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トビタった!私たち(11)マルチRINOのメキシコ奮闘記(4)
トビタテ!留学JAPANで留学 異⽂化交流祭りを開催しよう!

トビタった!私たち(11) マルチRINOのメキシコ奮闘記(4)トビタテ!留学JAPANで留学 異⽂化交流祭りを開催しよう!
authored by トビタテ!留学JAPAN

 早稲田大学大学院修士2年の丸田理乃(まるた・りの)です。前回は浴衣姿でのコンサート、書道の教室、着物イベント、茶道など、さまざまな日本文化を発信し、多くのメキシコ人との交流をした話を書きました。でも、私の「トビタテ!留学」はこれで終わりではないのです。

メキシコ留学3回目 異文化交流祭りを開催しよう!

 6月に入りに、私は日本とメキシコ異文化交流祭りを立案しました。これまでの私は、あらかじめ用意された場所に行き、頼まれたことを何でもマルチに活動してきましたが、「トビタテ!留学」中にであった日系メーカーや商社の方、日系二世、三世の方など色々な方と話す中で、感じたことがありました。

日本とメキシコは400年以上前から交流があります

 「400年以上前から交流がある日本とメキシコ。交流から生まれた感謝などの心の繋がりが深かった。今は、技術的なビジネスがメインで、ビジネスの関係は深まったかもしれないが、お互い相手を理解しようとする心の距離は遠くなっているのではないか。双方の顔の見えない関係になっている。それがお互いの理解不足や摩擦にも繋がっている。」ということです。日本とメキシコの文化の違いからくるズレが生じているのだと思いました。「今こそ、顔を見ながらの交流を深めることが重要なのではないか! よし、私がその機会を作ろう」と思い立ちました。

 長い目線で見た時、ビジネスメインに偏りがちで心の距離が遠くなっている日本とメキシコの文化の相互理解が重要になってきます。そこで異文化交流の場を自ら開こうと考えたのです。

 会場をメキシコの首都メキシコシティの南部の街、ソチミルコに選びました。ソチミルコを選んだ理由は、古くからの伝統文化が残されているからです。ソチミルコはアステカ文明の面影を残す運河が流れる世界遺産の街です。文化を大切にしている日本だからこそ、伝統を大事にしているソチミルコと交流ができるのではないかと考えました。

 そして、私に共感してくれたソチミルコに住んでいる仲間達とソチミルコ区に働きかけを何度もしました。ようやくアポイントメントがとれ、7月に入り、ソチミルコ区政に乗り込んで区長と課長達の前で異文化交流イベントのプレゼンをしました。

ソチミルコ区長さんなどの区役所の方の前でのプレゼン

行政区と一緒に「そち祭り」

 その結果、「メキシコにかつてないイベントをやってみよう!」「来場者目標は7万人」と、メキシコ史上最大級のお祭りをつくろうと、行政区であるソチミルコ区が動いてくれました。名付けて「そち祭り」です。メキシコ史上最大級の日本とメキシコの異文化交流イベントです。ソチミルコ区がイベント会場の提供や、支援協力をしてくれることになりました。そして私に共感してくれたメキシコ人の仲間たちと「そち祭り」実行委員会を立ち上げ、趣旨や目的など活動内容を決めました。

ソチミルコの運河のパレード

 ソチミルコ区との話し合いにより、開催日は2017年12月2日と3日に決まりました。祭り開催に向けて協力者を募るため、私はメキシコシティにある日系メーカーや商社の方、今までの留学で知り合った日系二世、三世の方など色々な方にお願いに伺いました。企画内容を話すと「学生には無理」「実行できるわけがない」などと厳しい言葉をたくさんいただきました。

 でもその時私を後押ししたのは、「トビタテ!留学生」は日本代表であるということでした。私の想いを知ってもらおうと、とにかくいろいろな方に会いに行き、熱意を伝えました。「学生だからできることもある」「今しかできないこともある」と、応援してくださる方もいます。残された「トビタテ!留学」期間最後まで、時間の許す限りメキシコシティ中を奔走しました。

トビタテ!留学JAPAN報告会での出会い

 日本に帰国後、「そち祭り」を日本からアプローチしようと、周囲に相談をしました。学生団体の時のご縁を頼りに、都内を西に東に奔走し始めましたが、この時私は都内に家がなく、片道4時間ほどかけて高速バスの移動です。時間的にも、体力的にも、おさいふも、たいそう苦しい状況でした。とにかく、ひたすら熱意だけで突き進んでいました。

トビタテ!留学JAPANの成果報告会でのプレゼン

 9月に入り、「トビタテ!留学」の事後研修会がありました。そこで、文部科学省官民恊働海外留学創出プロジェクトディレクターの船橋さんを始め「トビタテ!」事務局の方々とお話しすることができました。そこで多くのヒントをもらうことができました。翌日第3回「トビタテ!留学JAPAN事業報告会」に参加しました。ここで、私は、「トビタテ!留学 JAPAN」で世界各国に飛び立っていた熱い仲間と出会います。

 私はその場で、自分が取り組んでいる「そち祭り」についてみんなに話しました。共感してくれた仲間たちが集まり、日本そちまつり実行委員会が立ち上がりました。それから毎日のようにメンバーとミーティングを重ね、日本各地の仲間が「そち祭り」のために始動しはじめました。

ソチミルコのパレードの様子

プロフィール
丸田理乃(まるた・りの) 早稲田大学大学院修士2年。メキシコ国立自治大学(UnivercidadNacional Autonoma de Mexico)研究生。メキシコに魅せられて留学すること5回。やりたいこと、見たいもの全てに熱意を持って働きかける。茶道、書道などの日本文化からメキシコ舞踊まで人並みはずれたバイタリティーでマルチにこなしている。