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ラブレターを書こう!

簡潔にわかりやすく書くコツ(7)

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NIKKEI STYLE

文章トレーニングをしながら受講生に「ラブレターを書いたことはありますか」とよく質問する。

20代の若者からは「書いた」という声を聞いたことがない。40代から50代の中年層も、ほとんどが書いていないという。この世代にして、書いたという人は20人に1人いるかいないか程度だった。

現代の若者文化の中に"ラブレター"がない!!??

「それはそうだろう」と思う。今は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコンと、いろいろな便利な機器、ソフトがありコミュニケーション手段は高度化され、意思伝達は瞬時にできる。

そのハイテク社会にあって、好きな人、恋人に悠長に手紙で連絡をするなどとは時代錯誤。どうして、そんな面倒なことをするのかと逆に問われることだろう。

たしかに、利便性を考えたら、その通りだ。

しかし「もったいない」と思えてならない。

若いあなた方が、一度しかない貴重な青春時代に、ラブレターが与えてくれる、あの胸のときめきを知らないなど...。

やはり、もったいない。

粋じゃないね!

好きな人、密かに思いを寄せる人に、自分の思いを伝えたい、自分に関心を持ってほしい、好いてほしい、その一心で自分の字で便箋に思いを綴る。

思うように書けず、書いては捨て、書いては捨てる。

その間、相手の顔が浮かんでは消え、また浮かぶ。思いは募るばかり。

いくら書いても内容に満足しない。

やがて自分の字が気に入らないと書き直す。

あっと気がついたら、便箋が無くなっている。

投函したら、したで「もう届いたかな」「読んだかな」「どう思っているのだろうか、返事はくるのかな」と、どきどき、はらはらしながら、相手に思いを寄せる日々を過ごす。

待てど暮らせどこないと、だんだん気が沈む。

返事がくると、どきどきしながら封を切る。

読む。

食い入るように真剣に読む。何遍も読み返し、行間からにじみ出てくる相手の感情を汲み取ろうとする。

また、便箋に向かって筆を執る。

ラブレターは相手を思いやりながら書く究極の文章

コミュニケーションは双方向の情報のやりとりである。一方的に発信し、意味がよくわからない内容では意思疎通などできない。

相手を理解し、相手を思いやる態度、心がなくては成り立たない。相手を思いやり、自分の伝えたいことをいかに上手に表現するか、その究極の文章がラブレターなのである。だから書いてみなさいと勧めるのである。

さて、いざ書くとなると「字が下手なので恥ずかしい」と尻込みする人が多い。

これがまた考え違い、人間であることを理解していないのである。

この際、美文字など要らない。

「書」と「文章」は人格そのものなのだ。個性であり、人柄なのである。

要は、心を込めて丁寧に書くこと

要は丁寧に書くこと、心を込めて書くことだ。それで十分なのである。友人や好きな人から手紙をもらい、字が上手いか下手かを品評しますか?誰もしやしない。

それよりも便りをくれ、自分に心を懸けてくれた行為に対し「嬉しい」と感ずるはずだ。個性的な肉筆の字に、パソコンで印刷した美文字にない何とも言えないぬくもりを思わず感じ取り、相手の顔が思い浮かぶ。それが愉しいのである。嬉しいのである。

これが人間同士のコミュニケーションの原点なのだ。そこを見失っている人が多い。

他人と上手くコミュニケーションができず、人間関係に悩む若者が多いと聞く。引きこもり、鬱病の大きな原因の一つともいう。

本屋を覗いてみると、コミュニケーションを上手くするにはどうしたらよいのか、対人関係をどのように上手く図るのか、精神疾患に対してはどう対応したらよいのか、といった類のハウツー本が山積みしてある。

30年、40年前にはこんな現象はなかった。

人間は本来、群れをつくって生きる存在であり、人間同士のふれあいの中で相互に理解し合い、生存を図り、心の安寧を確保して暮らすものだ。

時には、ゆったりとした安息の時間を過ごす必要もある

若い人達がコミュニケーションを上手くとりたいというのは、より良く生きたいと願う人間の本能の発露でもある。実に健全な精神といえよう。

デジタル時代に入り、通信のデジタルデバイスは多様化された。これからも激しく変化するだろう。しかし、それらは、あくまでも人間が使う道具に過ぎない。

デジタルネイティブのあなたたちはそれを縦横に駆使できるスキルフルパーソンだ。道具に振り回されず、それらを上手く使い分け、人間性を維持する賢い道具の支配者でなければならない。

まもなく社会人、企業人になるあなた方はこれから縦社会、横社会の複雑な人間関係の中で生きていくことになる。付き合う世界が広がる。

その中でより良く生きていこうとすれば、他人とのコミュニケーションをいかに上手く取り、人間関係を築いていくかイヤでも問われてくる。

相手を思いやり、相手の立場に立って考え、自分の考え、思いを簡潔にわかりやすく言葉、文章で伝えられれば、しなやかに逞しく生きていける。

さあ、好きな人に手紙を書いたらいかがですか。

=連載は今回で終了します。

残業ゼロのための N式 文章の基準

著者 : 沼田 憲男
出版 : 日経BP社
価格 : 1,728円 (税込み)

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