検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

思考フル回転、議論に即反応  気を緩められない白熱授業

インドでMBA(3)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

前回はIndian School of Business(ISB、インド商科大学院)の概要についてご紹介させて頂きましたが、今回はインドのMBAで、私が実際に直面した壁について少しお話させて頂きたいと思います。

前回のコラムでは、ISBにはインド中の優秀な学生が殺到するといった点についてもご紹介させて頂きました。そもそも優秀の定義って何?っていう話なのですが、私にとって特に彼らが少なくとも自分よりは「優れて秀でている」と日々感じるのは、新しい情報や学び(インプット)を自分なりに解釈し理解した上で、自分の頭で考えた独自の見解や回答(アウトプット)を即座に導き出すことができる点です。これは地頭の良さとでも言うのでしょうか。もちろん全ての見解や回答が正しいわけではなく人によって様々な考え方が存在するのですが、私がここで強調したいのは「即座に」という点で、とにかくこのインプットとアウトプットの回転がみんな極端に速いこと。当然MBAなので何でもいいから速く答えればいいという訳ではなく、論理的でない軽はずみな発言には教授からも学生からも容赦のない「Why?」の嵐が浴びせられますし、既に誰かが言ったことと似たような発言をすれば「それはもう聞いた」と一蹴されてしまいます。これは海外のビジネススクールならどこでも同じようなものだとは思いますが、ここまで「Why?」と「Because」が徹底して繰り返されるのは、インド人の文化と気質にも由来しているような気がしています。

ひたすら脳に汗

また、教授が言ったことをそのまま鵜呑みにするような学生がISBにはほとんどいないため、何か疑問があれば誰もが恥ずかしがらずに即座に質問をします。インド人には大人数の前でも間違えることやわからないことを素直に質問するといったことに対する抵抗がほとんど無いようなのですが、日本人の私の場合、どうしても間違いを恐れるあまり、発言や質問に慎重になってしまうことが多くなりがちです。時間をかけてよく考えることは時に大切かもしれませんが、ISBの授業では黙って熟考などしていたらあっという間に議論が次のトピックに移ってしまい発言の機会を逃すことになるため、ゆっくり考えさせてくれる時間など与えてはもらえません。

慣れない最初の内は特にこの周囲のスピード感についていくのにだいぶ戸惑いました。自分の頭で考えるって言ってみたら当たり前のことなのですが、一日中、常に思考をフル回転させスピードを保ちながら反射反応していくのって慣れていないと言うほど簡単なことではありません。授業中は集中しているので気づきませんが、インプットとアウトプットを頭の中で高速で回し続け、ひたすら脳に汗をかかせることを強要する週末の授業が終わった後には、一週間の仕事と週末のMBAの疲れが同時にどっと押し寄せてくる感覚に陥ります。

説得には合理性、時間、忍耐

ISBでの授業は一日のスケジュールが決まっているので、決まった時間に終わるように教授がうまく議論をコントロールしてくれるのですが、これが学生同士のグループワークになるとそうはうまくいきません。インド人との交渉やディスカッションにおいては相手を説得できるだけの合理性のみならず、時間と忍耐力も併せて要求されます。グループは科目ごとに毎回変わるのですが、その際のチームメンバーはとても大事。たかがケーススタディといえど手を抜く学生はおらず妥協は許されないため、チームの相性が合わずにメンバー同士が真っ向からぶつかって意見をうまく収束できないと夜中の3時頃まで長々とディスカッションが続くことも珍しくありません。また、彼らは日本人のように一歩引くというスタイルはあまり持っておらず、こちらが話しているのを遮ってでもまずは自分の話したいことを前面に主張してきます。ただし、これは彼らにとっては日常的なごく普通のことであり、当然悪気があるわけではありません。時にストレスを感じることもありますが、自ら望んでそういう環境に飛び込んで行ったのは私自身ですし、ここでは外国人である私がこのようなインド人のスタイルを否定するつもりももちろんありません。これはインドでMBAに挑戦する上でもインドでビジネスをする上でも私自身が乗り越えて行かなければいけない壁であると理解はしているのですが、一方、終わらないディスカッションにおいて、眠気と集中力、そして感情をうまくコントロールしながら、冷静に結論を導くようになれるのにはまだもう少しだけ時間と訓練が必要そうです。

和泉沢剛(いずみさわ ごう) 東京都出身。立命館アジア太平洋大学卒業後、日本の大手総合電機メーカーに就職し、海外事業拠点設立/海外M&A/新規事業立上げ/戦略的事業ブランディング等のプロジェクトに幅広く従事。現在は戦略部門の責任者としてインドに駐在する傍ら、週末はインドのビジネススクールに通いMBA取得を目指す。趣味は海外旅行で、これまで世界30か国以上約100都市を訪問。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_