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アジア進出、
先進的で規模の大きい中国が魅力

アジア進出、先進的で規模の大きい中国が魅力
中国・上海のビル群
authored by 森川 亮C Channel社長

 C Channelは今年、アジアでの事業を積極的に行っています。私も色々な国を訪れ、現地での経済やIT(情報技術)、起業環境などの話を聞くことが増えました。中でも中国の圧倒的な成長が目を引きます。

 以前の中国のビジネスは米国や日本、そして韓国の後追いという印象がありました。今では、モバイルやスマートフォン(スマホ)、ICT(情報通信技術)、決済関連の新規事業はすでに世界最先端のレベルに達しています。むしろ日本や韓国が後追いになっていると言っても過言ではないでしょう。

 その理由はいくつかあります。人口が多く、市場規模が大きいということがまずあげられます。さらに、お金を国外に持ち出せないため、国内での投資規模が大きいことも見逃せません。

 中国には、ネット検索最大手の百度(バイドゥ)とネット通販最大手のアリババ、スマホ用対話アプリ大手の騰訊控股(テンセント)という企業名の頭文字から「BAT」と呼ばれるネット3強が大きな存在感を示しています。BAT出身者が起業すると、数億円の規模の資金が集まると聞いています。

 しかも、法規制がさほど厳しくないという点もあります。日本では、特に新しい領域において様々な法規制が適用されます。中国は良くも悪くもおおらかなため、まずやってみるという文化があります。国も積極的にそうした動きを後押ししているように思います。

 そして優秀な人材は起業を目指します。米国など海外に留学した人たちの間でも、現地のIT企業で働き、帰国してから起業するという流れが生まれています。

 韓国と台湾はちょっと最近元気がないように思います。ITを軸とした経済に陰りが出ているようです。さほど内需が大きくないので、IT分野で中国から市場をとられてしまうと苦戦を強いられてしまいます。

 それでも起業したい若者は多いので、どんどん海外に出て勝負するというトレンドは健在です。東南アジアと比べると優れた会社が生まれる可能性はありそうです。一定規模のマーケットはあるので日本企業も参入しやすい市場かと思います。

 東南アジアは中国の企業が強く、財閥のトップも中華系ということもあり、「リトルチャイナ」的な流れが加速しているようです。どの国にいっても中国のネット3強のBATが様々な会社に投資をしたり、買収をしかけたりしています。

 東南アジアの場合、証券市場が整備されていないので、株式の新規上場(IPO)によって投資資金を回収するのが難しいという事情があります。BATは東南アジアのスタートアップを片っ端から買いまくっているという印象です。米国系の会社よりも投資については勢いを感じます。

 東南アジアでは、タイが最も参入しやすい市場でしょう。日本が好きな人が多く、ある程度成熟している市場なので現地の財閥と組んで人脈を広げれば成長しやすいように思います。

 インドネシアやベトナムは成長市場ではあるものの、インフラの整備や市場規模がまだまだという欠点があります。参入はしやすいのですが、事業規模を大きくするのに時間がかかりそうです。特にベトナム人は自国企業の製品・サービスを好む傾向があります。

 これから会社を大きく成長させようと思うのであれば、中国市場での成功は欠かせません。

 中国市場では、競争が厳しいですし、政治的にも入りにくいマーケットでもあります。それでもとにかく市場規模の大きさは魅力です。モバイル分野では米国よりも大きくなる可能性を感じます。当社も改めて中国市場を狙おうと思っています。当社と組んでみたいと思う方はいらっしゃいませんか。

[日経産業新聞2017年10月12日付、日経電子版から転載]

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