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とことん学生にちょい足し学生は追いつけるか

ホンネの就活ツッコミ論(42)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは、「とことんやるか、ちょい足しか」です。就活において、とことん突き詰める学生は周囲が引くほど突き詰めます。では、どれくらい突き詰めるのでしょうか。多くの普通の学生からすれば、とことん突き詰めるのは無理、と感じるかもしれません。確かにわずか数カ月で追いつくのは無理でしょう。一方、ほんのちょっと、前に進むだけで変わることもあります。では、ちょい足しとはどのようなものか、合わせてまとめてみました。

とことん学生は本当にとことん突き詰める

就活取材を続けていると、たまに、ではありますが、志望業界・企業についてとことん突き詰める学生に出会います。そこまでやるのか、と思えるくらい、突き詰めるのがとことん学生の特徴。では、その実例をご紹介しましょう。

まずは「キャッチ就活」から。これはキャッチセールスとほぼ同じで、志望企業のビルの前に張り込み、社会人にひたすら声をかけていきます。時間を取ってくれそうな人がいれば話を聞き、無理なら名刺をもらって後日連絡。ひたすら話を聞いていったそうです。一歩間違えれば、犯罪とまでは言わなくても、ビル警備員の方が「君、迷惑だから」と怒りそうな行為。人事の耳にも入り、そこまでやるなら、ということで締め切ったはずのインターンシップに特例で参加。内定まで至ったそうです。

もう少し、穏当なところでは「わらしべ長者」。この学生、まずは大学のゼミの先生に話を聞き、別の先生を紹介してもらいます。そこから、別の教員や社会人を紹介してもらい、というのを繰り返しました。気が付けば、本来ならOBのいない大企業の役員にまでたどり着き、これも内定。

別のわらしべ長者学生は、ゼミ教員を飛ばして学部長、学長を直接訪問。自分がいかに志望業界・企業に行きたいかをとうとうと説明したうえで、ぜひ関係者を紹介してほしいと伝えました。その度胸と迫力に圧されて、この学生なら間違いない、とこれも関係者を紹介。回りまわって内定まで行ったそうです。

大学をあてにせず、直接、手紙・メールで連絡していった、という学生もいました。テレビ業界志望の学生は、テレビ業界にいながら本や記事を書いたプロデューサーに手紙・メールをどんどん送りました。本や記事を書いた人は反応があればうれしいですし、まして会ってくれ、という学生からのメールも意外とむげにはしません。この学生も、すべてではないものの、数人のプロデューサーと会うことができました。

企画学生も、とことん学生の一種でしょう。その企業のビジネスを分析。さらに、新規企画案を作成し企画書にまとめるのです。あるメーカーで、この企画書をまとめて提出しようとしたのですが、最終選考では出す機会を逸してしまった女子学生がいました。しかし、このメーカーは採用担当者が選考後のフォロー役でもあったのです。このときも、うまく話せなかった学生をフォロー、さらに企画書の話を聞くと、これを受け取りました。結果、この学生も内定まで至っています。

とことん学生の手前で力尽きる

こうした、とことん学生はそこまで数が多くありません。そのため、多くの学生からすれば「そこまでやるのは無理」と考えることでしょう。それから、似たようなことをやるものの、空回りして内定まで至らない例は多くあります。

たとえば、先ほどの企画学生。直木賞作家・羽田圭介さんの就活小説『ワタクシハ』でもこの企画学生は登場します。作中では空回りする例として出ていました。実際に、空回りしやすいのが企画学生で、具体的にはエントリーシートにUSBメモリーや企画書そのものを同封するケース。大半が読まれずにごみ箱行きとなります。

書類選考段階で企画を送られても捨てる流通企業の採用担当者に話を聞いたところ、「タイミングではないでしょうか」とのこと。「書類選考段階だと、どこの誰か、よくわかりません。その時点で企画書を送られても読む手間がかかるだけです。同封を認めていたら、きりがありません。その点、最終選考やその手前あたりまで行けば、選考参加の学生と採用担当者の間には、ある種の信頼関係が生まれています。その時点で企画書というのは有効となることもあるのではないでしょうか」

ちょい足し学生は普通の学生でもすぐできる

では、普通の学生は、とことん学生に負けるのでしょうか。同じ道を歩もうとしても、とことん学生に追いつき追い越すのは時間がかかりすぎます。では、逆転不可能か、と言えばそんなことはありません。まず、こうしたとことん学生は少数だからこそ意味があります。多数であれば企業は採用する気がなくなるでしょう。それから、とことん学生の「志望企業、業界をさらに調べよう」とうする心意気は真似る価値があります。

では、普通の学生でも簡単にできて、言うなれば「ちょい足し」学生に変身できる方法とはどのようなものでしょうか。まずは、新聞。必要性や読み方などは32回にまとめました。見出しを読むだけでも確実に変わるはず。

さらに、大学キャリアセンターや図書館のパソコン・検索システムには新聞検索システム(日経テレコンなど)が入っています。これで、志望業界・企業を入力すると、関連記事が出てきます。もちろん、「取締役には××が就任」など小さな記事も含めてなので、全部読む必要はありません。関連ありそうなものだけでも読むといいでしょう。規模の大きな大学だと、就活終盤になれば、この検索システムから記事を検索。関連記事を大量にプリントアウトするちょい足し学生が風物詩となっています。

「行ってくれたから内定を出す、というわけではないですが」と断るのは、ある食品会社の採用担当者。同社は製造だけでなく、高級レストランも運営しています。「うちの店でコースを頼めばそれだけで数千円。夜だと1万円を超えることもあります。それだけ高額な負担を学生に求めるわけではありません。しかし、例えば、コーヒー1杯で店の雰囲気を知るとか、そういう努力はしてほしいところです。あまり言いすぎると、自社の宣伝と言われかねないところですが」

似たところでは、銀行なら支店訪問。住宅メーカーなら住宅展示場など、その企業について見学可能な場所を見ておく、というものです。志望業界・企業全てにおいて見学するのは無理でも、志望順位が高いならやっておくといいでしょう。

最後に、新聞購読の中でも、マスコミ、流通、商社、メーカー(日用品、食品など)を志望するのであればお勧めしたいのが、日経MJです。もとは日経流通新聞であり、現在も流通情報を中心とした新聞で週3回の刊行。日経本紙にない特徴として、言葉のセンスの面白さがあります。

12月25日付の1面はブランド米について。切り口も面白いのですが、中見出しは「PR派手に『センター』狙う」。小見出しは「『棚』選抜に残れるか」「石川は『割安』大票田狙い」「高級化価格に『1俵の格差』」。どこのアイドル総選挙を意識しているか、と言いたくなりますが、記事自体はちゃんとブランド米についてまとまっています。言葉のセンスもいいですし、記事の切り口も今、何が流行っているか、注目されているのか、丁寧にまとめられています。商社や日用品・食品メーカー志望はもちろんのこと、マスコミ志望者も読むと、他の就活生とはちょっと違う味が出せるかもしれません。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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