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チェック!今週の日経(41)家電見本市、主役はAI
自動運転技術が焦点に

チェック!今週の日経(41) 家電見本市、主役はAI 自動運転技術が焦点に
米グーグルはCES会場に音声アシスタントのブースを出展した
authored by 日経カレッジカフェ 

 学生の皆さん、明けましておめでとうございます。日経の研修・解説委員や日経カレッジカフェの編集スタッフが、この1週間の日経電子版や日本経済新聞から企業ニュースを中心にピックアップし、解説する「チェック!今週の日経」。今回から2018年のシリーズがスタートします。2019年の就活を始めている3年生の皆さんはもとより、2年生の皆さんも、1年生の皆さんも、このシリーズでニュースに触れながら、自分が気になっている業界や企業がどんな動きをしているのか、情報収集するきっかけにしてくだされば、と願っています。今回は産業界全体の中でも、その動きが常に気になる巨大な業界、電機業界のニュースを取り上げてみましょう。

家電見本市の主役はAI

紙面
1月11日付朝刊

 1月11日朝刊の1面トップは、世界最大の家電見本市「CES」の動向を伝えた記事でした。

「AI産業革命」始動 米見本市、IT2強が陣取り 車・家電...進化競う(1月11日)

 IT2強と見出しでうたっているのは、米国のIT有力企業、グーグルとアマゾンです。CESは1967年から続く全米家電見本市で、毎年1月に開かれ、その年の家電分野の技術動向を概観できる見本市として定着してきましたが、近年ではインターネット関連や自動車などに対象が広がっています。そして、今年の動向を見ると、主役はもはや家電メーカーの新技術ではなく、このIT2強の動きであり、技術的な焦点はAIであるということを、出展者を点描しながら伝えているのがこの記事です。

 韓国LG電子、ソニー、中国レノボ......。記事はテレビ、パソコン、スマートフォンなどの家電製品に強い企業の展示を紹介していきますが、目玉となっているのは、いずれもグーグルアシスタントというグーグル社が提供するAIアシスタント機能を搭載した製品です。一方のアマゾンが提供するのは、アレクサという音声AI技術。こちらを搭載した機器も、パナソニックやトヨタ自動車が発表していて、両陣営に分かれてのAI技術の製品化が今年のCESの見所になっていることを紹介しています。

パナソニック
パナソニックが展示した車載システム。同社のブースに家電はなかった

 この2強に割ってはいる企業として存在感を示した、と記事が紹介しているのは、中国のIT企業、百度(バイドゥ)です。インターネット検索で中国で覇権を握る同社は、開発連合「アポロ計画」を通じて自動運転技術の構築を進めています。そこには独ダイムラーなど世界の大手企業約50社が参画しています。立ち見も出た記者会見の様子を伝えつつ、「中国政府の後押しが強いバイドゥもAI開発で無視できないプレーヤーだ」と記事は指摘しています。

 こうした動向の中で、かつて家電王国を誇った日本の電機メーカーの存在感は薄いともリポートしています。家電製品で存在感を示したのは、韓国のLG電子やサムソン電子、中国の海爾集団(ハイアール)などで、パナソニックの展示ブースに家電製品がなかったことを指摘する記事もありました。そんな中、存在感のある日本企業はどこだったのでしょうか。

自動運転技術が存在感示す

 AIが主役となったCESで、その利用分野として発表が相次いだのが自動車メーカーです。次の記事がその動向の一端を伝えています。

トヨタ、多用途EV開発  通勤シェア・店舗から金融まで サービスを次の柱に(1月9日夕刊)

トヨタ
トヨタ自動車の電気自動車「e―Palette(イー・パレット)コンセプト」

 1台で移動や宅配、小売りなどの多様なサービスに使える自動運転車を開発、米アマゾン・ドット・コムや中国ライドシェア最大手の滴滴出行など5社と共同で、2020年代前半に米国で実証実験を始めるというのが発表の趣旨です。合わせて、そのコンセプトカーとして電気自動車(EV)の「e―Palette(イー・パレット)コンセプト」を披露しました。

 このほかにも仏ルノー・日産自動車・三菱自動車連合トップのカルロス・ゴーン氏もCESで記者会見し、自動運転やAIなどで優れた技術を持つ新興企業を投資対象とするベンチャーキャピタル(VC)を設立、5年で最大10億ドル(約1120億円)を投じると発表しました。日本企業以外でも、米自動車メーカー、フォード・モーターの社長兼最高経営責任者(CEO)であるジム・ハケット氏も初日の基調講演に登壇、自動車産業が成熟化し、自動運転やシェアエコノミーが広がる中、自動車にとらわれない移動手段(モビリティー)による豊かな市民生活を目指すと話しました。

 CESの中心的技術動向がAIになった今年、利用分野として大きな脚光を浴びた自動車。電機業界が培ってきたテクノロジーは、家電に留まらない広がりを見せるようになりました。自動車が次世代の踏み台になることは明らかですが、今後は製品という形をとらない生活サービスや産業の技術基盤として、次の成長を目指していく時代へと向かっているのかもしれません。

(企画委員 水柿武志)

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