検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

プロジェクトを通して学んだマネジメント

ボランティアの架け橋(5)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

青山学院大学4年の今野友彰です。早いもので今年ももうすぐ終わりですね。僕も卒業が段々と近づいてきているのを感じながら毎日を過ごしています。さて、連載の第5本目を執筆していくにあたり、今回はプロジェクトの企画運営の一連の経験を通して学んだことや、身についた視点について広く書いていきたいと思います。様々なことを考え、感じながら動いていたことを思い出しながら皆さんにご紹介していきたいと思います。

"事業"としての構想

そもそも非営利なので事業とは呼べないと思いますが、プロジェクトの構造や内容はそれに近い経験を得る場として非常に有効でした。色々な観点からそれぞれ見ていきたいと思います。

まず僕たちがやっているプロジェクトの構造を見ると、支援を必要としている現地(宮城県塩竃市)とボランティアをしたい学生の仲介をし、両者をマッチングしています。世の中の企業を見ると、例えばリクルートなどもこのような何かと誰かをマッチングさせるリボン型の事業構造をしていますよね。僕たちはここで仲介手数料を取ったり、上乗せをするということはしていませんが、求めている側とやりたい人を繋げる間に入り、企画運営や調整をした経験は実に学びの多いものでした。

現地が求めているものと学生が求めているものをそれぞれどうくみ取り、企画に反映させるかはもちろん、どちらかに振り切る選択をしないと、結果として中途半端なアウトプットになる危険性も大いにあります。営利体質であればお金の出所でどちらに比重を置くかが決まってきたりすると思いますが、その指標がない中で現地と学生双方の満足度を高めていくことは本当に難しく、ある意味では矛盾を抱えていたりします。常に葛藤と隣り合わせでしたが、現地とは定期の打ち合わせで話をしたり、ニーズを確認し、参加学生にはアンケートをとるなどして着地点を模索しながら作り上げていきました。

また、僕たちの活動は一般の参加学生をリードしていくという点で人的資源がマネジメントの中で圧倒的に大切になってくる部分です。ここに関しては、前々回の記事で紹介したプロジェクト内の各活動にそれぞれ担当のスタッフを配置し、その中でも各リーダーを置くことで、運営の体制を整えていきました。そんな中で僕の仕事は全体の管理や関係者との連絡、書類の執筆やリスク管理に重きを置いて動いていくことができました。企業で言うと社長と各事業部ごとの責任者、メンバーという組織体制を考えてもらえると近いと思います。

いくら内側で議論や構想が練られていても、実際のアウトプットとしての商品・サービスの質が担保されていなくてはユーザーは離れていってしまいます。この点では大学に"監査役"をしてもらっており、現地とのコミュニケーションがしっかり取れているかであったり、企画書などの書類をチェックしてもらい、厳しく添削・指摘してもらっています。このプロジェクトの"質"というのは、大学からの補助金や外部からの助成金をいただいている僕たちの活動が"継続"するためにも大切な部分で、これまでの記事で紹介したような大学に提出する企画書や報告書、助成をいただいている団体へのプレゼンによる報告などで伝えるようにしています。企業での事業などでも利益率が悪かったり、売り上げが厳しくなってくると撤退することがあると思いますが、それを僕たちは報告書やプレゼンでの報告で成果や意義を伝えているということになります。

マネジメントにおいて重要なこと

僕がプロジェクトを通して学んだことの一つに、座学や教科書ではない"現場の"マネジメントがあります。企業や組織、もしくはプロジェクトを束ねるリーダーであればマネジメントが大きな仕事ですから、その重要性はよくご存知かと思いますが、僕も実際の活動の中で多くのことを学びました。

そもそも、今はこれだけインターネットが発達したり世の中にモノが溢れて豊かになり、企業と個人の関係も終身雇用が崩れ流動的な相互選択関係になっているからこそ、個々の働くモチベーションは多様化していると思います。単純に金銭報酬を目的としているのではなく、やりがいや自己実現といった意味報酬を求めている人たちが僕の周りにも多くいる気がします。そのように組織においては、個人個人で多様化しているワークモチベーションを束めるリーダーの力量が求められている時代と言ってもいいかもしれません。

非営利団体では金銭的な対価がないので、先述したような意味報酬を上手く自分のモチベーションとする必要があります。言い換えれば、このような個々のモチベーションと、団体としてのモチベーションの両軸を上手く引き出してあげることがマネジメントにおいて何よりも大切だと、活動を通して感じました。僕がやっていたこのプロジェクトも企画や調整の期間が非常に長く、一つの作品としてできあがり、多くの人の前に出るまでには、本当に自分がやっていることが誰かのためになっているのかが分からない時期がありました。そんなときには自分たちのぶれない軸を持っていることが何より必要であることを学びました。

実際に活動を振り返り、僕がマネジメントの面で意識していたことは3つあります。1つ目が「メンバー個々の役割をはっきりさせること」、2つ目が「あまり多くを指示し過ぎないこと」、そして3つ目が「感謝の気持ちを言葉でしっかりと伝えること」です。

1つ目の「メンバー個々の役割をはっきりさせること」ですが、リーダーとして僕は責任ある立場だからこそやるべきことを明確にひたむきに取り組むことができました。ただ、そうでない各メンバーは、自分の責任範囲ややるべきことをしっかりと与えてあげる必要がある場合も多いです。だからこそ活動ごとの個々の役割や立ち位置を図など使って説明し、個々が何をやるべきなのかが分からない状態がないように意識しました。

2つ目の「あまり多くを指示し過ぎないこと」は、個々の役割を与えた上で大きな目的だけを共有し、細かい動きまではあえて指示しないようにしました。そうすることでメンバーは逆算して今何をしなければいけないのかを考え、行動するようになるからです。最後に「感謝の気持ちを言葉でしっかりと伝えること」ですが、これは先述の通り金銭的報酬がないからこそ意識しなければいけないことでした。しっかりと役割を与えた上で、自分で考えて仕事をこなしたメンバーに「ありがとう」や「助かった」という言葉を忘れずにかけることで、やる気やモチベーションを維持するマネジメントになっていたと思います。

ヒト・モノ・カネ・情報という経営資源は皆さんよく聞いたことがあると思いますが、メンバーの成長によってそれがダイレクトにプロジェクト自体の発展や成長に繋がっていくことから、僕はヒトへの投資、マネジメントが圧倒的に重要だと思います。

"決断"の数と質が自分を成長させてくれた

最後に、僕を一番成長させてくれたと言っても過言ではないことをご紹介したいと思います。それは「決断」です。例えば進路やサークル選びなど、皆さんも過去を振り返ったときに多くの決断をしてきたと思います。それはあくまで自分についての決断で、失敗しても自分の責任範囲で納得できるものが多かったことでしょう。

僕も高校まではそうでしたが、このプロジェクトは色んな立場の関係者が関わってくださっており、多くの方に影響を及ぼす中での決断は、僕をより成長させてくれました。例えば新しい活動を取り入れたり、これまで行ってきた活動を外したり。様々な立場の関係者がいるからこそ、それぞれに背景をしっかり伝え、納得してもらう必要がありました。規模を考えると、プロジェクト内の一つの決断が多くの人やお金の動きに繋がっていくため、慎重でいる必要はありましたが、プロジェクトの変化を起こしていく上で大胆に決めていく必要もありました。このバランスは少し身についたかもしれません(笑)。

皆さんもぜひ、大学生活の貴重な時間を活かして「事業のようなものを作り上げる経験」「金銭的報酬がない中でのマネジメント」「たくさんの質の高い決断」をしていくと、たとえ苦しくても間違いなくかけがえのない自分の財産になりますよ。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_