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[ skill up-自己成長 ]

やる気スイッチを入れよう(32)「笑顔」効果で人間関係はよくなる

菊入みゆき authored by 菊入みゆき明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン
ワーク・モチベーション研究所長
やる気スイッチを入れよう(32) 「笑顔」効果で人間関係はよくなる

 さわやかな季節になりました。出かけたり、人と出会ったりする機会が増える時期です。内定先のイベントに参加したり、大学祭で発表をしたり、秋の旅行や日帰りのツアーに出かける人も多いでしょう。

 そんな日々を快適に過ごし、出会った人たちと実り多い関係を作るために、「笑顔」が想像以上の効果を発揮します。

楽しいから笑う? 笑うから楽しくなる?

 笑顔は、人のためならず。実は、笑顔は自分のためになります。笑顔になっているその人にとって、様々な効果があるものなのです。

 皆さんは、楽しいから笑う、と考えているでしょう。逆に、笑うから楽しくなる、ということもあるのです。ある実験では、笑った顔でコミックを読むと、そうでない場合よりも、面白いと感じる度合いが高いことがわかりました。

 この実験では、笑った顔を「ペン・テクニック」と呼ばれる方法で、人為的に作っています。一本のペンを横にして、唇にあたらないように前歯で噛むのです。すると、自然に笑った顔になります。笑おうとしたわけではなく、単純に顔の筋肉を動かして笑う形を作っただけで、面白さを強く感じるようになったのです。

笑顔(右の写真)になると、自分の気持ちも明るくなる

 まさに、笑うから楽しくなる、ということです。普段の生活の中でも、笑顔でいることが、面白さや楽しさを強く感じることにつながります。 

 さらに笑うことは、副交感神経を優位にし、心と体の緊張を緩めるリラックス効果があります。初めての人に会うときや、複数の人の前で自己紹介をするとき、にこっと笑顔になることが、緊張を解きほぐします。スムーズに会話ができるようになります。

笑顔でグループディスカッションがうまくいく!?

 私は、この笑顔効果を、大学の講義や社員研修でのグループディスカッションに活用しています。ディスカッションの前に、「スマイルチェック」を行うのです。「今、自分ができる最大の笑顔になってください」と呼びかけ、みなで思いっきり笑顔を作ります。そのまま、隣の人と顔を見合わせ、互いのスマイルをチェックするのです。

 最初は照れくさかったりもするのですが、目を合わせたとたんに吹き出したり、「おっ、いい笑顔!」「目が笑ってないよ~」などと言い合って場がなごみ、にぎやかな会話が始まります。その後のディスカッションもスムーズに、活発に行えるようになります。

 笑顔は、相手に対する受け入れの気持ちや好意を表すサインです。互いに相手の笑顔を見ることで、自分が受け入れられ、好意的に見られていると確認でき、安心して発言したり、話を聞いたりできるのです。

 逆に真顔でいることは、自分にそのつもりがなくても、拒絶や敵意を感じさせてしまう場合もあります。鏡を見ると、よくわかります。真顔で鏡の自分を見つめたあと、にっこりと笑顔になってみましょう。印象がまったく違うはずです。

笑顔(右の写真)は周囲の人にも伝染する

 「人間関係がうまくいかない」とか、「友だちができにくい」と感じていたら、自分自身の笑顔が不足しているからかもしれません。

 また、就職活動で面接にグループディスカッションが取り入れられている場合も、笑顔を意識すると、うまくいく確率が高まります。

 人の笑顔を見ると、見た人の顔の笑いの筋肉が動くことがわかっています。肉眼ではっきりわからなかったり、本人が自覚していない場合でも、やはり笑いの筋肉が動いているそうです。

 笑顔は伝染するのです。相手が笑顔でなかったとしても、こちらから笑いかけましょう。特に、初めて会う相手や、いつも会う人でも最初の挨拶のときには、笑顔を意識してください。互いの気分がよくなり、会話がはずみます。会話がはずめば、初めての人とも共通の趣味があることを発見したり、いつもの相手ともふだん話さないようなことも話したりするようになります。人間関係が楽しく、快適なものに変わります。

自分をごきげんに保つことは大人のマナー

 ふだん笑顔になることが少ない人は、笑った顔になることに違和感を持つかもしれません。いつでも笑顔でいる必要はありません。自分の気分を快適に保とうという気持ちで、ときどきにこっとしてみましょう。少しずつ慣れていきます。

 感情がコントロールできるようになると、社会生活は断然楽になります。笑顔でごきげんになることは、その第一歩です。周りの人にも快適な気分が伝染していくわけですから、笑顔は大人としてのマナーだと言えます。

 さあ、今日これから会う人に、笑顔で挨拶をしましょう。自分自身も相手もごきげんにする「笑顔」効果で、やる気スイッチを入れましょう。

参考:Strack, F., Martin, L., & Stepper, S. (1988). Inhibiting and facilitating conditions of the human smile: a nonobtrusive test of the facial feedback hypothesis. Journal of Personality and Social Psychology, 54, 768-777.

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