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career-働き方

語学で起業(1)言語学習に興味を持ったきっかけ

語学で起業(1) 言語学習に興味を持ったきっかけ
社員と合宿した時
authored by 喜 洋洋株式会社Lang-8 代表取締役

 はじめまして。「世界中の人達の知が行き交う場所を作る」をコンセプトに言語学習サービスをグローバル展開する株式会社Lang-8を立ち上げ、代表取締役をしております喜 洋洋(き ようよう)と申します。これから起業を考えている方や語学学習に興味がある方へ向けて僕のこれまでの実体験などを踏まえ記事をお届けさせて頂けたらと思います。読んで頂いた方へ何かしらの助力になれば幸いです。

中国生まれ日本育ちの僕

母国語でもある中国語が不自然だという自覚もあって中国留学を決意しました

 まずは簡単に自己紹介を。僕は中国生まれで4歳の時に来日して以来、日本の学校に通いここ日本で育ちました。来日当時の記憶を思い返すと、物心着いた時にはすでに日本語が話せるようになっていました。どうやって習得したかは、正直言うとあまりよく覚えていません。当時、保育園に通っていたのですが、大人が「やっぱり子供は言葉の習得が早いわね」と言っているのを耳にし、子供心に生意気ながらも「これくらい大したことない。当たり前やん」って思っていたのをはっきりと覚えています。当然僕が凄いと言うよりは、吸収力の高い子供だからスッと言語を習得できたんだと思います。

 その時くらいからだったかと思います。言語の習得過程に興味が湧き、周りをいろいろと観察するようになりました。身近な所で言えば、大人になってから来日し日本語のニュアンスが少しおかしかった両親の姿や、小学校低学年で海外へ行き家庭で母国語を話さず完全に母国語を忘れてしまった子、高校1年生で中国から来日し1年間でイントネーションまで完璧になった子(高1くらいが言語をイントネーションまで完璧にマスターするギリギリのラインかなって思いました)など、たくさんの人達を見てきました。

京都大学へ進学、そして上海留学へ

上海留学時は中国人の学生寮にて友人と生活をしていました

 その後、僕は京都大学に進学するのですが、僕自身も母国語でもある中国語が不自然だという自覚があり、中国語を上達させるために1年間休学し、上海に留学しました。ちなみに、両親の方針で家では中国語を話していたおかげで4歳レベル程度はずっとキープできており、少しだけ中国語は話せる状態でした。これに関しては両親にとても感謝しています。

 上海留学中に、中国人の友人と会話することで語学能力はもちろん上達していくのですが、会話での一番の目的はコミュニケーションをとることであって、いちいち会話を遮って「今の表現は不自然だよ」とか「発音はこっちの方がいいよ」などは教えてくれません。

 自分の中国語の表現や発音に違和感を感じていた自分としては、そう言った部分を直したくて毎日中国語で日記を書いたりもしました。そして、日記を中国人の友達に添削してもらうようにしていました。これが非常に勉強になり、会話ではわざわざ指摘してくれない点も指摘してもらえることで、さらに上達していきました。また、中国語を教えてもらうお礼に日本語を勉強している中国人の学生には日本語を教えてあげました。これがいわゆるLanguage Exchangeなのですが、当時の僕は実体験もあり「これってめちゃくちゃいい仕組みだなー」と思っていました。

留学していた上海の大学

日本へ帰国してからの新たな一歩

 留学が終わり日本に帰った時には上海の熱気に影響されていたこともあり、活発に行動するようになっていました。そんな時に、ビジネスコンテストというものがあるのをたまたま知り、参加してみました。そのビジネスコンテストの主催会社の代表の方のプレゼンでは、ユーザーさん同士の力を活用するWeb2.0という概念を学びました。当時mixiが流行っていたことも相まって、「世界中の人がお互いに母語を教え合うSNS」があれば面白いのでは、と思ったのが最初の起業のアイデアのきっかけとなります。

 また、それまで起業という発想は全くなかったのですが(なんとなく世界を股にかける仕事はしたいと思っていましたが)、ビジネスコンテストで「ITって分野は面白そうだな」「こんな若い方でも社長ができるのか。だったら自分にもできるのでは」という大きな勘違いをし、起業することになるわけです。

ビジネスコンテストの時の写真

 以上、今回は僕が言語学習に興味を持つきっかけになった体験談を書かせて頂きました。次回は僕が手がける自社サービスに少し触れながら、言語学習に関してさらにもう一歩踏み込みつつ、自社事業を立ち上げ、そこからグローバル展開に至るまでの実体験なども踏まえて書こうかと思っています。言語学習に興味ある方も、グローバル事業立ち上げを検討中の方にもぜひ読んで頂けたらと思います。