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大空彩る個性派観覧車 東西12選

大空彩る個性派観覧車 東西12選
大空を背景にゆっくり回る観覧車。
いつもと同じ景色がまったく違って見える。
大人も童心にかえれる個性派観覧車をランキングした。

見慣れた風景 上から眺める

 遊園地を象徴する遊具、観覧車。専門家によると国内に初めて観覧車が登場したのは1906年に大阪で開かれた博覧会だという。エレベーターすら珍しかった当時、空に手が届きそうな高い所に、短時間で上がれることを体感した人々の驚きは相当なものだったようだ。

 1世紀以上たった今、全国に約150の観覧車がある。2017年にも新たに開業するなど、ランドマークとしての魅力は衰えていない。

 見慣れた風景をいつもと違った視点からふかんする観覧車は「手軽に非日常感を味わえる存在」(鈴木康之さん)。ゆっくり回りながら特別な時間を過ごせる12カ所を選んだ。

東1位 よこはまコスモワールド 820ポイント
堂々たる美しさ まさに女王(横浜市)

 港町、横浜のシンボル。「堂々とした姿はまさに観覧車の女王」(福井優子さん)。「横浜の宝石をちりばめたような美しい夜景」(吉村和敏さん)。60台あるゴンドラのうち4台は床が透けて見えるシースルー仕様で、上昇するにつれ「緊張感と興奮を味わえる」(大下孝枝さん)。乗るだけでなく「夜景の1つとして観覧車を眺めるのも最高」(大畠大介さん)。「夜にきらめく観覧車と揺れる屋形船の明かりの取り合わせは見事」(直嶋航さん)。周辺のホテルや公園など多くの地点からも見え「特に大さん橋からは昼夜問わず絵になる」(大嶋晴子さん)。

(1)800円(2)112メートル(15分)(3)1989年(4)みなとみらい線「みなとみらい駅」から徒歩2分

東2位 函館公園こどものくに 640ポイント
現役で国内最古 はるばる行くぜ(北海道函館市)

 国内で稼働する最古の観覧車。1950年に七飯町の大沼湖畔東大島に設置され、65年に現在の場所に移設された。風よけのカバーがない8つのゴンドラは「昭和の風情がたまらない」(直嶋さん)。ゆらゆらとそよ風に当たりながらゆっくり回っていると「タイムスリップした気持ちになり、童心にかえることができる」(鈴木さん)。「観覧車に乗るためだけに全国から訪れる人が多い」(福井さん)といい、「はるばるここまで来てよかったな、出会えてよかったなという感動がある」(吉村さん)。

(1)300円(2)12メートル(3分)(3)1965年(4)市電青柳町停留所から徒歩3分。※冬季は3月中旬まで休業中

東3位 八木山ベニーランド 410ポイント
馬車風でロマンチック(仙台市)

 八木山ベニーランドは仙台市民に愛されてきた同市郊外の遊園地。市内を一望できる。最大の特徴は「馬車のようなレトロで豪華なゴンドラ」(大嶋さん)。「木目調の内装は貴賓席のよう」(鈴木さん)で、おとぎ話に出てきそうなデザイン。「ロマンチックな雰囲気を演出する」(大下さん)とカップルにも人気のようだ。15年末の地下鉄開通で行きやすくなった。

(1)400円(2)35メートル(7分)(3)1992年(4)地下鉄東西線八木山動物公園駅から徒歩5分


東4位 葛西臨海公園 400ポイント
晴れた日は富士山も(東京都江戸川区)

 近くに高層ビルがなく「ぽつんと立つ大迫力を感じる」(酒井さん)。「駐車場から見るイルミネーションもおすすめ」(直嶋さん)。晴れた日にはレインボーブリッジや東京スカイツリー、房総半島、富士山が一望できる。夕暮れに赤く染まる東京湾の水平線も美しい。「ディズニーランドのシンデレラ城が見え、ファン必見のスポット」(大下さん)。

(1)700円(2)117メートル(17分)(3)2001年(4)JR京葉線「葛西臨海公園駅」から徒歩1分

東5位 浅草花やしき 380ポイント
園内で見落とす小ささ(東京都台東区)

 子ども用プラスチック玩具をそのまま大きくしたようなミニ観覧車。メリーゴーラウンドなどほかの遊具の隙間にすっぽり埋もれるほど小さく、歩いていて見落としてしまう。「頂上まで登っても近隣の建物の方が高い」(大嶋さん)ことでさらに小ささを実感する。「上に行っても風景に変化がないのが逆にユニーク」(内池さん)との声も。途中で反対回りになるのも面白い。

(1)200円(2)5.8メートル(5分)(3)1993年(4)浅草駅から徒歩5分


東6位 東京ドームシティアトラクションズ 370ポイント
中心駆けるコースター(東京都文京区)

 中心の軸がないセンターレス構造を世界で初めて採用。大きな輪の真ん中をジェットコースターが猛スピードで駆け抜ける様子は圧巻。ジェットコースターから見る観覧車も迫力があり「両方に乗ることで2倍楽しめる」(大下さん)。ゴンドラ内でカラオケを楽しめるなど新サービスも導入。「大都会を見下ろしながら歌えるのは爽快でストレス発散にもいい」(鈴木さん)

(1)820円(2)80メートル(15分)(3)2003年(4)地下鉄後楽園駅から徒歩1分

西1位 別府ラクテンチ 680ポイント
花の形 てんびんも回る(大分県別府市)

 別府市の小高い丘の上にそびえ立つ。不思議な形をした塔は国内唯一の二重観覧車だ。てんびんの軸の両端がそれぞれ観覧車になっている。左右の観覧車だけでなく、てんびんの軸自体も回転する。花が咲いたような形に「こんな観覧車があったのかと、見ているだけでワクワクする」(吉村さん)。2003年に閉園した兵庫県の宝塚ファミリーランドにあったものを部分的に移設。園内に入るために乗る急勾配のケーブルカーや昭和の香り漂う遊具や遠くに見える別府湾のキラキラと光り輝く水面なども魅力で「大分に来たら遠回りしてでも行きたい」(鈴木康之さん)。

(1)600円(2)40メートル(15分)(3)2004年(4)JR別府駅からタクシーで8分

西2位 エキスポシティ 540ポイント
高さ日本一 VIPルームも(大阪府吹田市)

 高さ日本一の観覧車。72台のゴンドラが全て床面が透けるシースルー構造で「スリル満点」(雨宮健一さん)。岡本太郎が制作した太陽の塔や高速道路を走る車のライトを「高所から鳥の目線で見下ろすような楽しみ方がお薦め」(大下さん)。世界で初めて免震構造を採用。ネットからの事前予約システムや、シャンパン(別途料金)も飲めるVIPルームを導入するなどサービス面でも「観覧車の概念を打ち破った」(酒井昭宏さん)。

(1)1000円(2)123メートル(18分)(3)2016年(4)大阪モノレール万博記念公園駅から徒歩2分


西3位 京都市動物園 530ポイント
郷愁覚えるたたずまい(京都市)

 国内で稼働する観覧車としては2番目に古い。2015年に動物園は全面改装、観覧車や古い遊具を集めた一角は「ここだけ時間が止まったよう」(鈴木さん)。「ノスタルジーあふれるたたずまいに中高年世代は郷愁を覚えるはず」(直嶋さん)だ。「パステルカラーのゴンドラは歴史的な京都の街並みに意外とマッチする」(大嶋さん)。

(1)200円(2)12メートル(2分半)(3)1956年(4)地下鉄東西線蹴上駅から徒歩5分

西4位 姫路市立動物園 520ポイント
桜の上に姫路城(兵庫県姫路市)

 小さなゴンドラで「2人で乗るとぎりぎりの狭さもひそかな魅力」(大嶋さん)で、上半分が覆われていないため「春は満開の桜の上にぽっかり出た瞬間、姫路城が見える」(内池秀人さん)。観覧車と同じ年に開業した東海道新幹線を模したミニ列車が周囲をぐるっと囲むのもかわいらしい。「城目当ての観光客は通り過ぎてしまうが、一緒に訪れてみてほしい」(鈴木さん)。

(1)150円(2)13.8メートル(2分)(3)1964年(4)JR姫路駅から徒歩15分


西5位 HEP FIVE 460ポイント
夜は照らされ赤映える(大阪市)

 真っ赤な塗装が特徴の、商業ビルを貫く観覧車。「ビルから観覧車が生えているかと目を疑った」(酒井さん)。「大阪を動かす歯車のよう。高層ビルに囲まれるようになった今も存在感は変わらない」(福井さん)。「ライトアップされた車体が映える夜がおすすめ」(大嶋さん)で「360度のパノラマが絶景」(内池さん)。「上から見たJR大阪駅はダイナミックだ」(鈴木さん)。

(1)500円(2)106メートル(15分)(3)1998年(4)梅田駅から徒歩3分


西6位 ハウステンボス 420ポイント
幻想的な光の世界(長崎県佐世保市)

 ハウステンボスの世界観を壊さない白一色が美しい。ゴンドラの下には風車や運河などヨーロッパのような景色が広がり「本当にオランダに来た雰囲気が味わえる」(酒井さん)。夜間には青い海のようなイルミネーションもあり「園内の川に観覧車の光が揺れ、船が水面を進む光景は幻想的」(直嶋さん)。「光の世界の主人公になれる」(大畠さん)。

(1)700円(2)48メートル(11分)(3)2011年(4)JRハウステンボス駅から徒歩5分

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。観覧車のあるテーマパーク名、所在地。(1)大人1人の利用料金(一部施設は別途入園料が必要)(2)高さ(1回の所要時間)(3)開業年(4)行き方。写真は東日本1、4、6位、西日本1~5位瀬口蔵弘、東日本2位内池秀人、東日本5位小山隆史、ほかは各施設提供。

調査の方法 観覧車専門サイトの主宰者や写真家、旅行会社が全国に約150ある観覧車の中から形状や大きさ、サービス、歴史などに特徴がある37カ所を選出。独自性や観光スポットとしての魅力などの観点から順位を付けてもらい、集計した。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

 ▽雨宮健一(KNT―CTホールディングス国内旅行部)▽内池秀人(写真家)▽大下孝枝(いこレポ・いこーよ編集部)▽大嶋晴子(観覧車専門サイト運営)▽大畠大介(遊園地ドットコム編集長)▽酒井昭宏(JTB九州CSR推進室)▽鈴木康之(観覧車専門サイト運営)▽直嶋航(「観覧写」真家)▽福井優子(観覧車通信日本支局長)▽吉村和敏(写真家)

[NIKKEIプラス1 2018年1月13日付、NIKKEI STYLEから転載]

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