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異なる意見受け入れる
ツイッター社流「働き方」

笹本裕 authored by 笹本裕ツイッタージャパン代表取締役
異なる意見受け入れるツイッター社流「働き方」

 ツイッターで「働き方改革」という言葉が初めて盛り上がったのは、2016年8月の内閣改造のときでした。

 その後も働き方改革はツイッターで定期的に波を迎え、この9月にこの法案が先送りになることが明らかになるとこれまでにないほどの関心を集めました。このときのツイートには、報道のツイートだけでなく、それぞれの思いや体験が書かれたものが多く見受けられました。

 皆さんは働き方についてどのように考えられていらっしゃるのでしょうか。

 先月、各国のツイッターのオフィスから100人ほどが米国の本社に集まり、2日間にわたって本音で会社の現状や課題について話し合うという会議がありました。年に2度行われるこの会議のキーポイントは「本音で」という部分です。

 社会人生活が長くなると、心の中で思ってはいても口に出しづらいこともあります。青臭いことを言うのはちょっと恥ずかしいと思うこともあります。

 このようなためらいをなくし、役職や年齢、国籍などを問わず、正直な思いを素直に口にだして会社について議論することが2日間の会議のルールです。

 数人ずつに別れてテーブルで議論する際はもちろん、皆の前に出たスピーカーに対してもこのルールが適用されます。「それ皆の前で聞いちゃって大丈夫?」と思うことも何度かありました。

 そうした中、これが「ツイッターらしい働き方」なんだという思いを抱いたことがありました。

 ツイッターという会社には10のコアバリュー(大切にしている考え方)があります。「信頼を築くために、恐れずにコミュニケーションをとろう」もそのひとつです。「あなたを信頼しているから本音を話す」という姿勢は、ツイッターの企業文化の中核をなしています。

 異なる意見があって当然で、それぞれの考えを理解しつつ、同じゴールに向けた解決策を探るという点も「ツイッターらしい働き方」です。

 2日間の会議には視点も立場も異なる100人が集まっています。本音で話すうちに議論が熱を帯びすぎてしまうこともあります。でも、それぞれが本当に自社のサービスが好きで、強い思いを持っているからこその熱だということは、議論をしている本人たちにも、周囲にいるメンバーにもありありと伝わってきました。

 ツイッターというプラットフォームも、ひとつの件に関していくつもの視点や立場からの意見が集まる場でもあります。異なる意見があって当然で、その中で一緒に解決策を見つけようという方法は私たちのプラットフォームを見ているようでもありました。

 別の面で「働き方」を考えさせられる機会もありました。

 私たちは、幼い子どもがいたり、介護の必要のある家族がいたりする社員も、男女問わずできるだけ快適に働ける環境にしたいと考え続けてきました。そんなとき、産休から復帰したある女性社員に「子どものいる女性社員の中にも、いろいろな考え方や生き方があります。私はママだからといって過保護にしないでほしいと感じています」と言われました。

 私たちは「子どものいる社員」として、つい1つのグループにまとめてしまいがちです。当然、人によって考え方も事情もちがうはずですよね。

 良い待遇やおしゃれなオフィスは快適な労働環境を提供します。でも、目に見えるものだけでいきいき働ける環境が提供できるわけでもありません。

 背景や事情の異なる社員それぞれに、会社で働くことで得ることができる体験も提供できるようにすることが大切なのだとあらためて感じた数週間でした。
[日経産業新聞2017年10月19日付、日経電子版から転載]

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