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チェック! 今週の日経(36)みずほが「構造改革」、
来年以降も採用は狭き門?

チェック! 今週の日経(36) みずほが「構造改革」、来年以降も採用は狭き門?
authored by 日経カレッジカフェ 

 日経の研修・解説委員やカレッジカフェ編集スタッフが、この1週間の日経電子版や日本経済新聞から企業ニュースを中心にピックアップし、解説する「チェック!今週の日経」。今回は皆さんも関心が高い採用にも影響する話です。3メガバンクのひとつ、みずほフィナンシャルグループ(FG)が大規模な人員削減や店舗の閉鎖に乗り出しました。なぜ、みずほFGはそこまで追い込まれたのでしょうか。そして来年以降の就活にはどう関係してくるのでしょうか。

従業員数を26年度までに1.9万人削減へ

 日本経済新聞の11月14日の朝刊金融経済面で、同社の発表を詳しく報じています。

みずほ、敵は異業種にあり フィンテック台頭に危機感(11月14日)

 みずほFGは13日に、全社で7万9000人いる従業員を2026年度までに6万人に減らし、支店など拠点の数も24年度までにいまの約500から約400に減らすという「構造改革」プランを発表しました。これほどのリストラ策はメガバンクとしては異例のことです。

 なぜ同グループはこのような思い切った手を打つのでしょうか。直接の理由は、業績の低迷です。同時に発表した17年4~9月期の本業の儲けを示す実質業務利益(みずほ銀行とみずほ信託銀行の合算)は1807億円で、前年の同期に比べ41%も減ってしまいました。これは日銀が昨年から実施しているマイナス金利政策の影響で、融資の利ざやが減ってしまったことが響いています。つまり、企業や個人へ貸し出す金利を下げざるを得なくなり、預金金利などとの差=利ざやが小さくなって儲からなくなってしまったのです。

マイナス金利が収益圧迫、フィンテック対策も

決算発表するみずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長

 根底にはもっと深刻な問題があります。ひとつは確実に進行する人口減。ほとんど国内で収益を上げている銀行にとっては、個人・法人問わず、将来の顧客の減少が予想されます。

 もうひとつが、金融とITが融合した「フィンテック」による金融業界の構造変化です。皆さんもネット銀行やネット証券はご存知でしょう。実店舗や接客要員が不要の新しい金融業にIT企業が相次ぎ参入し、既存の金融機関の脅威ともなっているのです。新興勢力に対抗するには人員や店舗を減らし、低コストで運営できる体制に変わる必要があるというわけです。

メガバンクの大量採用の時代は過ぎたか

 もちろん、これはみずほFGだけの問題ではありません。以前、地方銀行の統合の話(「地銀の生き残りになぜ『待った』?」)をこの欄でも紹介しましたが、地銀、メガバンク問わず、置かれた状況は共通です。みずほの発表に先立ち、3メガがいずれも大規模な構造改革に乗り出すという記事も日経電子版に掲載されました。

3銀行大リストラ時代 3.2万人分業務削減へ(10月28日)

みずほフィナンシャルグループ本社(東京・大手町)

 みずほFG、三菱東京UFJ銀行、三井住友FGの3メガバンクが単純合計で3万2000人分に上る業務量を減らすという内容です。この構造改革は単純に社員数を減らすというものではなく、店舗や本部の膨大な事務作業を自動化などで可能な限り減らし、浮いた人員を都市部の支店など競争力のある部門に回し、収益力を高めるのが狙いです。

 でも、背景にはメガバンクをはじめ金融機関では相当のヒト余りが存在するのも事実です。ご存知のように新卒を数千人規模で採用するメガバンクは大量採用企業の代表ですが、恐らく行内のリストラを進めるとともに、新卒採用も今後、絞ってくるでしょう。実際、メガ3行の来年春入社の採用人数は、今春に比べ25%も減る模様です。全国の銀行の総人件費は約3兆円で、経費全体の4割強を占め、高コスト体質の原因とされており、当面、ヒト減らしは続くでしょう。金融機関志望の方は、今までより狭き門を覚悟する必要がありそうです。
(研修解説委員 若林宏)

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