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チェック!今週の日経(32)バーガー戦国時代へ
バーガーキングが新体制

authored by 日経カレッジカフェ 
チェック!今週の日経(32) バーガー戦国時代へバーガーキングが新体制
バーガーキングは運営体制を刷新し、巻き返しを狙う

 日経の研修・解説委員や日経カレッジカフェの編集スタッフが、この1週間の日経電子版や日本経済新聞から企業ニュースを中心にピックアップし、解説する「チェック!今週の日経」。総選挙は与党の大勝で決着しました。選挙戦とは別の、大きな競争が動き出しそうなのが、学生の皆さんにもおなじみのハンバーガーチェーンです。今回は、ハンバーガーチェーンをめぐる最近の動きに注目したニュースを紹介してみましょう。

バーガーキングが経営体制見直し

紙面
10月17日朝刊

 10月17日朝刊の16ページ、企業2面のトップ記事は、世界第2位のハンバーガーチェーン、バーガーキングのニュースでした。

バーガーキング、日本事業をファンドに譲渡 韓国ロッテから、成長へテコ入れ(10月17日)

 米国のバーガーキングが日本事業の運営権を香港の投資ファンドのアフィニティ・エクイティ・パートナーズに譲渡したことを伝えるニュースです。この投資ファンドが日本事業を運営するために、BKジャパンホールディングスを設立、この新たに設立された投資ファンドの子会社が日本事業の事業戦略を考え、展開していくことになります。

バーガーキングの店舗
全国展開は道半ば。京阪神でも12店舗にとどまる(なんばセンター街の店舗)

 バーガーキングは世界全体では1万6000店を有し、マクドナルドに次ぐ第2位のチェーンですが、日本市場ではわずか98店です。首都圏に住んでいれば、知っている人もいるでしょうが、未進出の県も少なくなく、名の通ったハンバーガーチェーンとしては物足りない規模です。2015年、「ビッグ」という名前が付いた商品か、そのレシートを持参すれば一部商品の価格を割り引くというキャンペーンを実施して話題になりましたが、次々に新商品や季節限定商品を組み合わせたキャンペーンを仕掛ける日本マクドナルドに比べると、質・量ともに見劣りする印象です。1位のマクドナルドが約2900店、2位のモスバーガーが約1350店で、3位のロッテリアが約400店。3位の4分の1ほどの中規模チェーンに甘んじている現状は、満足いくものではないでしょう。そうした観点から運営体制を見直す決断にいたったのです。運営権を取得したアフィニティは、韓国でバーガーキングを300店運営している実績が買われて新たなパートナーに選ばれました。

マック急回復が刺激、他チェーンも動く

マクドナルド
マクドナルドは季節限定商品やキャンペーンで好調を持続する

 米バーガーキングを刺激したのは、日本マクドナルドホールディングスが急速に業績を回復させたことです。2014年に鶏肉偽装問題が起こり、マクドナルドの売り上げは大きく落ち込みました。そこから3年、既存店売上高はこの9月まで22カ月連続で前年同月を上回り、2017年12月期の決算では過去最高益が見込まれています。業績回復を受けて来期からは新規出店を加速する方針です。このままではさらに差は開くばかりで、バーガーキングとしては抜本的な対抗策を打つ必要があると考えるのは、当然のことでしょう。日本のハンバーガーチェーン市場の成長余地がマクドナルドのV字回復で再発見されたわけです。

 対抗策を打つ必要があるのはバーガーキングだけに限りません。業界全体の動きを伝えているのが翌18日朝刊に掲載された次の記事です。

バーガー戦国時代再び キング、米主導で大量出店 市場縮小も広がる強気(10月18日)

 バーガーキングのニュースの解説記事ですが、他の大手ハンバーガーチェーンの戦略にも触れています。フレッシュネスバーガーの運営会社を買収したコロワイドは、現在の160店舗を20年度に200店に拡大する考え。ウェンディーズ・ジャパンが買収したファーストキッチンは2つのブランド名を付けたコラボ店「ファーストキッチン・ウェンディーズ」を現在の20店から100店に増やす考えです。

ファーストキッチン・ウェンディーズ
ウェンディーズはファーストキッチンとのコラボ店で攻勢をかける
フレッシュネスバーガー
フレッシュネスバーガーも出店戦略を拡大する

 各社の出店攻勢がぶつかり合う状況ですが、記事では、「各社を触発したマクドナルドの復活は不採算店を絞った結果だ。経営環境が好転したわけではない」と指摘しています。続けて日本のハンバーガーチェーンの歴史をひもとき、1990年代にマクドナルドと2位のモスバーガーが出店合戦を繰り広げた挙句、2000年代初めには「大手から中堅まで大量の不採算店を抱えていた」と、供給過剰に陥った事態を振り返っています。そこからの10年でマクドナルドだけでも1000店もの不採算店を閉鎖したからこそ、今の好業績があるといってもよいのです。

 「ファストフード市場は16年に4年ぶりのプラス成長に転じたものの、勢いは鈍い。少子化で人口が減れば当然、市場は縮む」「過当競争がこのまま進めば客に飽きられるリスクも高まる」と記事は結んでいます。少子化でハンバーガーを好む若い世代が減少傾向なのも、気になるところです。ハンバーガー市場やファストフード市場がより活性化するのか、それとも過当競争から再び冬の時代を迎えるのか、これからの数年間で答えが出ることになりそうです。

(企画委員 水柿武志)

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