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考えすぎでインターン・セミナーに参加できない3年生へ

ホンネの就活ツッコミ論(35)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは、「考えすぎで動けない3年生」です。9、10月のインターンシップやセミナーを見学していると、どの企業も参加学生が少ない、と嘆いています。これは売り手市場が続いてどの企業もインターンシップやセミナー、企業コラボイベントなどを開催するようになりました。大学や就職情報会社も同様です。

乱立した結果、3年生からすれば、どれに参加すればいいか、わかりづらくなってしまいました。それから、ちょうど大学祭シーズンということもあり、学生は例年、10、11月に就活イベントへの参加はしづらい、という状況もあります。

ただ、学生を観察していると、多いのが今回のテーマでもある、考えすぎる学生の増加です。先日、関西大の女子学生と話す機会がありました。

「テレビ業界に興味があって」と話すので、ちょうど開催間近だった朝日放送と関西テレビのセミナーを紹介すると、「うーん、まだそこまでテレビ志望というほどでもなく」。さらに、「食品業界にも興味を持っています」と話すので、これも開催間近だった食品業界イベントを紹介したのですが、「食品業界のこともそこまで知らなくて」と参加を渋ります。

この関西大生に限らず、多少興味を持っている業界・企業でもセミナーやインターンシップ、イベントに行くのは躊躇してしまう学生が増えています。理由は「深く知らないから」「もう少し勉強してからでないと行くのが恥ずかしい」。

私は当初、単に欠席する口実、こじつけだろうとみていました。ところが、口実ではなく、本当に恥ずかしいとか、あれこれ考えすぎてしまう学生が多いことが見えてきたのです。

企業側は「知らない学生にこそ、来てほしい」

考えすぎてしまう学生には、どの採用担当者も頭を抱えています。

「今年11月に1日インターンシップを開催しますが、数人来てくれればいい方でしょうね。うちの業界(日用品業界)を志望していてもそうでなくても、まず話を聞きに来てほしいのですが......」

「うちの企業を知らない学生が多いのは当然だし、業界事情についても知らなくて当たり前。基本的な質問をしてくれても構わない。ところが、考えすぎてしまう学生が多すぎて今年は特に集客できない」

私が考えすぎ学生の話をすると、さらに頭を抱えてしまいました。

「最終選考でうちの事業を知らない、というのはさすがにひどい。だけど、選考前の説明会ではどんな事業をやっているか、知らなくて当然。僕だって学生の時は知らなかったし。それを『知らないと恥ずかしいから参加できない』と言われては、どのタイミングなら参加してくれるのだろうか」

別の採用担当者は、ご縁がなかったとする反面、やはり弱気な一面も。

「あれこれ理屈をつけて参加したがらない学生はご縁がなかった、そもそもうちに合わない、と思うしかない。ただ...、そんなことを言っていたら、とてもじゃないが採用計画が達成できそうにない。ご縁がなかった学生をどう巻き込んでいくかが課題」

考えすぎ学生は「選考前選考」の噂を信じすぎ

改めて考えすぎ学生に話を聞いていくと、単なる言い訳、業界・企業研究の遅れ以外に見えてきた部分があります。それが「選考前選考に引っ掛かりたくない」「モチベーションの高い学生に比較されたくない」の2点です。

まず前者から。「選考前選考」とは、説明会・セミナー・インターンシップであれば、その一挙一動を採用担当者が観察。それによって採用の是非が決まっているのでは、とするものです。確かに、説明会やセミナー、インターンシップ、イベントなど、学生の行動や発言から採用したい学生をマークする企業は相当数あります。

逆に、ネガティブな行動や言動を取ってしまった学生はマイナス評価がつき、実際の選考に引きずる可能性もあります。そこで、この「選考前選考」について改めて聞いてみました。結果から言えば、学生が気にするほどマイナス評価とする企業は多いとは思えません。

「インターンシップでいいな、と思えた学生はマークします。早期選考ルートを紹介することもありますし。その逆ですか?多少の失敗、失言は気にしません。たとえば、秋冬のセミナーで福利厚生について質問してきた学生が実際の選考に参加した場合、どう変化したかは見ていきます。就活の序盤で福利厚生を気にする学生が多いのは自然な話。それが選考までにどう変わっていったか、うちで働く意欲を持ってくれるかどうか、そこは気にします」

「そもそもセミナーやインターンシップで学生がそうそう失敗、失言するとも思えませんね。それでも、見るとしたら、性格によるものか、それとも単なる知識不足・経験不足なのか。うちでは模擬グループディスカッションをプログラムに入れています。そこで他の学生をあまりにも小ばかにしているとか、性格から来ているものだと、これはちょっと変えようがない。うちに合わないなら、やめておこうとなります。一方、知識不足・経験不足から来ているならそれは就活をしていくうちに改善していきます。うちだと去年、模擬グループディスカッションで最低評価だったグループから、内定者が出ています」

「負けている」という思いこそ大事

考えすぎ学生が参加したがらない理由の後者、「モチベーションの高い学生に比較されたくない」は、学生の内面によるものです。

「インターンシップやセミナーに参加すると、その企業、その業界にどうしても行きたい、という学生がいるじゃないですか。いわゆる『意識高い系』。そういう学生に負けている、と感じるのがなんか嫌で」

「難関大学の学生とか、すごい学生が多そうで。そういう学生にはどうせ負けるだろうし、それなら先延ばしにしても」

就活が本格化する前のインターンシップやセミナー、イベントなどには、就活へのモチベーションが高い学生が多いのは事実です。普通の学生からすれば、負けている、と思う場面も多いでしょう。私は負けている、という思いをしてもらうためにも秋冬のインターンシップやセミナーには参加してほしいと思います。

高校以前の部活動にたとえれば、秋冬のインターンシップ、セミナー、イベントなどは他校との練習試合のようなものです。大企業・人気企業であれば、強豪校との練習試合とお考え下さい。普通の学生であれば、かなりの確率でぼろ負け。野球であれば、コールド負けをするはずです。

では、なぜ高校の部活では負けるとわかっていても、他校(あるいは強豪校)と練習試合を組むのでしょうか。それは、負けるにしても、負けた経験から得られるものがあるからです。自分のレベルがどの程度か、強豪校はどのレベルにあって、自分たちに足りないものは何か。それをわかるために練習試合を組んでいるはず。

秋冬のインターンシップ、セミナー、イベントも同様です。すごい学生に負けていそう、というのであれば、あえて負けに行きましょう。そのうえで、そのすごい学生から学べるものを学び、自分のレベルアップを図る。その方が、就活は進むはずです。

元・考えすぎ学生は「自転車に乗れない子どもと同じ」

私も数多くの就活イベントやセミナー、インターンシップを取材しています。中には、考えすぎ学生から脱却できた学生も。話を聞いてみると、自転車にたとえた話をしてくれました。

「最初は、どうせ負けているだろう、とか、本気でない自分が行って大丈夫か、と心配でした。実際、夏休みに、ある業界コラボセミナーに参加してみると、その業界を強く志望している学生は半分くらい。残りは『面白そうだから』『複数の業界を考えているところ』『とりあえず就活のきっかけに』など、意外なほどいい加減というか、あっさりというか。念のため参加していた採用担当者に話を聞くと『秋冬あたりまでは色々な業界や企業の話を聞いてほしい』『社会人ならまだしも学生に最初から業界・企業の事情に詳しいことなど期待していない』などの答え。それからは気楽になって、色々と参加するようにしています。最初にイベントやセミナーに参加したがらないのって今思えば、自転車に乗れない子どものようなものですね。転ぶのが怖くて、でも悔しいから『自転車には乗りたくない』と駄々をこねるような。何度か転んで練習していくとそのうち普通に乗れるようになる。インターンやイベント、セミナーの参加も同じなような気がします」

私もまったく同感です。他の学生に負けそう、というのであれば、あえて負けに行ってください。そこから得られるものは必ずあります。考えすぎる前にまず行動を。行動で失敗したら、そこから考えてまた行動してみてください。その繰り返しが就活なのですから。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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