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さらば痛み
適正サイズは「座らないと履けない靴」

さらば痛み適正サイズは「座らないと履けない靴」
遠藤 宏撮影

 靴ずれなど足のトラブルに悩む女性が多い。すぐ足が痛くなってしまうのは、靴のサイズや形が足に合っていないから。ぴったりフィットする靴を選ぶ方法を、専門家に聞いた。

 「ジャストサイズの靴を選べば、歩きにくさや痛みを感じることはないはず」。シューフィット・神戸屋(東京・新宿)店主で靴のコンサルタントの西村泰紀さんは断言する。履き口が浅く、甲を覆う部分が少ない女性のパンプスもしかり。

 「パンプスは足の横幅でホールドする靴。横幅がぴったりなら、前すべりしないから疲れにくい」。大丸東京店(東京・千代田)の上級シューフィッター、谷内由美子さんもそう話す。足のトラブルは、サイズ選びの間違いが招くのだという。

若い世代で足幅が狭く

 日本人の足は昔から「幅広甲高」と言われ、店頭に並ぶのは今なお幅広の靴が主流。しかし若い世代では、体形の変化からか「足幅が狭く甲が薄い人がかなり増えている」(西村さん)。

 日本の靴のサイズは、足の長さ(足長、そくちょう)と太さ(足囲、そくい)で決まる。足長はセンチ、足囲はアルファベットで示す。Aが一番小さく、B、C、D、E...と大きくなる。しかし足囲が書いてある靴は少なく、足囲のことはあまり知られていない。

 自分の足幅が狭いことを認識せず、幅広の靴を履いて足が靴の中でずれ、痛みや足トラブルを引き起こしている人が多いのだ。「幅広の靴=足に優しい」という勘違いも、細い靴がなかなか流通しない理由の1つだ。「痛いと靴が小さいのかと思い、さらにサイズを上げてしまう人が多い」(谷内さん)

 これまで幅広の靴を履いてきた人は、サイズがぴったりの靴を履くと、最初はきついと感じるだろう。ところが歩き出すと、快適で疲れにくいことに驚くはずだ。西村さんは「座って手や靴ベラを使わないと履けない靴こそ本来のサイズ」と話す。

 まずは自分の正確な足長と足囲を知ることから始めよう。足長は、かかとと一番長い足指を垂直に結んだ長さ。足囲は、親指と小指の付け根の出っ張った部分を通って1周させた長さ。まっすぐに立ち、左右均等に体重をかけた状態で両足を測る。一人で測るのは難しいので、シューフィッターなどがいる店で測ってもらうといいだろう。

納得するまで何十足でも試着

 サイズが判明したら、履き心地に納得するまで、何十足でも試着すること。同じサイズ、例えば「23センチE」と表記されていても、メーカーやデザインによって大きさが微妙に違う。前後のサイズも試着し、自分の足にフィットするか見極めるのが大切だ。

 試着の際、チェックすべきポイントはいろいろある。まず靴と足の甲に隙間がないかどうか。「手の指1本がまったく入らないか、指先が少しひっかかる程度の空きがちょうどいい」と西村さん。

 次につま先立ちして、かかとが抜けないかどうか。このとき「履き口が横にパカッと広がったり、甲にシワができたりしないかも要チェック」(西村さん)。歩くときに足と靴の曲がる位置が合っていれば、こうしたことは起きない。足が曲がる位置とは、足囲を測るポイントでもある、親指と小指の付け根部分。「ここが靴の曲がる位置と合っていると、とても歩きやすい」と西村さんは言う。

 つま先に足指を動かせる1センチほどの余裕(捨て寸)があることも重要だ。きついのも余裕がありすぎるのもNG。また「足の形には3タイプあり、それぞれに合う靴先の形がある」と谷内さん。親指が一番長い「エジプト型」には、親指寄りにカーブの頂点がある靴。人さし指が一番長い「ギリシャ型」には、先がとがった細い靴。親指と人さし指と中指がほぼ同じ長さの「スクエア型」には、カーブのなだらかな靴がお薦めだ。

 欲しい靴が足よりほんの少し大きい場合や左右で足の大きさが違う人は、インソール(中敷き)を活用しよう。毎日のむくみ対策にも有効だ。足全体を大きくカバーするインソールは、つま先部分を狭くし、足指の動きを妨げる。西村さんは「指の付け根から下に入れられる部分インソールで調整を」と助言する。正しい靴選びで、足に吸い付くようなフィット感と快適な履き心地を体感しよう。
(ライター 松田 亜希子)[NIKKEIプラス1 2017年9月30日付、NIKKEI STYLEから転載]

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