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ジョブヨク(51)運命をどう受け入れるのか
活動リポート@國學院大學

ジョブヨク(51) 運命をどう受け入れるのか活動リポート@國學院大學
authored by ジョブヨク

 2回目となるジョブヨクサッポロスペシャルが恵比寿にあるサッポロビール本社で開催された。ジョブヨクとは、1つのテーマに沿って学生と大人がフラットな立場でセッションを行う場である。今回は「運命をどう受け入れるのか」というテーマのもと、國學院大學学生キャリアサポーターが運営を務めた。当日は60人を超える参加者となり、11グループに別れてのセッションとなった。初参加の学生が毎開催より多めだったため、緊張の面持ちをした人もちらほらと見られた。

ビールを1杯飲んでスタート!

エビスビールの歴史を学びながら1杯

 ファシリテーター(司会)から当日のプログラムなどを説明するオリエンテーションの後、エビスビール記念館見学へと向かった。今回のジョブヨクはなんと、セッションの前に美味しいエビスビールを1杯飲んでしまおうという進行なのである。もちろん未成年者はソフトドリンクだが、エビスビールの歴史を学び、1杯飲んでセッション会場に再び戻ってきた参加者の顔からは、すっかり緊張が見られなくなっていた。

 ファシリテーターの「すっかりアイスがブレイクできてしまっているようですが、これよりこちらの準備したアイスブレイクを始めさせて頂きます!」という声と参加者の笑い声から、ようやくジョブヨクが本格的に始まった。

セッションの前にみんなリラックス

 今回の運営チームが準備したアイスブレイクは「班内全員の共通点を見つけて、できるだけ多く挙げなさい」というものだった。制限時間10分のなかで、各班5、6人の様々な共通点が見つかったようだ。多かった共通点はラーメンが好き、兄弟がいる、今日は会場に電車を使って来た、iPhoneユーザーである、など。中には「今ジョブヨクに参加している」という素敵な共通点を見つけた班もあり、会場からは「お~!」という声が上がった。見事優勝を飾った班は、なんと17個もの共通点を見つけ出していた。

 そして、いよいよテーマ提示である。スクリーンに「運命をどう受け入れるのか」という表示が浮かび上がる。とても抽象的で難しいテーマだと、おそらく参加者全員が思ったことだろう。

運命と偶然の違いは?

 ラウンド1は「今まで運命を感じた瞬間」を付箋や模造紙を使って各自で書き出したあと班内で共有しようというものだ。ファシリテーターの吉原が「今の大学に入ったことに運命を感じる」と自身の例を提示したあとは、参加者側の番である。最初のラウンドは各人の運命だと思うもので良いため、実に様々な意見があがった。「ハングライダーで命拾いをしたこと」「受験で失敗したことで、友や恋人と出会えたこと」、またサッポロビールの社員の方は「ビールとの出会い」だと熱く語ってくれた。そんなことがあったのかと驚く声や、似たような体験をしたことがあると頷く仕草など、参加者の反応は様々であり、運命という漠然としたものに少し具体的なイメージができてきたという感じであった。全体で数人の「運命」を共有したあと、進行はそのままラウンド2へと進んだ。

 ラウンド2では「これは運命か? 偶然か?」というスライドが提示された後、七つの箇条書きの文章が提示された。「出先で知らない子どもに好かれる」「バイク事故を避けたこと」「女性、または男性として産まれたこと」「誰かと同じものが食べたいと思った瞬間」「今日のメンバーに出会ったこと」「嫌だと思っていた行事の日に雨が降ったこと」「学校で知り合った人が家の目の前に住んでいたこと」。

「今まで運命を感じた瞬間」を班で共有

 以上はつい先程のラウンド1で、実際に参加者から出たものをファシリテーターが各班をまわり、ランダムに選別し集めたものであるとのことだった。このラウンド2では、実際にこれだけの運命だと思われるものがあるわけだが、それは果たして本当に運命なのか? ということを考えるものであるとのことだった。1つの具体例に絞って考えても、複数を分類分けして考えても良いということで、今度はおよそ20分の時間が参加者に与えられた。ここで初めて参加者は「運命とは何か」という問題に直面することになる。偶然との線引きをどこに置くのか、はたまた偶然と違いはあるのかなど、まるで哲学者がたくさんいるかのような会話内容が各班から聞こえてくる。

 しかし、正しい答えがあるという訳ではないためか、議論は白熱し、全体共有では自分たちでは考えつかなかったような意見があちらこちらからあがってきた。「ある出来事によって、人生が大きく動いたものが運命、反対に変化が少なかったのは偶然である」「偶然と思ったことも後から運命だと感じることがあるため、振り返ると運命になるのではないか」「点が偶然で、線が運命」「偶然起きた出来事がまた別の出来事を引き起こすと運命に変わる」など。

 ニュアンスは近いが言葉選びが違う、というものは、大学で哲学を専攻してるファシリテーターの早川が各班を周りながら関連付けていく。多かった意見は「運命と感じたいと思ったかどうかで、それが運命がどうか決まる」というものであった。要は自分がどう思いたいかどうかということである。出会った人がイケメンであれば運命と思いたいし、好みでなければ偶然で終わらせたい、という女性の具体例に会場には笑いが起こった。

「運命」について話し合った3時間

運命への対処法は?

 ラウンド2が終わってから、休憩を挟みいよいよラウンド3である。参加者の前に提示されたスライドには次のように書かれていた。「訪れた運命をどう活かしますか?」。今回のジョブヨクのテーマ「運命をどう受け入れるのか」に最も近い設問と言えるだろう。ラウンド2で見えてきた運命。その運命が良い運命であれ、あまり良くない運命であれ、それが目の前に来てしまった時どう活かしたらいいか、という設問であるとファシリテーターが説明を加える。

 「運命」というもの自体に疑問を持つ人も出てきていたが、ひとまずは「運命」はあるという前提で話を進めるという。全体共有を入れて、25分という最も長い話し合いが行われたが、意外にも最後のラウンドは各班似たような意見がでる結果となった。「積極的に関わる」「思い切って行動する」「目の前の出来事に対し、行動範囲を広げる」など、前向きな気持ち次第であるというものだ。

 一方、「自分が人生の主人公だと思い込み、運命を信じる」という一風変わった面白い意見も出た。いずれにしろ、ポジティブに行動することで、振り返った時にポジティブなものになっているだろうという明るい考え方で、最後は締め括られた。参加者は今回、「運命をどう受け入れるのか」というあまり考えたことのないだろうテーマで活発に意見交流を行っていた。大学生の女性は「運命というものに納得がいかなくなった」と悩み、社会人の男性は「普段考えないことを3時間も使って考えるなんていい経験になった」と語り、とても有意義な会となった。

参加者全員で記念撮影

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