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日本経済新聞「未来面」
三井住友海上火災保険社長からの課題
「あなたが考える50年後の損害保険は何ですか」

日本経済新聞「未来面」 三井住友海上火災保険社長からの課題  「あなたが考える50年後の損害保険は何ですか」

 日本経済新聞の未来面は、読者や企業トップの皆さんと課題を議論し、ともに作っていく紙面です。共通テーマは「革新力」です。今回の課題は三井住友海上火災保険社長・原典之さんからの「あなたが考える50年後の損害保険は何ですか」。学生の皆さんからの投稿を募集します。締め切りは2月15日(木)正午です。優れたアイデアを経営者が選んで、未来面や日経電子版の未来面サイトで紹介します。投稿は日経電子版の募集ページで受け付けます。

三井住友海上火災保険社長・原典之さんからの課題

「あなたが考える50年後の損害保険は何ですか」

原典之・三井住友海上火災保険社長

 損害保険会社の主力商品は、時代とともに変遷してきました。今から100年前は航海のリスクに備える海上保険が売り上げの8割を占めていました。その後、高度経済成長期になって持ち家が増えると、火災保険が5割を占める中核商品となり、さらにモータリゼーションの進展によって、現在は自動車保険が5割を超えトップです。そして今、自動車保険も転機を迎えています。完全自動運転が普及すれば、保険の商品設計は大きく変わっていくでしょう。

 では次の中核商品は何か。これから先、損保会社の担う大きな役割としてデジタル社会、サイバー社会におけるリスクへの対応があると思います。昨年、身代金を要求するコンピュータウイルスで150カ国20万台以上のPCが被害にあったとされる事件が発生しました。システムや保存データの破壊、情報漏洩などのリスクに対する備えは不可欠です。当社では中堅・中小企業のお客さまを中心に保険だけでなく防御システムの構築も包括した提案をしています。

 高齢化社会を迎え、新しい保険も登場しています。一昨年、列車の運行を妨害した認知症患者の家族に損害賠償を求めた訴訟の判決が出て話題になりました。こうしたリスクに備える保険や、独居老人が孤独死した場合の空室期間の家賃を保証する保険も誕生しています。自動車保険でも、高齢ドライバーが予定のルートを外れたら警告を発したり、事故が起きた場合に自動的にコールセンターにつながる機能を付けたりした商品の提供を始めました。

 また若者の車離れもあり「車は持っていないが、たまに運転する」というニーズに応えるためには、運転する日だけ入れる自動車保険が便利です。自動車保険に限らず、ライフスタイルの変化によって必要な時に必要なリスクを補償するオンデマンド型の保険も増えてくるでしょう。損害保険がもつ可能性は無限です。

 今後デジタル社会はますます広がり、先行きが一段と予測しにくい時代です。そんな時代に当社が必要とする人材は、これから先の社会が大きく変わる中で損保会社がどのような役割を果たすのか、そしてどんな損害保険が必要となるのか、想像力を働かせ、未来像をイメージできる人です。

 そこで若い世代の読者にお願いです。今から50年後、社会はどんな損害保険を必要としているでしょう。私たちが子供のころアニメで見ていた空飛ぶクルマ、宇宙旅行などが実現しているかもしれません。皆さんの柔軟な想像力で、50年後の損害保険会社のビジネスの可能性を切り開いてください。
(日本経済新聞2018年2月6日付)

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