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海外で働くヒント(4)台湾の人にはフルーティーなカクテルを提案!

海外で働くヒント(4) 台湾の人にはフルーティーなカクテルを提案!
authored by 小嶋冬子KOVAL Distillery

 前回は初めて台湾での商談の話、展示会で気付かされた台湾の人々のお酒の飲み方の違いを紹介しました。今回は台湾でのプロモーション方法についてお話しします。

私が持ってきたサンプルを使って、その場でカクテルを考案してくれているところ

 私が働いているKOVALのお酒は、全てオーガニックの原材料を使用しているということもあり、普通のお酒に比べてやや高価格帯に設定されています。そのため、水のようにたくさん飲むというスタイルには向いていないのです。そうなってくると、いくら商談がうまくいっても台湾の人に合った飲み方の提案をしないと意味がないと考えました。

 なぜなら、実際に台湾の人の飲み方を見て感じただけでなく、この日の展示会場内でも、参加していた人にKOVALの価格を伝えると「少し高い」と何度も言われたからです。きっとそれは「たくさん飲む」という考えからきた言葉だったのでしょう。しかし、この時の滞在期間はたった2日。この時の出張では台湾でのプロモーション方法に対する明確なヒントが得られないまま、日本に帰国することになってしまいました。

台湾市場いよいよ開始。でも販売数は伸びず...

 台湾への市場開拓をして数カ月。日本市場を開拓した時よりもはるかに速いスピードで市場開拓を成し遂げました。シカゴから台湾への初回の出荷数も悪くはありませんでしたが、ここで安心できないのが私の仕事。その後の台湾国内での販売数をある程度保ち、次の出荷に繋げなければならないからです。

ネグローニというカクテルが特に美味しかったです

 前回の出張で、商談はうまくいったものの、具体的な販売戦略を見い出せないまま、中途半端な感じで帰国しました。それが数字に反映されたかのように、初めの売り上げは良かったものの、すぐに伸び悩みます。

 日本では、スコッチとアメリカンウイスキーを全く別物と認識してくださる方が多いので、ストレートでも飲んでくれる人が多くいます。一方、台湾ではウイスキーの熟成年数がしっかりと明記されているウイスキーが人気ということもあり、まずはスコッチに目が行ってしまいます。そのため、KOVALのウイスキー本来の味わいを感じてもらうためには、まずはどうにかして飲んでもらうことが必要不可欠でした。

 しかし、KOVALウイスキーの販売拡大に関して、どうしても戦略が見つからなかったので、ここは一度、ウイスキーから離れて考えてみようと思いました。

他のお酒が販売戦略のヒントに

 ずっと悩んでいたことは「台湾の人にどうすればKOVALのウイスキーを飲んでもらえるのか」ということです。たぶん、「視野が狭すぎる!」と言われても仕方のないことかもしれませんね(笑)。

KOVALの商品です

 前回の出張で、台湾の人は「ウイスキーを片手に誰かと楽しい時間を共有していた」ということが私の中で最も印象に残っていたことでした。しかし、台湾の人は、「どんな時に、どんなお酒を飲むのか」ということは、まだ一度も考えたことはありませんでした。ですので、私は台湾市場で日常的に楽しまれているお酒の種類を探っていこうと思ったのです。

 そして、あるお酒が大きなヒントになりました。それは、台湾ビールです。前回の出張で、台湾で飲まれているビールはよく冷えていて、味わいはすっきりしたものが多いと知りました。そして、少し価格が高めのビール(手造りされたクラフトビールなど)はすっきりした感じもありますが、それに加えてフルーティーさや、マンゴーなどを思わせるトロピカルな味わいがしっかり含まれています。

 これは台湾の気候にも大きく反映していると考えました。暑い地域だと、よりすっきりとした味わいのものが好まれる傾向にあり、逆に寒い地域だと、とろみがついたコクのある飲み口が好まれるのでは、と私の経験から導きだすことができました(スコットランドとシカゴでたくさんお酒を飲んだ経験は無駄ではなかった、かな。笑)。

 それならば、台湾では、すっきりとフルーティーな味わいのお酒が好まれるのであれば、ビールは造れなくても、カクテルでその味わいを表現していけばいいと考えたのです。ウイスキーをストレートで勧めるのではなく、見た目も綺麗で、味わいもフルーティーで飲み応えがあるカクテルを、台湾のバーテンダーにつくってもらうことに、方向転換していきました。

そして、更に台湾市場でもう1つ重要な仕事をすることになります。それはまた次回で。

街並み.夕飯は夜市で済ましてからバーに行く人も多いんだとか