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ツイッター返信で内定 中古車大手の採用戦略

ツイッター返信で内定 中古車大手の採用戦略

 中古車販売大手のネクステージが採用手法に工夫を凝らしている。2019年入社予定の新卒採用では、「ツイッター」で合否を決めるやり方を一部で導入する。文章の面白さや機転など、通常の採用面接では測れない能力を見極める。中古車業界は人材確保に苦しんでおり、学生の関心を高める狙いもある。

ツイッターに「お題」を掲載し、就活生から返信を募る

 ツイッターのリプライ(返信)を内定の判断材料とする「ツイッター採用」を19年卒から本格的に導入する。18年卒でも試験導入し、一定の利点があると判断した。

 ツイッター採用は、ネクステージがツイッター上に業務内容に則した写真を投稿し、そこに返信してもらうやり方だ。「店員と来店客が車を指さしている」シーンなどを想定しており、「2人は何をしているでしょう?」といった「お題」を設定。学生は自分のアカウントで投稿に返信する。

 8人の採用担当者のうち過半数にあたる5人が返信を「面白い」と認めれば、内定を出す。

19年卒の採用数は、18年卒に比べて約2割増の500人を計画している。そのうちツイッターを利用した新制度で10人の確保を目指すという。

 通常の採用フローでは、会社説明会と2回の面接を経て内定に至る。ツイッター採用では面接を省略し、ツイッターの返信でのみ合否を判断する。学生とはダイレクトメッセージで連絡を取り合うため、ネクステージは一度も学生の顔を見ないまま内定を出すことになる。リスクもあるが、人財開発部長の安藤滋一執行役員は「最近の学生は面接では把握できない能力を持っているケースがある」と期待する。

 新卒学生は主に販売要員として採用されるが、これまでは対面でのコミュニケーション能力を重視する傾向があった。

 ツイッター採用を導入したきっかけは、17年4月に入社したある新入社員の活躍だ。口べたで来店客と話すことが苦手であるにもかかわらず、17年7月~11月の5カ月間の販売成績は約100人いる営業担当の同期で首位だった。顧客向けに機転を利かせた丁寧なメールの文章が結果につながっていたという。

 一方で、中古車業界ならではの事情ものぞく。売り手市場にあって、サービス・小売業の人気は高くない。その中でも中古車業界は、値付けや買い取りなどの基準が不透明なイメージから、学生が敬遠する傾向もあったという。「何か面白いことに挑戦している会社なんだな、という前向きな印象を感じてもらいたかった」(安藤氏)。

バーベキューを通じて学生の協調性などを判断する

 ネクステージは18年卒の採用では、バーベキューを通じて学生の能力を見極める「バーベキュー採用」も実施している。

 面接の代わりに、4人の学生と2~3人の社員が1つのグループを作ってバーベキューを楽しむ趣向だ。肉を焼いて取り分けるといった振る舞いから社員が学生の協調性などを判断する。これも「会議室での張り詰めた面接では学生の本音や本質が引き出しにくい」との考えから導入した。

 17年は名古屋市でバーベキュー採用を実施し、参加者25人のうち16人に内定を出した。19年卒では開催地を拡大し、20人を採用する計画だ。

 このほか採用担当者が運転する車の助手席に学生が乗り込み、ドライブしながら気配りをチェックする「ドライブ採用」などの新機軸も検討しているという。

 最近では就活の話題は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じ、学生の間に一気に広がる可能性も高い。ユニークな採用手法への認知度が「口コミ効果」で高まり、幅広い学生に興味を持ってもらえることを期待している。

(企業報道部 河野真央)[日経産業新聞 2018年1月11日付、日経電子版から転載]

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