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中学・高校時代のエピソードは就活で使えるのか?

ホンネの就活ツッコミ論(37)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは、「中学・高校時代と就活の関連」です。私は採用担当者でもキャリアセンター職員でもないのに、学生のエントリーシートを添削する機会が多くあります。就活をテーマとするようになって15年、エントリーシートを長く観察し続けた、という点では採用担当者、キャリアセンター職員はもちろんのこと、キャリアカウンセラーでもそうそういないのでは、と自負しています。

さて、エントリーシートの添削でよく見かけるのが、中学・高校時代のエピソードです。学生からすれば、書くネタがないから、ということで使うのでしょう。では、この中学・高校時代のエピソード、就活ではどの程度、有効なのでしょうか。

ガクチカでは明らかにマイナス

まず、大幅な減点、ないし、採点対象外となる事例から。

「私は中学時代、野球部のキャプテンでした」

おお、すごいじゃないか、と言いたいところです。しかし、お題が「学生時代に頑張ったことを教えてください」、通称・ガクチカだとどうでしょうか。わざわざお題で学生時代、つまり、大学生活について、と指定しているのに、中学時代のエピソードを書いています。これは指示を無視している、ということで、企業によっては採点対象外とします。そうでなくても大幅な減点評価となってしまいます。エントリーシートや面接の鉄則は、聞かれたことに答えることです。お題を無視して中学・高校時代のエピソードを書くのはやめておきましょう。

自己PRで高校ネタは賛否両論

それではお題が「あなたの自己PRを書いてください」で中学・高校のエピソードを書くのはどうでしょうか。まず、高校のエピソードから。これは賛否両論分かれます。

否定派の意見としては、「特に大学生活と指定していなくても、大学新卒採用である以上、大学時代の話を書いてほしい」などがあります。

一方、肯定派の意見としては、「学生時代と指定がない自己PRであれば、別に高校時代の話を書いてもいいのでは。特に体育会系は高校時代に成長した、とする大学生が多い。高校時代から練習に打ち込んだことなどは評価できるし、それを自己PRに書いてくれればありがたい」などがあります。

私はどちらにもいい顔をする中間派。否定派の意見もわかりますし、肯定派の意見も一理あります。折衷案としては、高校時代のエピソードから大学時代のエピソードにつなげる、という手法があります。以下の例をご覧ください。

例「私は、どんな状況でもチームのためにベストを尽くします。高校時代、バレーボール部のキャプテンでした。練習を頑張っていたのですが、途中、怪我をしてしまい離脱することになったのです。悔しい思いをしましたが、ちょうどチームは大会出場中でした。チームメイトに迷惑をかけた私がチームのためにできること、それはベンチから声かけをすることです。試合に出られなくてもベストを尽くした結果、チームの雰囲気がよくなりました。この経験は大学に入ってからアルバイトやサークルでも生かすようにしました。(以下省略)」

これなら、一応、大学生活にもつながるので否定派の採用担当者にも読んでもらえるのではないでしょうか。

中学ネタは古すぎ、受験ネタは当たり前

高校時代のエピソードは賛否両論。一方、否定論が強かったのが中学時代のエピソード、それから大学受験関連のエピソードです。まず、中学時代についてですが、古すぎる、という意見が多数を占めました。

「中学時代にキャプテンをやっていた、生徒会長をやっていた、というエピソードはいくらなんでも古すぎます。大学の推薦入試・小論文で出すならまだしも、新卒採用で生徒会長も何もないでしょう」

中学時代のエピソードを自己PRで出すことに理解を示した採用担当者も次のように話してくれました。

「生徒会長をやっていた、部活の部長だったなど、目立った業績を出されるだけなら厳しいですね。学生からすれば、輝いた過去の栄光であっても、採用担当者からすれば、それほど関心が持てません。それよりも、自己を形成するきっかけやエピソードがあるなら、それを書いてくれた方が興味を持てます」

中学時代のエピソード以上に否定論ばかりだったのが、大学受験のエピソードです。

「大学受験のエピソードを書かれても、難関大の学生であれば誰でも書けてしまう。受験に苦労して突破したことは評価できても、それをエントリーシートに書いてしまうのは評価できない」

「うちの取引先は高学歴とは限りません。中卒、高卒だっています。大学受験をエントリーシートに書いてしまう、ということは入社後に取引先を怒らせてしまう可能性が高い。大学受験をエントリーシートに書いてしまう学生はちょっと怖くて次の選考には進められないですね」

いわゆる難関大学、東京大学など旧帝大に早稲田大学、慶応義塾大学などの学生数をすべて足していけばどうでしょうか。就職希望者だけで3万人は軽く超えます。3万人以上が同じネタを書いたところで採用担当者はうんざりするでしょう。大学受験のエピソードは中学時代のものと並び、避けた方が賢明のようです。

学生からすれば大学生活に自信が持てない

中学・高校時代や大学受験のエピソードについて、採用担当者から圧倒的に多かった意見が自信です。

「あえて古い話を出すのは、大学生活でよっぽど大したことをしていなかったのか、と疑ってしまいます」

「就活の初期段階で、慣れていない学生のエントリーシートに中学・高校時代のエピソードがよく出ます。しかも、セットで多いのが自己PRで『~と思います』。同じ自己PR、たとえば『私にはやり抜く力があります』でも、わざわざ『私にはやり抜く力があると思います』としてしまうのです。自信のなさが明らかでかなりもったいない書き方ですね」

では、どうして中学・高校時代のエピソードをエントリーシートに書いてしまうのでしょうか。大学生に聞いてみると、採用担当者が見抜いた通り、自信のなさが理由でした。

「平凡なアルバイト経験しかない。それで就活がうまく行くのか不安」

「アルバイトやサークル、ゼミは、ありきたりで評価されない、とゼミの先生に言われた。すると書くことがないので大学受験の話にしてみた」

エントリーシート・自己PRについては、この連載でも何度か掲載しています(2回、9回、29回)。過去に書いた内容と若干重複しますが、アルバイトやサークル、ゼミなどありきたりな内容でも意外と選考には進みます。これは売り手市場のこの数年に限りません。私は15年間、学生のエントリーシートを観察していますが、就職氷河期だった時期でも同様です。

では、アルバイトやサークル、アルバイトなど平凡な内容でも受かる学生はなにが違うのでしょうか。それは、平凡であっても、自分の話を丁寧に書いているかどうかです。学生が当たり前、平凡と思っていても、それが実は当たり前ではない、ということがよくあります。それをエントリーシートに書く、あるいは面接で話すと意外と評価され、内定につながりやすくなります。

エントリーシートに高校時代の話をどこまで書くか、それは学生次第です。企業によっては高校時代のエピソードも評価するでしょう。しかし、高校時代のエピソードを自信があるから、ではなく、自信のなさから書くのであれば、それはもったいない話です。大学時代のエピソードは本当に書かない方がいいのかどうか、キャリアセンターや友人・先輩学生などに相談してみてください。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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