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ホンネの就活ツッコミ論(45)集団面接のときはどこを見ればいい?
~就活生がよく持つ素朴な疑問

ホンネの就活ツッコミ論(45) 集団面接のときはどこを見ればいい?~就活生がよく持つ素朴な疑問
authored by 石渡嶺司大学ジャーナリスト

 今回のテーマは「素朴な疑問」です。なかなか聞きづらい、それでいて知りたい。そんな疑問を解消していきます。私もよく学生から質問を受けるのですが、そのうち、なかなか他では回答が出ないようなものについて、まとめました。些細なことかもしれませんが、知っておくと意外と得をする。かもしれません。

 今回は「集団面接のときの視線、どこに合わせればいい?」「集団面接で前の学生が長々と話したときどうすればいい?」「リクルートスーツ、他の人と違うものにしたいけど大丈夫か」「福利厚生が大事、と聞いたけど、どこで見ればいい?」「業界を絞るのは早い方がいいのか」の5点です。

集団面接のときの視線、どこに合わせればいい?

 まずは、タイトルの表題テーマから。就活シーズンに入ると、3人に1人から、必ず出る質問と言ってもいいくらいです。質問をした学生に聞くと、「話し終えた後、どこを見ればいいか、わからなくて。面接担当者をじっと見ていればいいのか、それとも、下を見ていればいいのでしょうか」と。

集団面接時にどこを見ればいいのか?

 なるほど。まず、面接担当者をじっと見ているのは、あまりよくありません。特に話をしているわけでもないのに、じっと見られると面接担当者はどう思うでしょうか。自分の顔に何かついているのか、それとも別の理由があるのか、訝しがります。どちらにしても、良い印象を与える、とは言えません。

 と言って下を見ているだけでも悪印象。では、どうすればいいか。答えは簡単で、他の学生、それも指名されて回答している学生の方を少し向くのです。視線はその学生の顔よりやや下。要するに、他の学生の話もちゃんと聞いているようにすればいいのです。実際、企業によっては、グループ面接で他の学生の発表に対してどう思ったか、というフェイント質問を入れてくることがあります。

集団面接で前の学生が長々と話したときどうすればいい?

 「自己紹介を」と言われて、トップバッターの学生が、「××大学▲学部から参りました●●です。趣味は■■で~ということをよくできます。出身地は~で(以下略)。本日はよろしくお願いします」と、長々回答する、それにつられて次の学生も長々と回答してしまう、ということがよくあります。

 最初の自己紹介を「1分程度を目安にしてください」「自分を自由に表現してくれて構いません」と面接担当者が付け加えていたのであれば長々と話しても問題ありません。しかし、そうでなければ、所属を話す程度で十分です。

 他の質問も長い回答を面接担当者が期待しているわけではありません。選考の序盤に多い集団面接は、1グループあたり30分ないし40分程度、と時間を決めている企業が大半です。そのため、長く話す学生が出て、他の学生もそれにつられると予定が大きく狂うことになります。

 一応、集団面接での回答の目安は1分程度です。もちろん、面接担当者が深堀りする質問が出れば、回答した方がいいのは言うまでもありません。さて、長く話す学生が出た場合、1分程度のものをさらに短く話す、というのは結構、有効なアピール方法です。集団面接で何を話すか、事前に準備する学生は多いはず。その際、もし、短くする場合はどれを飛ばすか、考えておくと、さらに強いアピールとなるでしょう。

リクルートスーツ、他の人と違うものにしたいけど大丈夫か

 色を変えたい、ネクタイを派手なものにしたい、女子学生ならスカートルックかパンツルックか、など、気にする学生は多いです。結論から言えば、ちょっと派手なものでも採用側はあまり気にしません。ここで、リクルートスーツや身だしなみについて、デパート・スーツ量販店などに相談すべき、という方がいます。実際にスーツ量販店チェーンによっては大学内でスーツの着こなし方講座を請け負う企業もあります。やはり、長年、リクルートスーツを販売しているだけあって、どんな流行があるか、ストライクゾーンがどこまでか、などはよく熟知しています。

 ただし、デパートやスーツ量販店は、あくまでもリクルートスーツを売る立場にあります。その点は割り引いて聞いた方がいいでしょう。たとえば、業界別に買った方がいい、などとよく話されます。私からすれば、業界別に変えなければならないものか疑問です。就活生がリクルートスーツのストライクゾーンを調べる簡単な方法は合同説明会・企業説明会です。そこで他の学生のリクルートスーツを観察してみてください。それで大体の傾向がわかります。そのうえで大勢に合わせるのでもいいし、少しだけ変えるのでもいいし、そこは好みの問題です。

福利厚生が大事、と聞いたけど、どこで見ればいい?

業界は慌てて絞る必要はない

 企業の福利厚生は、社会人生活を左右します。たとえば、同じ初任給でも、A社は家賃補助が指定物件の半額。B社は家賃補助について社員が選んだ物件の7割を補助、としましょう。この場合、A社だと新入社員ならおそらくはワンルームか、1DKくらい。それに対してB社はA社と同じワンルームなら月あたり数万円程度は違うはず。あるいは、A社と同じ補助額でもB社なら2DKなど広い物件を借りられます。

 このような福利厚生ですが、会社説明会や合同説明会では企業説明の最後の方に少し話す程度です。企業パンフレットにも少ししか出ていません。そのため、最後までよく聞く、よく確認する必要があります。なお、聞き漏らした、分からない、というときは会社説明会の全体質疑や選考中に聞くのはやめましょう。個別に聞けるときにそっと聞く程度がちょうどいいです。

業界を絞るのは早い方がいいのか

 絞ったから内定を得やすくなるか、と言えばそんなことはありません。フライトアテンダントやアナウンサーなどであれば専門知識が問われます。そのために業界を絞る、という必要もあるでしょう。しかし、世の中の総合職の大半は、そこまで専門知識を問いません。そのため、業界を絞る必然性は特にありません。それから、就活生がよく言う「業界」とは、実はごくごく限られていて誤解しています。

 たとえば食品業界。就活生の間では、食品、菓子、飲料などのメーカーのことを指します。確かにそれも食品業界です。しかし、食品メーカーだけが食品業界なのでしょうか。2月7日にキャンパスプラザ京都で開催される「食品業界丸わかり研究会in京都」というイベントは、素材メーカーの林原、容器製造のエフピコ、卸のさんれいフーズなどが参加します。このように、食品業界と一口に言っても実は結構広くあるのですが、多くの就活生はその広さに気づいていません。

 私は学生が無理に業界を絞らなくても、1・2月のインターンシップやイベントなどを通して様々な企業を見ていけば自然に志望業界が絞られるか、あるいは志望企業が決まっていくもの、と考えます。