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明大生、ベトナムで文具を売る(3)より多くの文具を売るには
どうすればいいのか

authored by 明治大学"ジャパネット冨田"
明大生、ベトナムで文具を売る(3) より多くの文具を売るにはどうすればいいのか

 シンチャオ! ジャパネット冨田の大谷遼と申します。今年も終わりにさしかかって参りました。寒い冬を感じる中、ベトナムでの暑さが恋しくなってきたそんな大谷が書いていこうと思います。よろしくお願いします。

 「また早くベトナム行きたい......」。

 さてさて、前回2回目の連載では私たちがベトナムで販売する商品選定から決定するまでの過程について紹介しました。そして決定したのは、万年筆! スティック型のテープのり! 和柄のマスキングテープ! 私たちの努力が形となって生まれてきたものがこの3商品です。この3回目の連載ではこの商品たちを集める作業から始めていきます。それではみなさんお楽しみください。

ベトナムの「物価」の安さを攻略するには?

 しかし、現実はそんなに甘くなかった。私たちがぶつかった壁はベトナムの「物価」の安さです。ベトナムの物価は日本の約3分の1なんです。日本の文房具は私たちにとってお手頃な買い物でもベトナム人にとっては決してリーズナブルではありません。みなさんは突然高額な商品が店に置かれていたら買いますか? たぶん買おうとは思わないと思います。そこで私たちは3つの方法で解決を試みました。

1. 価格設定「どのくらいの値段で販売するか」

「販売価格をできるだけ下げよう」。そのため極力安く商品を仕入れるために様々な努力をしました。1番単純にして1番難しいことだったことかもしれません......。商品を生産している工場に電話して直接値下げ交渉を試みるも失敗したり、どこで買えば利益率が良いかチーム4人でパソコンとにらめっこしたり、実際に何十もの文房具店に足を運び価格の比較をしたりと。これらは本当に単純なことですが、どのチームよりも力を入れた自信があります。今思えばこれが最終的な勝負の決め手だったかも(笑)。しかし力を入れすぎた分、全ての商品を仕入れるまでに時間がかかってしまい、この時の私たちは相当焦っていました。ベトナムにいけないんじゃないかと......(笑)。

2. 販売促進「どのように販売するか」

最終的には桜の木の完成が完成するというものです。ちゃっかり日本らしさを表しました!

 「私たちの商品を大勢のベトナムの方々に知ってもらいたい」。では何をすれば知ってもらえるか。そこで私たちはワークショップを開催することにしました。ワークショップとは実際にお客様に商品を無料で体感してもらい購買意欲に繋げる方法です。販売する3種類の文房具それぞれにワークショップを用意してお客様と楽しみながら販売できたらいいなと期待を込めながら計画しました。

1つ目は、万年筆の試し書きです!! 書く文房具は書いてみないと分かりません。ペン先のこだわりや書きやすさを分かってもらうためにもベストな案でした。ベトナムでの万年筆の試し書きはあまりないそうで効果抜群です。またこの万年筆は詰め替え式ですので、インクがなくなった時の替え方などもジェスチャーで伝えられるように練習をしました。"万年"書ける"筆"がインクがなくなったら取り替える詰め替え式になるとは、どこか不思議でおもしろい発想ですね(笑)。

試作品第1号。かわいいでしょ??

 2つ目は、テープのりの試し貼りです。ベトナムではテープのりという存在が珍しく、伝わりにくいことが予想できました。そのため私たちが身振り手振りで使い方を説明してお客様にも体験してもらおうと考えました(ベトナム語で説明するのは難しいのです)。桜の形に切った紙に今年の目標などを書いてもらい、木を書いた絵に貼ってもらうことにしました。

 3つ目は、マスキングテープを使用したサンプルの展示です! マスキングテープの実用性を理解してもらうために私たちがサンプルを作成してお客様に少しでも興味を持ってもらおうと努力をしました。意外と細かい作業をすることが好きな私にとって、この作業をしていくうちに自分用のマスキングテープが欲しくなってしまいました(笑)。

3. 付加価値をつける「また買ってもらうためには?」

 「リピート客を増やすにはどうすれば良いか」。私たちの販売期間は2日間あったため、1日目に来店したお客様には2日目にも来店して買ってもらい、利益を上げようと思いました。そこで考えたのが「スタンプカード」です! 商品を買ってもらったらスタンプが貯まり、2日連続で買って頂いたお客様には日本感のある消しゴムをおまけとしてプレゼントするというものです。実はこのベトナムのインターンシッププログラムは昨年度も開催されており、その際スタンプカードに対する人気と効果が高かったそうです。スタンプカードの概念が定着していないという不安は多少ありましたが、ここは思い切って実行に移しました!

手作りのスタンプカード、だるま君

 ここまで全てを通して共通している事! それは「お客様へ商品の魅力を伝える方法は決して言葉だけではない!」ということです。日本もベトナムもお互いに母国語が違う中、どれだけ伝えられるか。たとえ言葉が通じなくてもジェスチャーをしたりアイコンタクトをしたり、時には表情で必死に伝えたり(特に私は英語も苦手だったので。笑)。

 ここまで何とか商品を全て仕入れて、お客様に対しての売り方も考えました。しかし、私たちの考えたこの企画はプログラムを開催している企業に理解して頂いて、許可がおりなければ現地で販売することはできません。元も子もないのです。

誰もが見ても分かる企画書を

 私たちは企業に対して、企画内容を伝えるために20枚程度のパワーポイントをチームで役割分担しながら作成しました。口頭では伝えることができても、改めて文字に書き起こすとなかなか伝えにくく苦戦をしました。メンバーそれぞれ忙しくテスト期間の中、心を鬼にして頑張り、何とか完成して提出したのです。

 結果は......、OKのサインでした(しっかりフィードバックは受けつつ)。とりあえず一安心、なんてヒマもなく次のミッションへ突入です。それは「ベトナム店舗への企画書提出」です。今度は企業ではなく実際に私たちが販売する店舗へ企画書を提出しなければいけませんでした。企業に出した企画書と内容はほぼ変わりませんが、全てを英訳しなおして提出しなければなりませんでした。

伝わりやすくするためイラストなども使い、誰もが見ても分かる企画書を目標としました

ここで問題なのは、私たちは日本語から英語へ、現地の方は英語からベトナム語で解釈しようとするため、小さな内容のズレが大きなズレとなってしまう恐れがあることです。そのため、さらに分かりやすく簡潔な企画書が求められました。意見の引き出しが多い私たちですが、意見をまとめる能力は乏しいチームでもあったため、だいぶ苦労しました(笑)。

ジャパネット冨田、ベトナムへの荷物整理完了

左下が筆者

 商品の仕入れや販売方法の試行錯誤、企画書の作成と短期間でしたが、悔いを残さずに取り組むことができ嬉しかったです。どんなに忙しい時でも、いかに努力するかで結果は180度変わってくることを体感しました。時間は「ある」とか「ない」とか、そういう問題じゃないんですね。時間は「作る」ものだったのです!!

 ということで、今回はここまでとさせて頂きます。次回予告「ベトナム出発直前、最終ミッションへ挑む!」。乞うご期待!!