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[ career-働き方 ]

卒業までにやっておくこと2018(1)野村総合研究所の宮崎真志さん
「理系も研究以外に挑戦を」

卒業までにやっておくこと2018(1) 野村総合研究所の宮崎真志さん「理系も研究以外に挑戦を」

 内定得て来年就職を控えた皆さんに、先輩社員からのメッセージをお届けします。残された学生生活を有意義に過ごすために、いま何をすればいいのか。第1回は、野村総合研究所の宮崎真志さん(27)です。

――現在はどういう仕事をしていますか。

宮崎真志(みやざき・まさし)さん 2015年、早稲田大学大学院創造理工学研究科経営システム工学専攻修士課程修了、野村総合研究所入社。グローバルシステム4部を経て、16年4月から証券ホールセール事業二部所属。趣味は学生時代から続けているスキー

 「入社以来、エクイティフロントシステムを担当しています。エクイティとは株式や先物のことですが、その取引のシステム構築・運営に携わっています。顧客企業に常駐しているので、いつもはこの本社には来ていません。顧客のニーズに応じてどういうシステムがいいか設計・提案し、プログラマーに指示を出してシステムを完成させます。システムが稼働してからも、トラブルに対応したり、必要に応じて改修に取り組んだりします」

 「顧客のニーズを聞いてどのようにシステムを改善すればよいか考え、開発部門のプログラマーに指示を出したり相談したりしながら、よりよいシステムをともに作り上げていく仕事で、手応えを感じています」

長期インターンでIT志望に

――どんな大学時代でしたか。

 「学部・修士課程で勉強したのは経営システム工学で、特に社会シミュレーションが専門でした。口コミや評判などがどう広まり、どう人間の行動に関わってくるのかを計算して求めようとするものです」

――学生時代に特に力を入れたことは何ですか。

社内のカフェで。普段は顧客企業に出社しているので、実はあまり来ることがないという

 「スキーサークルに入っていました。30チームぐらいのリーグで、最下位に近い弱いチームでしたが、結構本気で打ち込むようになり、冬には2カ月ぐらい『山ごもり』しました。3年で主将になってからはリーグで3位の成績をあげたこともあります」

 「他にはいろいろバイトをしました。事務のアシスタントをしたときは、エクセルのマクロなどを使って計算できるようにして喜ばれました。そのとき、『現代はIT化が進んでいるといっても、誰でも基本的な知識があるわけではないんだな』と意外に思いました。そして自分の勉強しているITを社会に活かす技術が、もっと役立てられるのではないかと感じました。それが今の仕事にもつながっていると思います」

――インターンは体験しましたか。

 「修士1年の夏に、野村総合研究所のインターンに参加しました。当時開催されていたのは2週間にわたって現場に配属されるもので、社員の人々の実際の仕事に接することができました。現場でトラブルが発生したとき、それまで普通に仕事をしていた社員の人たちが、さっとホワイトボードに集まってキビキビと作戦会議を始めた姿に驚き、さすがプロだなあと思いました」

――就活はどのように進めましたか。

 「ITとコンサルティング業界を中心に活動しました。他の会社の内定ももらいましたが、ITなら野村総研が一番だと思っていて、インターンでの仕事の内容も、働いている人の印象もとてもよかったので、野村総研が第一志望でした」

――理系学生は面接などでコミュ力に自信がないという人もいますね。

 「修士課程まで進んでいれば学会での発表などもあるし、人前で話をすることには慣れているはずなので、理系文系というよりはその人しだいだと思いますが...。ただ私も面接に自信がなかったので場数を踏もうと思い、少しでも興味のある会社に幅広くエントリーして、野村総研を受ける前に20回以上面接を受けました。面接で何度も話していくうちに、無駄に緊張もしなくなるし、自分の長所や考えもまとめられるようになるのでよかったです」

内定後は企業でのバイトで自分の適性を確認

――内定後は何をしていましたか。

 「研究とスキーが主ですが、他にはいろいろなバイトをしました。コンサルも志望業界のひとつだったので、そちらに進んでいたらどんな仕事をしていたのか知りたいと思い、外資系コンサルでバイトをしました。言われている通りハードでやりがいもありそうでしたが、1カ月とかの短期間のプロジェクトで集まって、チームでわーっと集中してまた次、というサイクルよりは、ITのようにもっと長期的に関わっていける仕事が自分には合っていると確認できました」

 「他には証券リサーチのアシスタントをしました。企業の投資家向け広報資料の読み方、厳密性が求められる投資リポートの書き方など、とても勉強になりました。ただ自分はやはり、顧客の反応を直接感じ、ともにシステムを作り上げていく仕事の方が向いていると思いました」

 「会社に入ってしまうと、他の会社で働くという経験はなかなかできません。バイトという形で働いたことで、他の業界がどのような仕事をしているのか、自分はどういう仕事に向いているのかがよくわかって、とても有意義でした」

「時間がない」はずはない!

――就職の決まった理系の学生に、何かアドバイスはありますか。

本社の壁の棚には経済・経営書がずらりと並ぶ

 「理系で修士卒で就職する場合、修士1年で就活したら、あとは卒業まで研究に集中しろ、というプレッシャーがある研究室も多いかもしれません。真面目な学生はその通り研究だけの生活になりがちですが、博士課程に進むのでなければ、研究しかせずに卒業してしまうのはどうかと思います」

 「理系の院生はよく『研究で忙しい』と言いがちですが、今忙しいと言っている人は、会社に入ったら間違いなくもっと忙しいです!(笑) 研究に追われていても、社会人に比べれば、学生時代がいちばん時間があるはずです。自分の場合は企業でのバイト経験で自分の適性を確かめられたことが有益でしたが、長期旅行でも遊びでもいいと思います。なんとか時間を作って、学生時代にしかできない経験をしておくと、社会に出ても役立つのではないでしょうか」
(聞き手は糸屋和恵)

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