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志望業界、どこまで絞るか、どこまで広げるか

ホンネの就活ツッコミ論(39)

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今回のテーマは、「志望業界」です。12月から就職情報会社各社ともインターンシップ等のイベント・合同説明会を続々と開催していきます。一方、学生からすれば、あることで、この時期に大きく悩みます。それは志望業界をどこまで絞るかどうか、というものです。ネットの匿名掲示板、それから一部の就活マニュアル本では、志望業界は絞った方がいい、としています。

志望業界を絞ると、楽なことは楽

志望業界を絞ることによるメリットは、業界研究が楽になる点です。志望業界を絞ることで志望企業も決めやすくなるでしょう。採用担当者・キャリアカウンセラーによっては自身の経験から、志望業界を絞った方がいい、と話す方もいます。ご自身の就活のときに、志望業界を絞らなかったことによる失敗例を見ているからです。

パターンとしては、面接のときに、志望企業に聞かれて志望業界がバラバラで人気企業だけだと、「人気どころ、大手企業ならどこでもいいんだね」と、言われて、うまく返答できず落ちていった、というもの。だから志望業界を絞った方がいい、となるわけです。

大学1、2年生から準備している学生との落差も

それから、志望業界を早い段階で絞ったことで内定を取った、とする成功談も多くの学生を悩ませます。もっとも、そうした成功談は、よくよく観察していくと、絞る段階が極端に早い傾向があります。

具体的には航空業界やマスコミ業界など。大学3年生どころか、大学1、2年生のうちに志望業界、さらには職種を決定。そのための専門的なトレーニングを早いうちから積んでいる、という学生です。 公務員も同じで、早いうちに公務員志望を決定。試験対策の勉強をコツコツしていかないと間に合わないでしょう。

ところが、大半の企業の総合職の場合、大学1、2年生から志望を決定している必然性があるか、と言えばそんなことはありません。そうした事情を飛ばして、「早めに志望業界を絞ったから就活に成功しやすい」とまとめるのは無理がある、と私は考えます。

好きから始まる志望業界は失敗しやすい

志望業界の決め方で危険と私が常々感じるのは、イメージや好き嫌いだけで決めることです。もちろん、業界のイメージなり、個人の趣味嗜好から決める、という手法を全否定するものではありません。とは言え、イメージ・趣味嗜好だけですべてを決めると就活が失敗しやすくなります。

なぜなら、いくら業界研究・企業研究を進めたところで根底にあるものが薄すぎる、と企業が考えてしまうからです。当然ながら選考はことごとく敗退することになるでしょう。食品業界や日用品・雑貨など消費者たる学生になじみある製品を扱う業界・企業であれば、「好きだから」と言われればどうでしょうか。「ずっと、うちのいいお客さんでいてください」で終わりです。このあたりは連載7回目「鉄道オタクが鉄道会社に嫌われる理由」にまとめました。

イメージ先行もほぼ同じ。派手そうな業界・企業であっても、実は地味な仕事が多い、というのはよくある話です。イメージが先行している企業もそのあたりは先刻承知。学生がうわべだけのイメージだけで業界・企業研究を進めたかどうか、よく見ています。もちろん、イメージ先行だけの学生はことごとく落とされることに。志望業界を絞ればいい、というものではない好例と言えるでしょう。

電機業界と言っても広すぎて失敗

それから、「●●業界」とひとくくりにしても、企業の扱う製品・商品・サービスや方向性は全く別、ということもよくあります。たとえば、食品業界と言えば大半の学生はロッテ、森永製菓などの食品メーカーを想定します。

しかし、食品業界であれば、三菱食品(東京都大田区)、加藤産業(兵庫県西宮市)、山星屋(大阪市中央区)など食品卸、林原(岡山県岡山市)などの原料メーカー、イシダ(京都市左京区)のような計量機器メーカーまで広く含みます。

産業用ロボットもパナソニック(大阪府門真市)、ヤマハ発動機(静岡県磐田市)などの有名企業もあれば、安川電機(福岡県北九州市)、ファナック(山梨県南都留郡)など知名度は低くても世界シェアを持つ企業もあります。ユーシン精機(京都市南区)はプラスチック射出成形品の取り出しロボットで世界シェア3割を占めます。

学生が失敗しやすいのは、新聞の株価欄や業界研究本のカテゴライズを真に受けてしまうことです。その典型が電機業界。昔からあるイメージ、つまり家電製品を想定して志望する学生が例年、多数います。

しかし、大手だけ見ても、パナソニック、日立製作所(東京都千代田区)、富士通(東京都港区)など、それぞれカラーも注力する分野も異なります。少なくとも、家電メーカーという旧来のイメージで選考に臨むには今では無理があります。

売り手市場も影響、最初は広く

ここ数年、売り手市場の影響もあって、志望業界は結果的に絞らなかった、とする内定学生が増えています。採用担当者に取材をしても、志望業界を絞ったから特に選考で有利にはならない、と口を揃えます。

内定学生の傾向を見ていると、増えているのが業界ではなく、自分なりの軸を持っているかどうか。マーケティングがやりたい、学んできたITを軸としたい、働きやすさを重視したい、などなど。これも一歩間違えればイメージ先行になる危険性はあります。

しかし、自分なりの軸をもって、複数の企業・業界のインターンシップ・セミナーなり、合同説明会なりに参加していけばいいのではないでしょうか。広く見ていくうちに、3年生の2月から3月にかけて、就活が進むにつれ、志望業界は自然と絞れていくでしょう。あるいは、自分なりの軸がはっきりしていれば、複数の業界を志望していく、ということもあり得ます。

少なくとも3年生12月段階で志望業界をどこまで絞るか、あれこれ悩む必然性はあまりありません。まずは広く情報収集をしていきましょう。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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