日本経済新聞 関連サイト

OK
skill up-自己成長

これからの女子キャリと生き方(28)意思決定をしないことが、未来を狭めているかもしれない

これからの女子キャリと生き方(28) 意思決定をしないことが、未来を狭めているかもしれない
authored by 新居日南恵manma代表

 こんにちは。manmaの新居日南恵(におり・ひなえ)です。先日、株式会社LIFULLさんの「LEAP」というイベントに登壇させていただきました。私も高校時代に大変お世話になった、NPO法人カタリバの今村久美さんをはじめとして、俳優の伊勢谷友介さんなど、様々な社会的インパクトの大きい活動に携わるみなさんが登壇された、学生向けのイベントです。

 私も学生セッションのコーナーで、お話をさせていただきました。せっかくなので、manmaの紹介だけではなく、manmaを始める決心の裏にあった気持ちについてお話したら、きっとお役に立てるのではないか。そんなことを思い、10分ほどプレゼンをしてきました。今日はその一部を、シェアしたいと思います。

「意識高い大学生」ど真ん中を突き進んでいては手遅れになる

 きっとこの記事を読んでいる人の中にも、似たような人がいるんじゃないかと思うのですが、私は大学1年生の時、こんな感じの学生でした。

・インターン3つとバイト2つ掛け持ち
・意見だけは一人前
・頑張っているけど、不完全燃焼
・一旦就職して、いつか起業するかも

 いわゆる「意識高い大学生」のど真ん中を突き進んでいました。色々とチャレンジしてみたい意欲もあるし、実際にインターンもして経験も積んでいました。だからこそ、一丁前の意見もありました。

 当時は18歳選挙権が認められる前。特に政治をテーマにした活動が広がりを見せていました。政治という大きな枠組みも大事だけど、まずは何よりも、目の前の人の幸せをつくる手触り感が大事なんじゃないか。そう思った私は、人の自信をつくることに関心を持ち、そして、それはきっと「家族」にヒントがあるんじゃないかと考えるようになっていました。

 でも、リスクをとってでも、その気持ちを信じて新しいことを始めるとか、何かチャレンジしようとは思えないでいたんです。そんなとき、頭をガツンと殴られるような出会いがありました。

 「そんなにはっきりと課題意識があるなら、とりあえず何かやってみればいいじゃない」と言われ、私はいつも通り「私はまだ実力がないので、何かを始めるとか無理です」と返しました。

 すると、こんなことをいわれました。

 「いま(19歳で)始めなさい。もし失敗しても慶應生という肩書きは消えないから普通に就活すればいい。もし万が一、10年続いたら、そのときは、絶対にあなたの右に並ぶ人はいない」

 これまでずっと先のばしでいいと思っていました。でも、いまだからこそ失敗もできるし、成功したら、唯一無二の存在になれるかもしれない。10年後に始めたんじゃ、遅いんだということに気づかされました。

 私は、ポンっと背中を押された気がして、その日から、少しずつ心が動かされていき、約半年後にmanma設立に向けて動き始めることになります。

どっちでもいいから、とりあえず決める

 きっと、なぜ家族をテーマにしようとしたのかと疑問に思われる方もいるかもしれません。manmaを設立したとき「いまの女子大生の手で安心して母になれる社会をつくる」というコンセプトを打ち立てました。

 もともと、AO入試で慶應法学部を受けるときは、志望動機としてスクールパウンセリングや言葉の力(言霊みたいなものに関心を持っていました)をテーマにしたいと思っていました。そんなとき、一つ年上の友人に「あなたが常日頃、考えずにはいられないことをテーマにしたほうがいい」と言われました。そのテーマについては、きっと誰よりも考えているから、志望動機にも深みが出るということです。そして、私は自信、特に自己肯定感というテーマを選びました。

 自己肯定感を高めるための小学生向け教育プログラムをやりたいと思って、慶應法学部に入学しました。そして、入学後に、自己肯定感を高めるためには家族の存在が大きいのではないかと考えを深めていきます。そして、manmaでの活動を経て、家族のチームマネジメントに関心を持ち、慶應SDMという大学院で現在は研究をしています。

 自己肯定感を選んだから、いまがあるんじゃないか、そう思われる方もいるかもしれません。でも、私は実は、そんなことはないんじゃないかなと思っています。もしあのとき「言葉の力」をテーマに選んでいたら、もっと早くいまの研究テーマに出会えたかもしれません。正しい選択なんてないんだと思います。そして、きっと、どの選択をしても最終的には同じところにたどり着くんだと思っています。

イベント「LEAP」ではカレッジカフェで連載している小幡さん(左から二人目)も一緒でした

 だからこそ、選択は早いほうがいいと信じています。多くの人は、自分にとって本当にやりたいことを選ぼうとして、正解探しに時間を割いているんじゃないでしょうか。私は、正解はわからないので「サイコロを振って適当に決めればいい」と思っています。他の人が悩んでいる間に、とりあえず決めた道を進んでみる。そして、失敗して、そこから学んで、また次の道に行く。

 そうすれば、正解を探して何もしていない人よりも、ずっと前に進めています。より良いほうを選べないことよりも「意思決定しないこと」がリスクなんじゃないでしょうか。若い今だからこそ、失敗するかもしれないリスクをとって、チャレンジしてみる価値があるのではないでしょうか。

 みなさんの尊い挑戦の後押しになったら、嬉しいです。