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秋の夜長に泊まりたい
「星空」が美しい宿10選

秋の夜長に泊まりたい「星空」が美しい宿10選
心揺さぶる満天の星空。その美しさは言葉では言い尽くせない。
南北に長い日本の夜空は、場所や季節で様々な表情を見せる。
空気が澄む秋に訪れたい、星降る宿をランキングした。

 空気の透明感が増す秋は、星空を眺める絶好の季節だ。星空を観光資源として打ち出す自治体も増えており、新たな体験型旅行として注目されている。星空が美しい場所には温泉のある場所も多く「夜空に温泉にと楽しみ方も一石二鳥」(トラベルズー・ジャパンの新居奈津子編集長)だ。

 南阿蘇ルナ天文台・オーベルジュ森のアトリエの宮本孝志・天文台長は「星空を見て感動するのは、人類が誕生したときから持っている本能的な感性」と説明する。上位に入った宿は解説員付きの観察会などが充実しており、初心者でも十分楽しめる。

 「どんな星や星座が見えているかがわかると、もっと楽しくなる」(ビクセンの藤田彩香さん)。空が暗さを増す新月に近い時期を選ぶことや、夜間外出が可能な宿かどうかを確認するなど、事前の情報収集も怠りなく。秋の夜長に星空を堪能しよう。

1位 南阿蘇ルナ天文台・森のアトリエ 640ポイント
草地に寝転び心ゆくまで(熊本県南阿蘇村)

 人工の光を遮る阿蘇山の外輪山の内側という恵まれた立地を生かしたオーベルジュ。九州最大級、口径82センチの望遠鏡がある天文台や4K投影システムを使ったプラネタリウムを備える。

 敷地内の草地に寝転がりながら満天の星空を長時間眺めるプログラムは、熊本地震をきっかけに構想を練り、今夏から始めた新サービスだ。従業員は専門知識だけでなく客を引き込む話術も身につけており「星を思いっきり楽しむことに特化した宿」(前田徳彦さん)。

 「一緒に来た家族や友人にもいい思い出を作ってほしい」(宮本孝志・天文台長)という方針通り、ゆったりとした客室や地元の食材を使った料理、おとぎ話に出てきそうな中庭などが日常生活を忘れさせてくれる。九州だけでなく首都圏からも訪れやすいのが特長で、10人中9人の選者が選んだ。コーヒーやお酒が楽しめるプラネタリウム喫茶もある。

(1)1万1800円(2)熊本空港からタクシーで約1時間(3)0967・62・3006

2位 清里高原ホテル 500ポイント
天文台で毎夜観察会(山梨県北杜市)

 八ケ岳山麓は東京から近い天体観測地として人気が高い。ホテル周辺は国定公園に指定されているため街灯などが少なく、星空観察にはいい環境だ。4階に天文台を備え、天体望遠鏡を使った30分の星空観察会を毎日4回開いている。夜間の出入りは自由で、懐中電灯やダウンジャケットの貸し出しもある。

 ほとんどの部屋から富士山やアルプスが見える景観の良さに加え「天文台を備える宿の中でラグジュアリー感はピカイチ」(景山えりかさん)。ひのき造りの露天風呂からも星空が見え「リゾートホテルとして施設が充実していて家族連れでも安心」(川口雅也さん)。「新宿からの直通バスがある」(新居奈津子さん)。

(1)1万4800円(2)JR清里駅から送迎バスで約5分(3)0551・20・8111

3位 はいむるぶし 490ポイント
沖縄の空も海も堪能(沖縄県竹富町 小浜島)

 多くの選者が「別世界」と絶賛する沖縄の星空。「はいむるぶし」とは沖縄の方言で南十字星を指し「その名の通り、星をめでるためにあるホテル」(河村亮太さん)。

 夜の砂浜に横たわり、国内最多の84の星座やすべての一等星など「満天の星空を独り占めできる」(石川愛里さん)。「天の川は大迫力」(大下孝枝さん)。ヨガやスパ、カヌー、発酵食などのサービスも充実し「滞在するだけで星、海、空、食すべてを堪能できる」(林美由紀さん)。電動自転車を使った島めぐりも楽しい。NHKドラマ「ちゅらさん」の舞台となった小浜島にある。

(1)2万9000円(2)新石垣空港からバス、定期船を乗り継ぎ小浜港から送迎バスで5分(3)0980・85・3116

4位 湯元ホテル阿智川 460ポイント
ゴンドラでもっと夜空の近くへ(長野県阿智村)

 阿智村はホテルの玄関先からも流れ星が見えるほど恵まれた環境。2006年に環境省が認定する「星が最も輝いて見える場所」1位に選ばれた。村をあげて星空観光に取り組み、宿泊者は地元協議会主催の様々なツアーに参加できる。

 人気のナイトツアーは所要時間15分のゴンドラで標高1400メートルまで行き、ガイドの解説や望遠鏡で星空が満喫できる(期間限定)。防寒具の貸し出しもある。ホテルは昼神温泉郷にあり「巨岩をくりぬいた洞窟風呂や奇岩大露天風呂が圧巻」(林さん)。露天風呂からも星空が楽しめる。

(1)1万6200円(2)JR飯田駅からタクシーで約30分(3)0265・43・2800

5位 志摩観光ホテル 380ポイント
JAXA職員が案内人(三重県志摩市)

 リアス式海岸が美しい伊勢志摩国立公園内にある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員が案内人として星空を解説する。観察会は敷地内で開くため高齢者も気軽に参加でき「星を知らなくても日々の疲れを癒やしてくれる」(藤田彩香さん)。サミット会場になった格式や豊富な食材がウリ。熊野古道など周辺観光も。

(1)12万600円(2人分)(2)近鉄賢島駅から無料バスで2分(3)0120・333・001

5位 沖縄エグゼス石垣島 380ポイント
専用スペースで鑑賞(沖縄県石垣市)

 沖縄の星空は桁違いの迫力で「澄んだ空気と緯度の関係で星が低く近く見える」(河村さん)。有料ツアー参加者だけが入れる専用スペースを用意し、説明を聞きながら「星空浴」を満喫できる。最小でも58平方メートルという広い客室は全てが海を向き「海外のリゾートホテルのようなぜいたくな雰囲気を味わえる」(景山さん)。

(1)3万2000円(2)新石垣空港からタクシーで約10分(3)0120・78・8002

7位 石苔亭いしだ 330ポイント
高級旅館にゆっくり滞在(長野県阿智村)

 星空の美しさで知られる長野県阿智村にあり、「村を一躍有名にした、ゴンドラを使ったナイトツアーに参加できる」(景山さん)。能舞台では琴や和太鼓などが毎晩楽しめる。露天風呂付きの客室やシアタールームなどがあり、「1、2を争う高級旅館との声も」(新居さん)。チェックアウトが正午と遅く、ゆっくり滞在できるのも魅力だ。

(1)3万390円(2)JR飯田駅から無料送迎バスで約30分(3)0265・43・3300

8位 NEMU RESORT 320ポイント
クルージングや月明かりヨガ(三重県志摩市)

 英虞(あご)湾を望む森と海に囲まれたリゾート。「夜間の湾内クルージングなど他の宿では見られない星空ツアーが魅力」(武井咲予さん)。屋外でたき火を囲み、コーヒーやマシュマロを味わいながら星空を眺めるサービスも人気だ。月明かりを背に静寂の中で体験するヨガなどのプログラムも充実し「日ごろの疲れが吹き飛びそう」(景山さん)。

(1)2万3100円(2)近鉄賢島駅から無料送迎バスで約20分(3)0599・52・1211

9位 上高地ルミエスタホテル 230ポイント
絶好の撮影ポイント(長野県松本市)

 1500メートルを超える標高で、自家用車の乗り入れが規制された区域にある。「漆黒の闇と化した上高地で見る星空はまさに天然のプラネタリウム」(河村さん)。星空撮影会に参加すれば「絶好の撮影ポイントで感動の光を切り取れる」(石川さん)。一部の客室は横幅5メートルを超える窓から星空を楽しめ、ソムリエによるワイン会もある。

(1)3万2550円(2)アルピコ交通バス帝国ホテル前バス停から徒歩10分(3)0263・95・2121

10位 琵琶湖マリオットホテル 220ポイント
湖畔の楽しみ盛りだくさん(滋賀県守山市)

 雄大で神秘的な琵琶湖の湖畔に建ち、星空も満喫できる高級ホテル。地元出身の「星のお兄さん」による、笑いを取り入れたプラネタリウムでの星空解説が目玉で「刺激いっぱいの異次元空間が体験できる」(石川さん)。本格的なクロスバイクを使った水辺巡りや琵琶湖でのカヌー体験など「星に興味がない同行者でも十分楽しめる」(藤田さん)。

(1)2万1384円(2)JR湖西線堅田駅から無料送迎バスで約15分(3)077・585・6100

◇  ◇  ◇

 ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。施設名、所在地。(1)2人で利用時の1人分の宿泊料金例(1泊2食、税込み)(2)アクセス(3)問い合わせ・予約窓口。写真は1位高野敦史、2位山田麻那美、4位阿智昼神観光局、5位(沖縄エグゼス石垣島)星空ツーリズム、9位笹原久則、ほかは各施設提供。

 調査の方法 専門家への取材を基に、天体観測ができて居心地がいい宿泊施設37カ所を選出。星空関連サービスの多様性や娯楽性、宿としての上質感、アクセスなどの観点で順位を付けてもらい、集計した。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

 新居奈津子(トラベルズー・ジャパン編集長)▽石川愛里(一休メディア事業部)▽大下孝枝(いこレポ・いこーよ編集部)▽景山えりか(星の文筆家)▽川口雅也(天文雑誌「星ナビ」編集長)▽河村亮太(日本旅行総研研究員)▽武井咲予(星のソムリエ・星空公団)▽林美由紀(JTB中部本社)▽藤田彩香(ビクセン・宙ガール)▽前田徳彦(星景写真家)

[NIKKEIプラス1 2017年9月9日付、NIKKEI STYLEから転載]

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