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[ career-働き方 ]

卒業までにやっておくこと2018(2)全日本空輸の前田文哉さん
目標を決めて何かに挑戦しよう

卒業までにやっておくこと2018(2) 全日本空輸の前田文哉さん 目標を決めて何かに挑戦しよう

 厳しい就職戦線を乗り切って内定を勝ち取った就活生の皆さんに、先輩からのメッセージをお届けします。残された学生生活を有意義に過ごすために、「卒業までにやっておくこと」の第2回は、全日本空輸(ANA)入社2年目で、現在、羽田空港のグランドスタッフ業務に就く前田文哉さん(24)です。

ジュニアパイロット経験が導く

前田文哉(まえだ・ふみや)さん 京都府出身、立命館大学国際関係学部卒。2016年、全日本空輸入社。ANAエアポートサービスに出向し、旅客サービス部旅客サービス課に所属。学生時代は体育会ラクロス部で活躍。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学への留学経験も。

――まずは現在のお仕事の内容について、教えてください。

「ANAエアポートサービスの旅客サービス部に所属し、羽田空港の国際線ターミナルでグランドスタッフの業務に就いています。具体的には国際線のお客様の搭乗手続きを行い、最後のゲートで改札をして、飛行機のドアを閉めるまでが仕事です」

「ANAではグローバルスタッフ職事務系(いわゆる総合職)で入社すると、多くの場合現場の仕事を覚えるために、まずグランドスタッフや予約センターの業務などに配属されます。グランドスタッフでは羽田や成田、関空など主要な空港で働いています。羽田は24時間空港なので、私の場合は早朝6時から昼過ぎまでと、昼過ぎから深夜までのシフトで4勤2休の体制で勤務しています」

――航空業界に就職したいと思ったきっかけは。

「小さい頃から飛行機にはお世話になっていました。京都生まれなのですが、父の仕事の関係で小学校から高校まで札幌市に住んでいました。でも父が単身で次の転勤先に赴任したので、小学生の時でもよくひとりで飛行機に乗って父に会いに行きました。ANAにはジュニアパイロットといって、子供がひとりでも利用できるシステムがあるんですね。人と人をつないでくれる航空会社って素敵だな、と次第に思うようになったのです」

ラクロスで学んだチームワーク力

羽田空港国際線ターミナルで搭乗手続き業務などに携わる

――でも航空業界は人気が高い。就活は大変だったのではないですか。

 「そうですね。大学時代は体育会のラクロス部に所属して試合にも出ていましたので、そこでの経験を志望動機でも話しました。関西でもトップクラスのチームで日本一を目指していたのです。明確な目標に向けてチームの一人ひとりがそれぞれのポジションで成長することがチームの成長につながる。これはそれぞれの部署でチームワークを発揮して飛行機を飛ばす航空会社にも通じることなんじゃないか、と訴えました」

――今後はどんな分野に進みたいですか。

 「海外の航空会社とアライアンスの調整などをする国際提携の仕事をしたいですね。やはり海外業務への憧れはあります」

――ご自身の海外経験は。

 「大学2年の夏から1年間、大学の留学制度を利用して、カナダのバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学に留学しました。途上国支援をテーマにしたポロティカルサイエンスを主に学びましたが、この大学のラクロス部にも参加したんです。カナダはラクロス発祥の地なんですよ。本場の戦術を学んで、帰国後は自分のチームの戦術に生かしました」

新渡戸稲造の「武士道」が心に響いた

――就職が決まって卒業までの間はどう過ごされましたか。

 「ラクロスの試合が12月まであったので、それまではラクロス漬けでした。年が明けて卒業までの3ヵ月間には、やはり英語の勉強をしましたね。会社が社内用の教材を送ってくれたので、それを使いました。もうひとつは読書で、それもやや古典に近いものを読みました。特に新渡戸稲造の『武士道』をしっかり読んでみました」

 「『武士道』は『礼』や『義』、『仁』などの考え方を重視しており、なにか自分の生き方とも繋がっているのではないかと思います。原著は英文なのですが、私の読んだ本では日本語の対訳もついていたので、英語の勉強にも役立ちました」

――今の大学4年生に対して、卒業までいやっておいた方がよいことをアドバイスしてください。

 「学生時代にできることをやり残さないで欲しいですね。私の場合はやはり部活動で、最後の試合が終わって引退した後も、後輩の指導などで顔を出しました。まだ何か伝えきれていなかったことがあるように思ったからです。私は完全にフリーな時間は3ヵ月間でしたが、これでも社会人になったらなかなか取れない時間ですよね。何か具体的な目標を決めて、挑戦してみたらどうでしょうか」
(聞き手は若林宏)

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