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海外で働くヒント(3)日本の次は、台湾市場を開拓せよ!

海外で働くヒント(3) 日本の次は、台湾市場を開拓せよ!
authored by 小嶋冬子KOVAL Distillery

 KOVALで働き出して、アメリカと日本での仕事のやり方に少しずつ慣れてきた頃、急に会社から命じられた台湾の市場開拓。それまでは、英語とウイスキーのことを勉強するだけで精一杯の生活を送っていましたし、何よりも私の意識や興味は英語圏の文化にしかありませんでした。しかし、今回の市場開拓は今度こそ誰も知らない国で、ゼロからのスタートです。

いざ、市場開拓! でも、何から始める?

時間を見つけて台湾を散策中.この後すぐにビールを飲みにいきました(笑)

 市場開拓をする際に、過去の経験から、全ての順番をすっ飛ばしていきなりインポーターの会社へ電話するのは、台湾の市場ではいくらなんでもやめておこうと思っていました。しかし、またも同じような方法で市場を開拓することになります(笑)。

 今回は、台湾への輸出も多く、世界で最も売れている日本のクラフトビール会社のCEOに電話して、台湾のインポーターを紹介してもらいました。その後すぐに商談のアポイントを取りました。

 ちょうどウイスキーの展示会があることを知り、その展示会へ参加申し込みをして出張日程に組み込み、航空券を手配。今度はシカゴから日本へではなく、日本から台湾へ販促用のボトルと重いロールスクリーンを抱えて飛び立ちました。ちなみに中国語はこの時も、今も、できません(笑)。

台湾で気付く自分の成長

 さて、初めての台湾に着いたらすぐに商談へ。その時はその輸入会社のマーケットマネージャーが3人、加えてその会社の投資家とCEOとの商談でした。この機会を逃してしまえば、私にとって出張自体の意味がなくなってしまうほど最重要な会議でした。

KOVALを初めて味わう人。興味津々に話を聞いてくれています

 そんな重要な会議のプレゼンで、意外な自分の成長に気付きます。日本での市場開拓時には説明しきれなかった、KOVALに関しての細かい説明、価格の話や、貿易に関することを、いつの間にか全て英語で説明ができるようになっていたのです。

 自分の考えていることを率直に英語で伝えられた商談は手応えがあり、その結果、彼らと契約を結ぶことに成功しました。

台湾の飲み方に驚きの連続

 商談の次の日、すぐに台湾での初めての展示会への出展を控えていた私は、同じアジア人ということもあり、日本と台湾のお酒の飲み方は似ているのでは、とすっかり思い込んでいました。しかし、それは全くの見当違いだったのです。日本でのウイスキーフェスティバルや、その他の展示会では、展示されている様々なウイスキーを楽しむことを目的としていて、軽食が簡単に用意されている程度です。こういった環境は、普段飲まないような貴重なウイスキーや新商品などを、しっかりと味わえる機会にもなっているのです。

初めての展示会。野外だったこともあり暑い中、ビジネスパートナーと乗り切りました

 てっきり台湾もそうだろうと思い込んでいた私ですが、この時、出展した台湾のウイスキーの展示会では、様々なウイスキーを試飲するまでは一緒でしたが、食べ物が、軽いおつまみどころか、なんと、台湾料理のフルコースが出てきたのです! ある程度自由にウイスキーを飲み歩く時間が設けられたあと(ここまでは日本と一緒)、夕方からは食事が始まり、来場者は各テーブルで宴会状態に(笑)。

 聞いたところ、「ウイスキーを味わうと同時に、楽しい時間を過ごしたいから」とのことでした。確かに、ウイスキーは杯数をたくさん飲んでしまえば、酔いが回って味覚が劣ることもあります。なので、ある程度しっかり味わった後は、楽しく飲むという方向にスイッチすることもお酒の飲み方の1つかもしれません。

 しかし、KOVALという商品が果たしてこの飲み方に向いているか、と私の中で大きな疑問が浮かび上がりました。そして、ここから台湾への販売戦略を考えることが本格的に必要になったのです。台湾市場での販売戦略については次回で詳しく説明します。

台湾のイベントが全て終わった時、みんなで乾杯しました