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スイーツビュッフェ、物語で「インスタ映え」

スイーツビュッフェ、物語で「インスタ映え」

 ホテル大手がインスタグラムなどの交流サイト(SNS)映えを意識したスイーツビュッフェのサービスに力を入れている。季節ごとにテーマを設け、物語性のあるコンセプトに料理や内装を統一している。ホテルだけに料金はスイーツとしては高めだが、独特の世界観を楽しめることから若い女性が多く訪れる。新宿の有力ホテルも顧客開拓を進めている。(清水孝輔)

ヒルトン、60年代のポップな世界

 ヒルトン東京(東京・新宿)は5月末までイチゴのビュッフェ「ストロベリー・サイケデリック60s」を開く。1960年代のポップアートやファッションから着想を得た世界観を表現した。

ヒルトン東京(東京・新宿)のスイーツビュッフェ

 スイーツはイチゴのタルトやマカロンなど約30種類。床にはカラフルな水玉模様のパネルを設置したほか、プロジェクションマッピングの演出もある。装飾はイギリスの赤い公衆電話ボックスまで用意するこだわりだ。

 原色を中心としたインパクトの強いテーマにした。マーケティングコミュニケーションズマネージャーの五戸若茂子さんは「会場に入った瞬間に違う世界を感じてもらいたい」と話す。料金は平日で3900円(税・サービス料別)、土日と祝日は4050円(同)。

 ヒルトン東京は1984年の新宿移転時に「マーブルラウンジ」で都内初となるスイーツビュッフェを始めた。当初は季節ごとにイチゴなど食材をテーマにしたビュッフェで人気を集めたが、イチゴのシーズンの後はビュッフェの需要が下がる傾向にあった。

 そこで「食材だけに頼るのはやめよう」と考え、15年に初めて「プリンセス」というストーリー性を加えた。来場者は年間10万人に迫る人気ぶりだ。17年12月までは「Yourシンデレラ・ストーリー」とシンデレラをテーマに。ホワイトチョコレートのケーキは「王子様が待っている!」など名前にもコンセプトを反映させた。

京王プラザ、「鏡の国のアリス」テーマ

 京王プラザホテル(東京・新宿)は「鏡の国のアリス」をテーマにしたビュッフェを実施している。1月末までのプラン「鏡の国のスイーツパーティ」は原作に忠実な世界観にした。物語を反映したスイーツを提供し、原作の挿絵となったイラストをスイーツの周りに展示している。

京王プラザホテル(東京・新宿)のスイーツビュッフェ

 スイーツは約30種類用意した。味に加えて見た目も重視。ムースは白と茶色を組み合わせてチェス盤にして、その上にチョコレートでできたチェスの駒を載せた。他にも「チェシャ猫のロールケーキ」や「燃えぶどうトンボ」など物語に登場するキャラクターを再現した。

 料金は大人3800円で、4歳~小学生までは2600円。「インスタグラムを見て来店する若い女性が多い」(料飲部の料飲戦略チーフスーパーバイザーの舘林薫さん)という。

 入り口には花のオブジェを用意し、挿絵とともに写真を撮れるようにした。さらにテーマに合わせてスイーツの間に鏡を配置した。舘林さんは「装飾を含めて空間をお客様に楽しんでもらえている」と話す。

 京王プラザホテルは14年11月に初めてスイーツビュッフェを実施。ホテルが開業した1971年当時を知る人にとってはブランドイメージが高いが、若年層に訴求できていないのが課題だった。

 舘林さんは「スイーツビュッフェが次世代の顧客の開拓につながっている」と語る。
(企業報道部 清水孝輔)[日経産業新聞 2018年1月11日付、日経電子版から転載]

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