活ツッコミ論(31)就活生の交通事情を考える
~東京-大阪間の移動はどうする?

石渡嶺司 authored by 石渡嶺司大学ジャーナリスト
ホンネの就活ツッコミ論(31) 就活生の交通事情を考える~東京-大阪間の移動はどうする?

 今回のテーマは「東京~大阪間の移動」です。就活中も内定後も、関西圏の学生は東京に移動する機会が増えます。首都圏の学生も関西圏の企業を志望すれば、やはり移動は増えるでしょう。東京~大阪の移動手段と言えば、新幹線が基本です。しかし、新幹線以外にも飛行機や高速バスなどもあり、バラエティに富んでいます。就活生がどのように使い分けているのか、調べてみました。

王道行く新幹線はマルチタップ持参で

 まずは新幹線から。東京~大阪間の交通輸送で新幹線は8割以上と圧倒しています。事前予約をしていなくても約10分に1本あり、2時間30分で到着する速さは、素晴らしいとしか言いようがありません。のぞみの指定席であれば、その大半にコンセントがあります。ノートパソコンで作業をする、携帯電話の充電をする、ということも可能です。指定席でも机はそこそこ広いのでエントリーシートを広げることもできます。

 新幹線は就活生からすれば、ネックが料金の高さ。のぞみ・指定席だと東京~新大阪の片道で14450円します。交通費を貰える最終選考や内定式、あるいはここ一番で重要な選考が入っているとき、どうしても急ぎの用事で移動が必要なときなどに利用する学生が多いようです。新幹線で移動する際のポイントは、「車両の種類」「窓側」「自動販売機」の3点です。

 まず、1点目、のぞみの大半はN700系というコンセントを備えた車両です。では、すべてののぞみがそうか、と言えばそうではありません。のぞみの一部、それからこだま・ひかりの大半は700系という車両を使っています。この車両だと、車両の最前列・最後列にしかコンセントがついていません。コンセントを使いたい方は車両を調べるといいでしょう。時刻表に書いてありますが、わからない方は駅の窓口で聞くと教えてくれます。

 2点目ですが、コンセントが備わっているN700系でも自由席・指定席のすべてにコンセントを設置しているわけではありません。最前列・最後列以外は窓側の席だけです。そのため、コンセント使用をしたい場合は窓側の席を指定するようにしてください。仮に窓側の席でなくても、使っていない場合は一声かければ使えます。それから、マルチタップを用意しておくと、通路側の席の人がコンセントを使いたがっても、「マルチタップがありますから、これで分け合いましょう」と言えます。

ANA、JALはラウンジでくつろぎたい

 就活生の利用は少ないですが、東京~大阪の移動で新幹線の次に多いのが飛行機。ANA、JALは東京(羽田)~伊丹、関西空港の便を就航させています(ANAは羽田~神戸便もあり)。飛行機、それもANA、JALだと速いのですが(1時間10分程度)、空港までのアクセスの悪さ、それから料金の高さがネックです。

ANAのスターウォーズ仕様機と、ヨーダのぬいぐるみ

 東京駅から羽田空港までは約40分、伊丹空港から梅田まではバスで約40分かかります。待ち時間などを考えると、新幹線といい勝負か、むしろ飛行機の方が手間がかかる、とも言えます。ただ、空港から目的地までのアクセスがいいのであれば、飛行機という選択も出てくるでしょう。

 料金は普通運賃だと2万5470円と新幹線よりも高く設定されています。しかし、前日までに予約すると、便によっては1万1000円と新幹線より安くなることもあります。それから、JALはスカイメイト、ANAはスマートU25という制度を使えば、片道運賃が1万円前後となります。いずれも、予約不可、当日に空席がある場合のみ適用となります。

 ANA、JALを使う際にお勧めしたいのはラウンジです。マイレージの上級会員でなければ、利用するのは有料(JALが3000円、ANAが3100円/要事前予約)。ただし、利用時間に制限がなく、飲み物はアルコールも含めて無料。新聞なども置いてありますし、ビジネスマンが羽を伸ばす様を見物しつつ、くつろぐのもいいのではないでしょうか。

スカイマーク、スターフライヤー、LCCも使い方次第

羽田空港にて

 羽田~関西空港便にはスカイマークとスターフライヤーの2社も就航しています(羽田~神戸便はスカイマークが就航)。両社とも、JAL、ANAより料金は低めに抑えていますし、大学生向けの料金をスカイマークはU21割、スターフライヤーはスターユースをそれぞれ設けています。どちらもJAL、ANAと違い、事前予約が可能で1万円前後となっています。

 スカイマークは茨城空港~神戸空港便も就航させています。事前予約で便によっては6100円と安くなることも。東京駅から茨城空港直通の高速バスがあり、飛行機利用であれば片道500円という安さ。このルート、私も試したことがありますが、ネックは移動時間でしょう。東京駅からの高速バスが1時間40分、飛行機が1時間20分前後。諸々考えるとそこまで安さを感じませんでした。

 成田空港~関西空港便にはLCC(格安航空)の4社(ジェットスター、ピーチ、バニラエア、春秋航空日本)が就航しています。料金は6000円台から9000円程度と安くなっています。LCCは安いのですが、その代わり、持ち込み荷物量が制限されます。それから、もし、間に合わなかった場合、JAL、ANAだと振替が効く場合があるのですが、LCCだと振替できず買いなおすことになりがちです。東京都心から成田空港、関西空港から大阪都心まではそれぞれ1時間程度かかるのも計算に入れておくといいでしょう。

夜行バスは寝るしかない

 就活生の定番と言えば、やはりバス。それも就活生なら夜行バスです。夜のうちに、移動するので宿泊費がかかりませんし、バスによっては新幹線・飛行機より安いのも魅力です。もっとも狭い4人掛けだと、片道2000円を切る会社も。3人掛けで6000円から8000円前後。2人掛けで1万円から1万2000円前後。

ドリームルリエ号

 夜行バスのネックは、車内環境です。4人掛けでそれも満席だと、かなりの圧迫感があります。3人掛けでも前席が極端にリクライニングを下げてくると圧迫感を覚えます。乗車するとしばらくしてから消灯します。消灯すると、スマホの操作も含めてやめるしかありません。では寝るしかないか、と言えばそうともいかないのがバスのネックです。と言うのも、乗務員の交代・休憩のために数時間ごとに停車するのですが、そのたびに電灯がつき(あるいは隣席の客が移動するため)、結局は起こされることになります。熟睡するためには、耳栓やアイマスクなどは事前に用意した方がいいでしょう。睡眠が浅い、という方であれば入眠誘導剤も買っておくべきです。VIPライナーは東京、新宿、京都、大阪などにラウンジを開設。

 就活生でVIPライナーサイトから予約、利用した場合、ラウンジの利用は無料です。乗車前も到着後も利用できるので、身だしなみを整えるなどすることができます。VIPライナー以外でも、夜行バスだと、長時間の乗車でスーツはしわができやすくなります。スーツは別に持参して、到着してから着替えるようにしておきましょう。

宿泊費を考えれば安い? 個室の夜行バス

 ニーズの多様化に伴い、夜行バスにも個室を設けるバスが登場しました。両備バス・関東バスのドリームスリーパー号、JRバスのドリームルリエ号・プレシャスクラスです。まず、JRバスから。ドリームルリエは2017年3月から運航開始。イメージキャラクターに、AKB48の横山由依を起用するなど力を入れています。

ドリームスリーパー号

ドリームスリーパー号の車内。完全に座席が個室として独立

 私も8月に乗車したのですが、この「ドリームルリエ」は3列シートのアドバンスクラスと個室のプレシャスクラスに分かれます。プレシャスクラスは通路と後部座席との間に仕切りがあり、個室そのもの。消灯後も、パソコンをつけようがスマホを操作しようが全く気になりません。コンセントも用意されています。料金は東京~大阪間で1万4000円。ドリームルリエ・プレシャスクラスよりすごいのがドリームスリーパー号です。こちらは全席個室。定員はわずか11人。料金は1万5000円~2万円と新幹線よりも高くなっています。

 バスに乗るときはなんと土足厳禁。乗降口で袋を渡され靴を脱いで乗車します。乗車すると、ドリームルリエ・プレシャスクラスよりも個室として独立。プライベート空間が完全に確保されています。こうした豪華な夜行バス、料金はかかりますが、宿泊費を考えればむしろ安い、と言えるかもしれません。東京・大阪間はこのように交通手段が多岐にわたっています。懐具合やスケジュールに合わせて利用するといいでしょう。